今週の木曜日、T-ZONE.PC DIY SHOPに、東芝製の2.5インチHDD「MK1652GSX」が入荷した。容量は160Gバイトで、高速といわれる“1プラッタもの”。価格は9954円だ。同店は「ウェスタンデジタルのライバルになるでしょうね。在庫は潤沢ですが、最近はHDDが安いからまとめ買いする人も多いので、お早めにどうぞ」と話す。
最近HDDの値下がり傾向が続いており、特に500Gバイトを超える大容量モデルは、1カ月で20〜40%程度の下げ幅を記録している。この流れをうけて、今週末は500GバイトHDDを特価で販売するショップが複数あった。
T-ZONE.PC DIY SHOPでは、日立製の「Deskstar P7K500 HDP725050GLA360」を、TSUKUMO eX.ではウェスタンデジタルの「WD5000AAKS」を、それぞれ7980円で販売する。ほかにも同様のキャンペーンを行うショップが数店舗ある。
TSUKUMO eX.は「今週末はWindows Vista SP1 Σの解禁をひかえています。これを機に自作マシンを組むという人に向けて、思い切って土日各100台の特価品を用意しました」と語る。さらに、T-ZONE.PC DIY SHOPは土曜日400台、日曜日200台の大盤振る舞いだ。
HDDの価格が下がっている要因は、メーカーが一部の製品を処分価格で卸したことが大きいという。
某ショップは「2社(日立とウェスタンデジタル)だけが異常に安くなっているのは確かです。HDDは販売数が多い製品なので、価格改定が入ったときは焦りましたよ。価格設定をすぐに変えるショップもあるので、ウチも持っていた在庫まで値下げしなければならなくなります。まあ、今回は3月末に向けた値下げがなされるという情報を事前にキャッチしていたので大丈夫でしたけど」と語る。
また、最近の円高ドル安傾向を理由に挙げる店員さんも多かった。「PCパーツの多くは台湾の工場から送られてきますが、ドル建てで支払われるため、米国の経済事情を受けやすい。商品の回転が速いHDDとメモリはその影響を強く受けるわけですが、1ドル100円を割り込んだ現状の相場は、来週以降に反映されるでしょうね」(某店員さん)。
このため、クレバリー1号店ではウェスタンデジタルの1TバイトHDD「WD10EACS」が2万1808円まで下がり、好調に売れている。「まとめ買いする人が増えましたね。ただ、さらに下がるのを待っている人もいるようです。メモリは価格の上下変動がありますが、HDDは原則下がったら上がることはない商品ですから」とのこと。
ただし、HDDの大幅値下げを断行するショップに対して、その姿勢を不安視する声もある。フェイス パーツ館は「HDDの全体的な値下がりの影には、ショップ間の過度な競争があります。これほどまでの急激な値下がりは、卸値や円高だけでは説明できない。7980円の特価品は当然として、一部のショップでは普通の売価でさえ赤字を疑う価格になっている。身を切った商売をすると戻れなくなる危険があるのに……PC-Successの教訓を忘れたんでしょうかね」と厳しく見ていた。
製品名: | 東芝「MK1652GSX」 |
入荷ショップ: | |
T-ZONE.PC DIY SHOP | 9980円 |
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