イベントの最後に用意されたAMDのセッションで、土居氏は冒頭に「3つの新情報を公開します」と話した。
第1弾は、7月26日に米AMDがアナリスト向けの公開したCPUの最新ロードマップ。163ページに及ぶプレゼンシートを、兄貴が独自に編集して1ページにまとめてしまったという(関連記事:Analyst DayでチェックするAMDの最新ロードマップ)。
そのシートによると、2008年中ごろにはRD8xxシリーズのチップセットが登場し、デスクトップ向けCPUは製造プロセスを45ナノメートルに移行する。ダイの省スペース化が実現することで、余地を利用してL3キャッシュを6Mバイトまで増量する方針だ。その後、2009年には「イチから設計したアーキテクチャを採用する」(土居氏)という、最大8コアまで対応する“BULLUDOZER”がハイエンド向けに登場。ミドルレンジまでのデスクトップCPUは、ノート型のアーキテクチャを踏襲した“Fusion”が出回るようになるという。
第2弾は、“真のクアッドコア”Phenom搭載機のお披露め。未発表のチップセット「RD 790」と3.0GHz動作のクアッドコアCPU「Phenom FX」に、RADEON HD 2900XT搭載カードを2枚挿した強力なマシンだ。
従来のAMDイベントでは、FASN8システムを近日中に披露すると言い続けていたが、「FASN8よりコチラのマシンのほうが断然速かったので、変更しました。FASN8は発売されるまでお蔵入りということで」(土居氏)という。さすがに会場内からはブーイングがあがったが、Phenomマシンの性能を目の当たりにすると、すぐに感嘆の声に変わった。
最後の新情報は、8月20日に発表と発売がなされる予定のCPUだった。Athlon 64 X2の最上位モデル「6400+」で、「BLACK edition」と銘打たれている。動作クロックは3.2GHzとなっており、同ブランドのラインアップとしては、もちろん最上位。FASN8システムと同じく、過去のAMDイベントで従来CPUの追加モデルの存在だけは知らされていたが、具体的な情報が明らかにされたのは初めて。土居氏は「ようやくハイエンドモデルが復活しましたね」と笑った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.