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» 2008年01月08日 01時30分 UPDATE

2008 International CES:NVIDIA、AMD向け新世代チップセットとHybrid SLIを発表

NVIDIAは、1月7日に新機軸のマルチGPU技術「Hybrid SLI」の詳細を明らかにするとともに、対応するAMD向けチップセットの新モデルを発表した。

[長浜和也,ITmedia]

mGPUとdGPUを連携させて省電力と性能向上を実現するHybrid SLI

kn_ces06nv_01.jpg Hybrid SLIの構成概念

 Hybrid SLIは、外付けのグラフィックスカードに搭載されたディスクリートのGPU(以下 dGPU)とマザーボードのチップセットに統合されたGPU(以下、mGPU)で構成されるマルチGPU技術だ。

 Hybrid SLIでは、3Dゲームのような重い描画処理が求められる場合は、mGPUとdGPUを連動させて高い3D性能を発揮させ、Windows表示のような描画負荷が軽いときは、dGPUを停止してmGPUだけを利用することで省電力を実現する。NVIDIAは、Hybrid SLIという“構成”の呼称とは別に、Hybrid SLIを応用した「HybridPower」「GeForce Boost」という2つの異なる動作モードを用意している。

 「HybridPower」では、高い3D処理能力が求められる場面ではdGPUを利用し、低い3D処理能力で済む場面ではmGPUに“切り替えて”dGPUを休止する。NVIDIA SLIを構成しているシステムでもHybridPowerは利用可能で、高い3D性能が必要なときだけ2つのdGPUを有効にして、それ以外ではdGPUを休止させてmGPUだけを利用する。なお、HybridPowerでは、ビデオ出力はマザーボード側に用意されているコネクタを使うことになる。

 Hybrid SLIの構成では、チップセット(MCP)に内蔵されたmGPUとグラフィックスカードのdGPUはPCI Express 2.0で接続されるほかに、システムのステータス監視(CPUの温度やファンの回転数、駆動電圧などを取得する)用のSMBusも接続しており、このSMBusを介してdGPUの有効/無効コマンドが実行される。

 GeForce Boostは、mGPUとdGPUを連動させることで、dGPUだけで発揮していた性能にmGPUの処理能力を上乗せできる技術だ。NVIDIA SLIと同様に、mGPUとdGPUは、それぞれが異なるフレームを分担することで、3D描画性能を向上させている。

kn_ces06nv_02.jpgkn_ces06nv_03.jpgkn_ces06nv_04.jpg HybridPowerでは、SMBusで発行された制御コマンドで、dGPUを休止させたり復活させたりできる

kn_ces06nv_05.jpgkn_ces06nv_06.jpgkn_ces06nv_07.jpg GeForce Boostでは、mGPUとdGPUそれぞれで別のフレームを描画させ、dGPUで仕上がった“絵”をmGPUのグラフィックスメモリ(システムメモリからmGPUが使っているエリア)に展開してディスプレイに出力する

 NVIDIAが示した資料には、3DMark06の測定で、GeForce Boostを有効にすると40%の性能向上が確認され、通常の状態でバッテリー駆動時間が3時間だったシステムでは、HybridPowerを有効にすることで駆動時間が5時間に伸びているデータが示されていた。

 Hybrid SLIを構成しているシステムで、GeForce Boost、HybridPowerの挙動を設定する場合は、Windows Vista上から行う(HybridPowerはWindows XPに対応していない)。GeForce Boostの設定はコントロールパネルの「電力管理」にある「GPU Setting」に「NVIDIA GeForce Boost」という項目が登場し、そこで、「Boost Performance(Multiple GPUs)」を選ぶとGeForce Boostが有効になる。HybridPowerは「Additional Displays/HybridPower」の設定項目で「NVIDIA HyperPower」を選択すると有効になる。

 HybridPowerもGeForce Boostもシステムで利用するには、mGPUとdGPUがそれぞれの技術に対応している必要がある。NVIDIAが示した資料によると、GeForce Boostに対応するdGPUとして、これから登場する次世代のGPUに加えて、現行のバリューモデルGPUとなるGeForce 8500 GT、GeForce 8400 GSが挙がっている。マザーボード側では、Hybrid SLIと当時に発表された、AMDプラットフォーム向けチップセットの新モデル「nForce 780a SLI」「nForce 750a SLI」「nForce 730a」に統合されたmGPUと、同じAMDプラットフォーム対応のmicro ATXフォームファクタ向けチップセットとして登場する「GeForce 8200」に統合されるmGPUが挙がっている。

 ただし、HybridPowerを利用するにはハードウェアの対応が必要であるため、dGPUのGeForce 8500 GT、GeForce 8400 GS、チップセットのバリューモデルとなるnForce 730aでは利用できない。

 なお、今回登場したHybrid SLI対応プラットフォームはAMD対応のデスクトップモデルのみだが、第2四半期にインテル対応のプラットフォームが、次いでノートPC対応のプラットフォームがそれぞれリリースされる予定になっている。

kn_ces06nv_08.jpg HybridPowerとGeForce Boostの設定画面
kn_ces06nv_09.jpg HybridPowerとGeForce Boostの対応状況
kn_ces06nv_10.jpg HybridPowerによる省電力の実現は静音性能の向上にもつながることを示したAMDの音量測定の結果

久々のNVIDIA製AMD向け統合型チップセットとなる「nForce 700a」シリーズ

kn_ces06nv_14.jpg nForce 780a SLIを搭載したリファレンスデザインのマザーボード

 先に紹介したように、Hybrid SLIの発表と同時にAMD対応プラットフォーム向け統合型チップセットの「nForce 780a SLI」「nForce 750a SLI」「nForce 730a」「GeForce 8200」がリリースされた。ハイエンドモデルのnForce 780a SLIとミドルレンジモデルのnForce 750a SLIでは、PCI Express 2.0に組み込んだグラフィックスカードを「nForce 200」を介してMCPと接続している。また、nForce 780a SLIでは、3枚のグラフィックスカードで構成される「3-way NVIDIA SLI」に対応するなど、その機能は、先日発表されたインテル対応プラットフォーム向けチップセットの「nForce 780i SLI」「nForce 750i SLI」に近い。

 ただし、その構成は異なっており、特にPCI Express x16の接続形態において、nForce 200を介したノースブリッジとサウスブリッジに分散していたnForce 780i SLI、nForce 750i SLIと異なり、nForce 780a SLI、nForce 750a SLIでは、すべてのPCI Express x16がnForce 200を介してmGPUが統合されているMCPと接続している。

 GeForce 8200は、mGPUを内蔵する統合型チップセットでAMD対応のmicro ATXフォームファクタ向けのモデルだ。GeForce 8200に統合されたmGPUは、DirectX 10、HybridPower、GeForce Boostに対応するほか、そこに組み込まれたPureVideo HDは、第2世代でサポートされていなかったVC-1のハードウェア復号にも対応する。

kn_ces06nv_11.jpg nForce 780a SLIの構成
kn_ces06nv_12.jpg nForce 700aシリーズのラインアップと主要な機能、搭載マザーの予想実売価格帯
kn_ces06nv_13.jpg GeForce 8200の構成

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