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» 2008年03月26日 13時45分 UPDATE

Acerの野望:「次に狙うのは日本だ」――16:9大画面ノートで“最後の牙城”に挑むエイサー

日本エイサーは、ホームシアター向けノートPC「Gemstone Blue」(Aspire 6920)を発表した。アスペクト比16:9の16インチワイド液晶パネルを採用したノートPCは世界で初めて。

[後藤治,ITmedia]
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 日本エイサーは3月25日、同社のハイエンドノートPCブランド「Gemstone」を冠した第2世代の製品として、「Gemstone Blue」(Aspire 6920シリーズ)を4月25日より発売すると発表した。ラインアップは全6モデルで、実売価格は14万〜21万円前後になる見込み。

 同日行われた発表会では、台湾Acerのブランドマネジメント&プロダクトマーケティングディビジョン モバイルコンピューティングビジネスユニット ディレクターのアンディ・チャン(Andy Chang)氏が新製品の概要を説明。ノートPCとしては世界初のアスペクト比16:9に対応した16インチワイド液晶パネルや、最新のDolby Home Theaterテクノロジの採用などを特徴として挙げ、日本市場本格参入の第一弾となるAspire 6920の魅力をアピールした。

 Aspire 6920の最大の特徴は、1366×768ドット表示に対応した16インチワイド液晶を採用した点だ。チャン氏は、ハイビジョンコンテンツと親和性の高い16:9表示のパネルにより、16:10表示の液晶ディスプレイに比べて、フル画面(黒帯なし)で映像を楽しむことができるとそのメリットを強調する。また、パネル自体の性能も、15.4インチの一般的なワイドノートPCに搭載される液晶に比べて輝度や色域が高く、(1280×800ドット表示に比べて)表示領域が広いことから、地図やスプレッドシート使うビジネスユースにおいても生産性を向上できると語った(ちなみに、ソニーの「VAIO type T」やASUSTeKの「U1F」など、11インチワイドでアスペクト比16:9(1366×768ドット表示)のパネルを採用した製品はこれまでにも存在している)。

og_6920_002.jpgog_6920_003.jpgog_6920_004.jpg 台湾Acerのブランドマネジメント&プロダクトマーケティングディビジョン モバイルコンピューティングビジネスユニット ディレクターのアンディ・チャン(Andy Chang)氏(写真=左)。Gemstone Blueのデザインコンセプトである青は、「22カ国で最も好まれている色」(同氏)だという(写真=中央)。アスペクト比16:9(1366×768ドット表示)の16インチワイド液晶が15.4インチワイド(1280×800ドット表示)液晶に比べて有利な点を説明するスライド(写真=右)

og_6920_005.jpg 第1世代と第2世代のDolby Home Theaterテクノロジ比較

 “ホームシアター”をうたうノートPCとして、第2世代のDolby Home Theaterテクノロジを搭載しているのもポイントだ。第1世代のDolby Home Theaterと比較して、ステレオをサラウンドに拡張するDolby Pro Logic IIがIIxに強化されたほか、設置距離の近いスピーカーでも奥行きのある音響を実現するSound Space Expanderや、特に小さなスピーカーでは問題となりやすい低音部を補間するDolby Natural Bassなど、ノートPCで臨場感のあるサウンドを再生するための新機能が目を引く。

 このほか機能面でも、Blu-ray Discドライブ(BDリード/2層対応DVDスーパーマルチ)や30万画素のWebカメラ、HDMI端子、Windowsを起動せずにマルチメディアコンテンツの視聴が行える専用UIと、タッチセンサで再生操作が行えるメディアコンソールなど、いわゆるAVノートPCとしての機能をほぼ網羅する内容となっている(ただし、地デジモデルは用意されていない)。また、同社が特に力を入れたと言うデザインは、ピアノブラックで塗装されたボディの各部に、Gemstone Blueの名にふさわしい、青く光るイルミネーションを配置し、高級感を演出している。チャン氏は今回の新製品によって「日本のユーザーにまったく新しい体験をしてもらえると思う」と自信を見せた。

og_6920_006.jpgog_6920_007.jpgog_6920_008.jpg 光沢感のあるピアノブラックの天面にacerロゴが光る(写真=左)。キーボード左側に配置されたタッチセンサ式のメディアコンソールも青く光る(写真=中央)。左側面にHDMI端子も搭載。ちなみにACコネクタや電源ボタンの周囲も青く光る(写真=右)

og_6920_009.jpgog_6920_010.jpgog_6920_011.jpg 上位2モデルは右側面にBDドライブを備える(写真=左)。キーボード右奧のeボタンを押すと、独自のアプリケーションランチャが起動し、電源管理やセキュリティ機能、オーディオ、バックアップやリカバリなどの設定を呼び出せる(写真=中央)。Windowsを起動せずにメディアコンソールからファイルを再生操作できるメディアプレーヤー機能も搭載している(写真=右)

 6モデル用意されるAspire 6920のラインアップは、CPUや外付けグラフィックス、光学ドライブ、オフィススイートの有無で差別化されている。液晶パネルのスペック(220nit/8ms)やSanta Rosa世代のプラットフォームは共通だが、グラフィックスにNVIDIA GeForce 9500Mを採用する上位4モデルは、45ナノCore 2 DuoとIntel PM965 Expressを組み合わせた基本システムで、下位2モデルは65ナノCore 2 DuoとIntel GM965 Expressの組み合わせとなっている。OSはすべてWindows Vista Home Premiumだ(Aspire 6920の主なスペックと実売価格は下の表を参照)。

 なお、米国ではフルHD(1920×1080ドット表示)対応の18.4インチワイド液晶を搭載する「Aspire 8920」シリーズも投入されるが、こちらの日本投入は2008年の夏以降になる予定。

「ユニークかつタフな日本市場」に本格参入

og_6920_012.jpg 日本エイサー代表取締役社長ボブ・セン氏

 発表会の冒頭では、日本エイサー代表取締役社長のボブ・セン氏が登壇し、Gemstone Blueの投入で本格的に日本市場へ参入する強い意気込みを語った。

 同氏はまず、1976年にわずか11名のスタッフで始まった同社の歴史をふり返ったあと、最近のパッカードベルやゲートウェイ買収について触れ、現在では世界で第3位のPCベンダー(ノートPCのシェアでは2位)として「ワールドワイドベースで140億6000万ドルの売り上げを達成することができた」とその好調ぶりをアピールした。

 その大きな転換点となったのは、ビジネスの主軸をOEM事業からAcerブランドのPC事業へと移した2000年以降だという。「製造のAcerからブランディングのAcerへ」(同氏)と語る事業戦略によって、例えば2002年に30億ドルだった売上高がその後6年間で6倍弱の140億ドルを超えるなど急成長を遂げた。

og_6920_013.jpgog_6920_014.jpgog_6920_015.jpg 事業の主軸を製造からAcerブランドPCの販売へ移した2000年以降も売上高、収益、出荷台数で右肩上がりの成長をしている

 また、世界市場シェアで1、2位のHPとデルに比べ、「Acerは(直販事業ではなく)各国の販売代理店と強いパートナーシップを結び、チャンネルビジネスを徹底していく」と述べ、販売にリソースを割かない(実際、同社の従業員数は5300人ほどと、企業規模に比べれば少ない)効率的なビジネスをめざすと語った。

 一方、ワールドワイドで確固たる地位を築いてきた同社だが、日本市場に限って見れば、2007年4Qの成長率ではマイナスになるなど苦戦している。もっともこれは、ほかの地域(BRICs)に注力していたためで、こちらは2ケタの成長率を実現している。

og_6920_016.jpgog_6920_017.jpgog_6920_018.jpg 同社はフェラーリの公式スポンサーも務めるなどブランディングに力を入れてきた(写真=左)。売上高の内訳ではEMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)が55%を占める。特に同社はヨーロッパで強い影響力を持つ(写真=中央)。ここ数年同社が注力してきたBRICs各国は2ケタの成長率を達成している。一方、日本市場のシェアはいまだランキング外だ(写真=右)

 ボブ・セン氏は「日本は国内メーカーが80%以上のシェアを持つ、我々にとって非常にユニークでタフな市場だが、この2年間で販売経路の整備をしてきた」と本格参入の準備が整ったことを示唆し、「(世界市場で)次に狙うのが日本。もちろん一夜でどうにかなるとは思っていないが、正しい製品を正しいタイミングで投入していきたい」と述べ、長期的に日本市場のシェア獲得をめざす決意を見せた。

Aspire 6920の主な仕様(1)オフィススイートなし
モデル名 AS6920-602G16 AS6920-812G25 AS6920-832G32
CPU Core 2 Duo T7500(2.2GHz) Core 2 Duo T8100(2.1GHz) Core 2 Duo T8300(2.4GHz)
チップセット Intel GM965 Express Intel PM965 Express Intel PM965 Express
メモリ 標準2GB/最大4GB 標準2GB/最大4GB 標準2GB/最大4GB
HDD 160GB(5400rpm) 250GB(5400rpm) 320GB(5400rpm)
グラフィックス チップセット内蔵 GeForce 9500M(512MB) GeForce 9500M(512MB)
液晶ディスプレイ 16インチワイド(1366×768) 16インチワイド(1366×768) 16インチワイド(1366×768)
光学ドライブ DVDスーパーマルチ(±R DL) DVDスーパーマルチ(±R DL) Blu-ray(BDリード/DVDスーパーマルチ)
ネットワーク IEEE802.11a/b/g、Bluetooth 2.0+EDR、ギガビットLAN、モデム(V92) IEEE802.11a/b/g、Bluetooth 2.0+EDR、ギガビットLAN、モデム(V92) IEEE802.11a/b/g、Bluetooth 2.0+EDR、ギガビットLAN、モデム(V92)
バッテリー駆動時間 約2.3時間 約2.3時間 約2.3時間
本体サイズ 385×275×39.3〜43.6mm 385×275×39.3〜43.6mm 385×275×39.3〜43.6mm
重量 約3.5キロ 約3.5キロ 約3.5キロ
オフィススイート なし なし なし
OS Windows Vista Home Premium Windows Vista Home Premium Windows Vista Home Premium
実売価格 14万円前後 16万円前後 19万円前後

Aspire 6920の主な仕様(2)オフィススイートあり
モデル名 AS6920-602G16F AS6920-812G25F AS6920-832G32F
CPU Core 2 Duo T7500(2.2GHz) Core 2 Duo T8100(2.1GHz) Core 2 Duo T8300(2.4GHz)
チップセット Intel GM965 Express Intel PM965 Express Intel PM965 Express
メモリ 標準2GB/最大4GB 標準2GB/最大4GB 標準2GB/最大4GB
HDD 160GB(5400rpm) 250GB(5400rpm) 320GB(5400rpm)
グラフィックス チップセット内蔵 GeForce 9500M(512MB) GeForce 9500M(512MB)
液晶ディスプレイ 16インチワイド(1366×768) 16インチワイド(1366×768) 16インチワイド(1366×768)
光学ドライブ DVDスーパーマルチ(±R DL) DVDスーパーマルチ(±R DL) Blu-ray(BDリード/DVDスーパーマルチ)
ネットワーク IEEE802.11a/b/g、Bluetooth 2.0+EDR、ギガビットLAN、モデム(V92) IEEE802.11a/b/g、Bluetooth 2.0+EDR、ギガビットLAN、モデム(V92) IEEE802.11a/b/g、Bluetooth 2.0+EDR、ギガビットLAN、モデム(V92)
バッテリー駆動時間 約j2.3時間 約j2.3時間 約j2.3時間
本体サイズ 385×275×39.3〜43.6mm 385×275×39.3〜43.6mm 385×275×39.3〜43.6mm
重量 約3.5キロ 約3.5キロ 約3.5キロ
オフィススイート あり あり あり
OS Windows Vista Home Premium Windows Vista Home Premium Windows Vista Home Premium
実売価格 16万円前後 18万円前後 21万円前後

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