レビュー
» 2006年08月15日 10時00分 公開

メディアプレイヤーキット検証 まとめ:個性派が出そろったHDDメディアプレイヤー、どれを買う? (1/2)

HDDを内蔵できるハイビジョン再生対応のメディアプレイヤーキットが相次いで登場した。どれを買えば幸せになれるのか? 用途別に考えてみた。

[坪山博貴,ITmedia]

 春から夏にかけて、HD再生に対応したメディアプレイヤーキットの新製品が相次いで登場した。DIGITAL COWBOYの「DC-MC50U2」と「DC-ML35UL2」、そして挑戦者ブランドの「Movie Tank III」だ。厳密に言えば同種の製品としてDVICOの「TVix M-5000U」(国内販売はアスク)が3月には登場していたのだが、登場時期の問題や実売の価格差などを考慮して今回は取り上げていない。それ以上の意図はない点をあらかじめお断りしておく。

 さて、今回連続レビューを行なった上記3製品は、それぞれに個性は強いものの、デコードチップにはともにSIGMA DESIGNSの「EM8621L」を採用している。つまり、WMV9やハイビジョン対応、付加機能となるUSBホスト機能といった、従来モデルに対しての新機能はほぼ共通となる。もちろん製品ごとの差異はあるが、もっとも重要視されるであろう再生可能な映像/音声コーデックは基本的に同じなのだ。従って3製品を横並びに比較し、どの製品を購入するのかを決めるとすれば、まさしく各製品の“個性の部分”が決め手になる。

HDDのカートリッジ運用が魅力「DC-MC50U2」

 DC-MC50U2の魅力は5インチベイの搭載に尽きる。もっとも、光学ドライブを内蔵できる点に関しては、コピーガードされた市販のDVDビデオが再生できない、DVD-VRに対応していないという点で、現実的にあまり意味があるとは思えない。すでに動画をDivXやWMV9でエンコードしてDVDメディアに保存済み、という場合は5インチベイにDVDドライブを組み込むのも悪くはないが、それならば最初から光学ドライブを内蔵したメディアプレイヤーを使えばよいからだ。

 しかし、実際HDDカートリッジでの運用に魅力を感じる人は多いようだ。この手の製品に興味がありそうな複数の知人をつかまえて尋ねてみると、おおむね意見は肯定的だった。そのほとんどは、「いちいち動画をDVDに保存するのは面倒」「単価の安いHDDに動画ファイルを片っ端からため込んでいる」ということで、HDDのカートリッジ運用は魅力らしい。また、任意のリムーバブルキットを組み込めるという点も評価が高い。

リムーバブルカートリッジでの運用が可能

 ちなみに、同じくDIGITAL COWBOYからネットワーク機能を搭載したDC-ML35UL2が追って登場したが、逆にネットワークアクセスは「PCをつけっぱなしにする必要がある、もしくは使うたびにPCの電源を入れに行くのが面倒」「TVのある部屋にLANを引っ張るのがイヤ」という意見もある。その点、HDDをさくっと交換できるカートリッジ式であれば、手軽に導入でき、運用コスト(というほど大げさでもないが)が低くすむ点もメリットだ。

 繰り返しになるが、やはりDC-MC50U2の魅力は、単純明快で分かりやすいHDDのカートリッジ運用がすべてということになりそうだ。任意のリムーバブルキットを使えるため、既存のカートリッジも共有できるし、追加購入する場合でも安価なキットを利用できる。動画ファイルの入ったHDDが山のようにある、そんな人におすすめだ。

現時点でのオールラウンドプレイヤー「DC-ML35UL2」

 今回取り上げた3製品でもっとも多機能でオールラウンドプレイヤーと言えるのが「DC-ML35UL2」だ。3.5インチHDDを内蔵でき、サーバーソフトを搭載せずにネットワーク再生が可能、さらにUSB接続以外でもLAN経由でのHDD書き込みに対応する。旧モデルですら競合製品より多機能だったのに、非公式ながらUSBホスト機能が加わることでますます多機能化が進んだ。

 もっとも、本製品の場合は内蔵HDDが必要かどうか、という点で評価が分かれるだろう。ネットワークアクセス用に常にPCの電源が入っているならば、べつに内蔵HDDが必須とはならない人も多いはずだ。ライバルになるのは、どちらかといえばDVDドライブ+ネットワーク対応のメディアプレイヤーともいえ、これらに対してはサーバーソフトが不要というメリットがある代わりに、DRMに対応していないというデメリットがある。現実問題として、インターネット上でDRMなしに入手可能なハイビジョンコンテンツはサンプルがせいぜいだろうから、ハイビジョン再生の実用性という意味では、DRMに対応した製品もあるDVDドライブ+ネットワーク対応のメディアプレイヤーに分があったりもする。

ユーザーインタフェースが改良されている

 もちろん、よく見るコンテンツや家族のためのコンテンツは内蔵HDDに、残りをネットワーク再生で、という使い道はあるだろう。音楽データは内蔵HDDに保存し、スタンドアロンのBGMプレイヤーとして使う、という方法もアリだ。転送速度面での難点はあるが、ネットワーク経由で内蔵HDDに書込みができる点も魅力ではあるだろう。

 実際今回レビューした3製品の中で、もっとも幅広い使い方ができたのは本製品だし、価格もそれほど高価なわけではない。その半面、すでに述べたとおり、ネットワーク再生を中心に利用するのであれば、ライバルはDVDドライブ+ネットワーク対応のメディアプレイヤーで、こちらはDRM対応の製品もあるし、DVDプレイヤーとしても普通に使えるというメリットもある。多機能で魅力的な製品ではあるが、それも使い方次第であることは留意しておきたい。

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