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» 2011年12月21日 15時00分 UPDATE

「150円ほどで、多分……OK」な海外定額データ通信:海外プリペイドSIM+無線LANルータ導入マニュアル──「インド・デリー」編 (1/2)

人口12億人のインドは、通信事業者が20社以上もひしめく通信大国だ。3Gも普及してきており、現地で高速データ通信回線をプリペイド購入することもできる。

[山根康宏,ITmedia]

デリーの基本と通信事情

 インドにどんなイメージを持っているだろうか。まだ社会インフラの整備が遅れている発展途上の国といったところかもしれない。

photophoto デリー市内の様子。ケータイ関連のお店はちらほらとある

 実際インドの首都デリーを訪問すると、地下鉄は整備されているもののの、街中は道路工事がやりっぱなしだったり、作りかけのビルがそこらにあるなど、日本ではもう見られなくなった光景が広がっている。官公庁街には近代的なビルが立ち並ぶのだが、長距離列車が到着するニューデリー駅前などは昔ながらの商店が立ち並んでいる。ただ、携帯電話網/データ通信環境については意外と普通にそろえることができる。

 インドの通貨はインドルピー、2011年12月時点での為替レートは1ルピー約1.5円だ。インドでは通貨の国外持ち出しが禁止されているため、両替は少しずつ行うのがよいと思う。街中にATMがあるため、国際カードやクレジットカードを使えば現地通貨を引き出すのもそれほど苦ではない。商店も観光客が立ち寄るようなスポットあれば、たいていクレジットカードも利用できる。ただし、通信事情が時々悪くなるようで、通信エラーで利用できないことがあるのに注意したい。

photo 現地でネットワーク検索すると、かなり多くの事業者が羅列される

 インドの通信事情は他国とは若干異なり、地域ごとの免許制が取られている。インドは国内を22の事業地域(サークル)に分割しており、それぞれの地域ごとに10社前後が事業を展開している。そのため、インドの通信事業者を検索すると1画面に収まりきらないほどの事業社名が表れる。通信方式は長らくGSMとCDMA2000の方式だったが、2010年後半からW-CDMA方式も開始されている。

 低所得者層が多いインドではプリペイドサービスも一般的だ。国民身分証明書制度があるため、携帯電話回線の購入には身分証明書の提示が必須となっている。海外渡航者がプリペイドSIMカードを購入する場合も、パスポート、パスポートサイズの証明写真、ホテルの住所が必要となる。写真の用意が面倒なので、現地でプリペイドSIMカードを購入するならばあらかじめ証明写真を用意して持っていくことを勧めたい。

 今回訪問したデリー インディラ・ガンジー国際空港の到着ロビーには3つの通信事業者が店舗を構えていた。主に国際線の出口となるロビーの左側にAIRCEL、中央付近にBharti Airtel、そしてロビー右側にRelianceがある。AIRCELはプリペイド商品が2Gのみのため、速度は遅い。AirtelはUSBモデムの在庫なし。詳しくは後述するが、最終的にRelianceが使いやすかったため、今回はこちらを購入した。


photophoto インディラ・ガンジー国際空港にあったAIRCELとAirtelの店舗。一方、データ通信を行うならRelianceのものがお勧めだ

デリー空港でRelianceのモデムとSIMカードを購入

 3Gの本格的な普及期に入り、インドの各通信事業者は3Gサービスにかなり力をいれているようだ。街中でも3GのUSBモデムとSIMカードのセットを各社が販売していた。SIMカードも3G対応のものが多い。

photophoto 街中にかなり多くの通信事業者の店があり、小売店のような店でもUSBモデムやプリペイドSIMカードが販売されている。3Gモデムの広告も多く見かけ、インドでは今、3Gの本格的な普及期となっている

 購入にはパスポートの提示が必要で、店頭でコピーをとられる。屋台のような店舗でも3GのプリペイドSIMカードは入手可能だが……そんな場所でパスポートを出すのは少々ためらってしまうかもしれない。街中の通信事業者の店舗は混雑していることが多く、購入までに時間がかかるケースがあるのにも若干注意したい。

 というわけで、空路でデリーに到着したならば空港の事業者店舗でプリペイドSIMカードなどの購入をするほうが確実で、安心だ。デリー空港は夜中も飛行機が発着しており、事業者の店舗も24時間営業している。真夜中のフライトでデリーに到着しても問題なく購入できるだろう。

 今回はRelianceのUSBモデムとプリペイドSIMカードを入手した。カウンターで、ノートPC用の3G USBモデムとSIMカードを購入したいと伝えればよい。USBモデムは2Gタイプと3Gタイプがあるので、普通に使いたいなら3Gタイプと伝えよう。価格はUSBモデムが2000ルピー(取材時日本円換算で約3000円、以下同)。プリペイドSIMカードは103ルピー(約150円)で3Gバイト/30日間利用可能だ。

 残高を追加は、必要になったら街中のRelianceの店舗で行ってほしいとのこと。追加プランは、20ルピー(約30円)/25Mバイト分から1199ルピー(約3300円)/5Gバイト分まで、9種類ほどメニューがある。

photophoto デリー空港のReliance店舗。プリペイドSIMカードは3G対応で、“3G Data Plan”の料金はこのようになっている(写真=右)

 セットのUSBモデムはZTE「MF190」である。SIMカードを装着し、PCに接続すれば自動的にドライバや接続ソフトのインストールが行われる“ゼロインストール”対応だ。接続ソフトを起動し、画面左上にアンテナマークが表示されればインターネット接続の準備は完了。画面右下のConnectボタンでインターネットへ接続される。

 さて……どれくらいデータ通信を利用したかを確認する方法は、残念ながらないようだ。接続ソフトの利用実績データのログから簡易的に確認するくらい。こちらは実データ量に多少のずれが生じるため、初回の3Gバイト分上限に近づいたら早めに残高を追加しておきたいところである。もっとも、数日の旅行や出張程度なら3Gバイト分も使わないとは思うが、容量上限が心配なら、空港での初回購入時にその場でさらに残高を追加しておいてもよいだろう。

photophoto RelianceのUSBモデムとプリペイドSIMカード。SIMカードをモデムにセットし、PCに差せば接続ソフトのインストールが始まる
photophoto 接続ソフトのConnectを押せばインターネットへ接続される。利用状況はモデムのメニューから簡易的に確認できる
RelianceプリペイドSIMカードのAPN設定
APN rcomnet
ユーザー名 (なし)
パスワード (なし)

 プリペイドSIMカードは、SIMカード単体でも買える。日本からSIMロックフリーのスマートフォンを持ち込めば、これに装着してテザリング利用もできる。現地通信事業者での通信のための設定であるAPNするだけでOKだ(ただし、SIMロック解除サービスを利用したNTTドコモのスマートフォンはテザリング機能が使用できなかった。こちらは少し注意が必要かもしれない)。


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