複数国の訪問に便利なヨーロッパ周遊SIMを試す――海外プリペイドSIM導入マニュアル2日間で3カ国を回ってみた(1/2 ページ)

» 2015年09月29日 13時20分 公開
[山根康宏ITmedia]

 ヨーロッパは各国が陸続きでつながっている。旅程によっては1日に複数国を訪問するなんてこともあるだろう。今回はそんなヨーロッパ滞在に便利な周遊タイプのプリペイドSIMを使ってみた。

ヨーロッパは複数国対応SIMが便利

 海外へ行ったら現地の携帯電話事業者のプリペイドSIMを買う――旅慣れた人ならば当たり前のことになっていることだろう。とはいえヨーロッパ旅行のように、複数の国を移動するとなると、意外にも現地SIMのほうが割高になることがある。

 例えばフランスに2日、ドイツに3日、ポーランドに2日、そしてイタリアに4日、なんて具合に各国を周遊する場合、それぞれの国でプリペイドSIMを買うと、購入の手間もかかり、SIMのパッケージ代もかさんでしまう。なにより短い滞在期間中に無料利用分が使い切れず、無駄になってしまう。

 そのためヨーロッパ各国の通信事業者は他国に移動しても割安でローミング通信が利用できる料金を提供している。中でもVodafoneは各国のプリペイドSIMで、ローミング料金を安く提供している。過去にも書いたがアイルランドやイタリアのVodafoneが販売しているプリペイドSIMは、ヨーロッパ内を周遊する際に低料金で各国でのローミングを利用できる。

photo ヨーロッパの各通信事業者はヨーロッパ内のローミング料金を安く設定している
photo Vodafoneの各国のプリペイドSIMはヨーロッパ向けローミング料金が安いが、販売国によりローミング料金はまちまち。Vodafone UK(英国)の場合は3ユーロ(約400円)で500Mバイト/日

 しかしVodafoneグループがヨーロッパ各国で販売するプリペイドSIMは、販売国によってローミング料金の設定が異なっているし、定額料金の利用には申請が必要なものもある。またイタリアやアイルランドのSIMを入手するのは現地渡航が必要など簡単とは言い難い。最近では日本でレンタルできるモバイルルーターの中にも、ヨーロッパ周遊タイプのものが出てきている。複数国を周遊する人はそちらを利用するのもアリだろう。

 とはいえSIMフリースマートフォンを持っていて自分の端末でプリペイドSIMを使いたい、という人向けの製品も最近は少しずつ増えている。複数国利用が可能な周遊タイプのプリペイドSIMで、特にヨーロッパ向けのものが充実してきている。

 日本のmineoが提供を開始した海外用プリペイドSIMは、香港や中国などとヨーロッパ約30カ国でデータ通信が利用できる。料金は1カ月間有効で30Mバイトなら650円、100Mバイトなら1480円、500Mバイトなら5480円、1Gバイトなら9800円。各国の滞在時間が短く、30日以内に複数国を訪問するならなかなか悪くない料金だ。プリペイドSIM代金は最初に約3000円かかるが、年に1〜2回ヨーロッパを訪問する人には便利なSIMだ。

photo レンタルルーターもヨーロッパ周遊プランを出すところが増えている(グローバルWi-Fi)
photo mineoの海外プリペイドSIMはヨーロッパの周遊料金を利用可能

 またオンラインで買える海外の周遊タイプSIMもいくつか出てきた。ルクセンブルクのMTX Connectはヨーロッパ約40カ国をカバーするSIMだ。料金は100Mバイト/24時間で3.5ユーロ(約470円)、24時間のデータ定額が9.9ユーロ(約1330円)、1Gバイト/30日間で49.99ユーロ(6730円)など。1カ月単位で使うならmineoより安く、また1つの国で大量にデータ通信をしたい、といった時などは1日(24時間)だけ定額プランを使う、といったこともできる。SIMは同社のオンラインストアで販売中だ。

 他には香港のHuchisonが販売するローミングプリペイドSIMもあり。14日間のデータ定額制で、料金は288香港ドル(約4500円)。対象国は英国、スウェーデン、イタリア、デンマーク、オーストリア、アイルランド、ドイツ、ギリシャ、オランダ、スペイン、フランス、カナダ、ニュージーランド、マカオ、香港と少ないものの、ヨーロッパの主要国はカバーしている。このようなSIMはAmazonなどで海外の業者が販売を行っている。

photo ヨーロッパ定額料金を提供するMTX Connect
photo 香港のHutchisonもヨーロッパローミングSIMを販売
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