“アルマジロ”のような「Arc Touch mouse」を触ってみたHD対応Webカメラも披露

» 2010年12月21日 00時00分 公開
[ITmedia]
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ぐにぐに曲がる「Arc Touch mouse」

Arc Touch mouse

 既報のとおり、マイクロソフトはワイヤレスマウス「Arc Touch mouse」の国内価格および発売日を発表した。Arc Touch mouseは、アーチ型の「Arc Mouse」に似たデザインを採用しつつ、非使用時はグリップ部分がフラットになる可変機構を備えているのが特徴。また、スクロール部分はタッチセンサー式ホイールとなり、フリック(指先をスライド)による高速スクロールや、上部(ページダウン)/中央部(カスタマイズ)/下部(ページアップ)のそれぞれに応じたタッチ操作が可能だ。読み取りセンサーにはマイクロソフトおなじみのBlueTrackテクノロジを採用し、解像度は1000dpi、読み取り速度は8000fpsとなっている。本体サイズは約55(幅)×128(奥行き)×13.5(高さ)ミリ、重量90グラム。バッテリー駆動時間は約6カ月だ。

 製品説明会では、マイクロソフトディペロップメントの水谷祐一氏がArc Touch mouseの特徴を解説。携帯電話のように胸ポケットに収まるフラットなデザインや、可変機構が電源のオン/オフに連動する点、新たに採用されたタッチセンサー式スクロールホイールが振動と音で操作をフィードバックする点などが語られた。また、「マイクロソフトはこれまでホイールの動作にこだわってきた」と述べ、同社のマウス用ソフトウェア「IntelliPoint」と組み合わせることで、これまでの4倍の精度でホイールの動きを検出する「パーシャルスクロール」がデモとともに紹介された。ただし、パーシャルスクロールはアプリ側の対応(VM_MOUSEWHEELの処理)も必要。

 ちなみに、マウスのグリップが2段階に変形する機構は、一方で耐久性が気になるところだが、同社は「実は90個近くの細かい部品で構成されたアルマジロのような構造になっていて、非常に耐久性が高い」とし、「4万回“ぐにぐに”しても大丈夫です」と語っている。

Arc Touch mouseを紹介するマイクロソフトディペロップメントの水谷祐一氏(写真=左)。読み取りセンサーは、さまざまな表面を高精度で読み取るマイクロソフトの独自技術「BlueTrack」を採用する(写真=中央)。非使用時は携帯電話のようにフラットな形状になる。写真はiPhone 4との比較(写真=右)

 実際に使ってみたところ、マウスを折り曲げた時の最も高い部分(手のひらがあたる部分)は約31ミリ程度になり、小指と薬指を本体の底部に回す感じにすると、ほどよくグリップできた。側面から裏側にかけてはラバー素材が採用されているため、エッジが指にかかって痛いということもない。ただ、クリックボタンがやや固めなので、親指と薬指でマウスを軽くホールドする人は、クリックしたはずみでポインタが下にずれることがありそうだ。

 クリックボタン周辺は光沢感のある素材になっており、指紋などがやや目につきやすい。また、マウスの機構上、思いっきり手のひらに力をかけると、ペタンと本体がフラットになってしまう。力を入れる部分は左右クリックボタンが中心になるため、通常の使用で変形することはまずないが、マウスに手をのせたままイスから立ち上がろうとしてマウスをつぶしてしまうことが何度かあった。

超小型レシーバーは、マウス本体の“お腹”に埋め込まれた磁石で吸着する。持ち運び時にレシーバーをなくさない工夫だ。説明会では、電話のように胸ポケットに入れて携帯する利用シーンが紹介されたが、常識的に考えて“それはないだろう”という気がした。ただ、フラットなので薄いカバンにも収納しやすいのは確かだ

 一方、タッチセンサーを導入したホイール部は、コリコリという音(結構大きめ)とともに本体が振動するフォースフィードバックを備えている。高速スクロール(慣性スクロール)になるフリック操作では、回転音が連続で聞こえ、センサー部分を指で抑えるとピタッと回転音が止まる。このあたりの操作感はメカニカルなホイールによく似せている。ただ、慣性スクロールは、画面上の移動が終わっても(ウィンドウの最下段に到達しても)フィードバックが続き、音もやや大げさに感じた。抵抗のない“ぬるぬるホイール”を使い慣れたユーザーは、手のひらまで振動が伝わる点に違和感があるかもしれない。なお、フィードバックの調整はIntelliPoint 8.0の設定画面から行える。デフォルトは大きめに設定されているので、気になる人は調整するといいだろう。

IntelliPoint 8.0でタッチセンサーのフィードバック量を調整できる(画面=左)。中央タップの動作も設定可能(写真=中央)。簡単なビデオチュートリアルも用意されている(写真=右)

薄型ボディを反映してパッケージも小型(写真=左/中央)。単三電池2本で約6カ月駆動する(写真=右)

フルHD対応Webカム「LifeCam Studio」も登場予定

LifeCam Studio

 一方、日本国内での発売日と価格は未定ながら、今後投入予定の新製品としてフルHD対応のWebカメラ「LifeCam Studio」も披露された。フルHD(1920×1080)対応Webカメラはすでにロジクールが「C910」を投入しているが、マイクロソフトとしては今回が初めて。

 LifeCam Studioは、アスペクト比16:9の1920×1080ドットの動画撮影に対応する(フレームレートは最大30fpsで、CPUの処理性能に依存。ちなみに1920×1080ドットではクアッドコアCPUでも少し厳しいとのこと)。解像度の向上にあわせて、反射防止コーティングを施した2枚構成のガラスレンズ(F値2.0)を採用し、本体前面には不要な光の入射を防ぐレンズフードを備えるなど、光学系にも気をつかったという。焦点距離は24ミリ(35ミリ換算)と、約75度の広い画角を持つほか、オートフォーカスは最短10センチまで対応し、「チャットをしているときに(カメラの前で)ちょっと小物を見せるといったときに最適です」(水谷氏)。また、100〜18000Hzの広帯域マイクを内蔵するほか、360度回転するアームや三脚穴を備え、さまざまなシーンで利用できるのも特徴だ。

 ハードウェア面で大きく進化したLifeCamだが、専用ドライバとの組み合わせにより、露出の最適化やノイズ除去といった高画質化機能(TrueColorテクノロジ)に対応しているのもポイント。CPUの使用状況に応じてフレームレートをコントロールするほか、負荷をあまりかけずにノイズ除去を行ったり、顔検出をしたうえで最適な露出を顔に合わせるといったことが可能になったという。

細かいヘアラインが入ったアルミニウム製のボディと、動作時に青く光るLEDがかっこいい(写真=左)。自動的に見栄えのいい映像に調整してくれる高画質化機能「TrueColor」はマニュアルでの微調整も可能(写真=中央)。水谷氏による製品デモ。TrueColorオン(左)とオフ(右)を比べると、オン時は顔の部分がきちんと明るくなっている(写真=右)

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