お盆は、国内の多くのメーカーや代理店が休みに入るため、出回る新製品が極端に少なくなる。その一方で、夏休みやコミケの影響で、アキバにも全国各地から多数のユーザーが訪れる。一時的に需要が供給を大きく上回る時期だが、PCパーツショップは事前に大量の在庫をストックして、ニーズに応えるのが通例だ。
そんな新製品が少ない状況でも、注目を集める“大物”は必ず現れる。お盆シーズン前半には、ASUSTeKのゲーマー向けマザーボード「BLITZ EXTREME」が話題を集め、週末にはすでに入手困難な状況となった。Intel P35 Expressチップセットを搭載するATXマザーで、独自開発の「Fusion Block System」により、水冷ユニットをチップセットなどにも装着できるように工夫されている。4万2000円前後の高価な製品だが、「P35マザーで最後の目玉商品といわれていました。X38マザーの登場まで待たないと、マザーの次の大物はないかも」(某ショップ)とのことで、順調に売れたようだ。
お盆シーズンの後半にあたる先週末は、まだ登場していないAthlon 64 X2の最上位モデル「6400+ Black Edition」が一番の大物と目されていた。8月12日に開催された「AMDの夏祭り」にて、“兄貴”こと土居憲太郎氏自らが発表した3.2GHz動作の限定モデルだ。8月20日の発売開始を告知しており、久しぶりのハイエンドCPUとあって、話題を集めること必至と思われたが、週末の時点ではアキバの各ショップにはほとんど問い合わせが届いていなかった。
T-ZONE.PC DIY SHOPは「イベントでは告知されたものの、正式なアナウンスは20日まで待たないといけません。つまり、我々が大々的に宣伝することは、発売当日までできないのです。すでに世間に出回った情報なのに、何もできないというはがゆい状態になっていますね」と話す。
また、あるショップは「6400+はTDPが125ワットと、非常に高熱です。Athlon X2 BEシリーズが人気を集めているいま、購買欲がそそられるは少ないのではないでしょうか。それに価格も正式に公表されていないので、手を出せるかどうかも分からない」と、製品の魅力についても言及する。
しかし、ユーザーからの問い合わせはほとんどないものの、ヒットを確信する声もある。RADEON派を自称するある店員さんは「最近のAMDは、CPUもGPUも売れ筋だけにラインアップを絞っていて、ワクワクさせてくれなかった。その中で6400+は、久しぶりに尖った製品だと思います。“やればできるじゃねえか”みたいなノリで購入する僕みたいなユーザーが確実にいるでしょう」と語っていた。
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