56カ国でデータ定額が1日約980円 “貼る”ローミングSIMを試す――海外プリペイドSIM導入マニュアル対応エリアは約200カ国(1/5 ページ)

» 2015年06月29日 18時00分 公開
[山根康宏ITmedia]

 海外渡航が頻繁になると、各国でプリペイドSIMを買い替えるのも大変だ。今回は、これ1枚あれば世界約60カ国で1日わずか980円のデータ通信が定額利用できるという、夢のようなローミング専用プリペイドSIMを紹介する。このSIMはフィルム形状で、メインとなるSIMに貼り付けるという特殊な仕様だ。一体どうやって使うのだろうか?

SIMに貼り付ける“フィルムSIM”でローミングを実現

 今回購入したのはカナダのKnowRoamingが発行するローミング専用のプリペイドSIM「KnowRoaming」。通常のSIMカードと異なり、他のSIMに貼り合わせるようなフィルム状のSIMとなっている。このフィルムSIMは一部の国でも販売されており、デュアルナンバーサービスを提供する用途にも利用されている。

 KnowRoaming SIMは単体では利用できずに、メインで利用するSIMが必要だ。SIMは普段自分がスマートフォンで使っているものを利用すればよいだろう。ただしKnowRoaming SIMを海外で使う場合は、メインのSIMも現地でローミングできる必要がある。そのためデータ通信が国内線用になるMVNOのSIMでは利用できない。また利用するスマートフォンはSIMロックがかかっていないことが前提となる。

photo 世界200カ国でローミングを提供するKnowRoaming
photo パッケージ。一般的なプリペイドSIMとは異なる外観だ

 このフィルムSIMは、メインのSIMにもう1枚のSIMを貼り合わせることで2番号を持たせるという仕組み。通常は2つの番号を切り替えて排他利用することになるが、追加料金(月額)を払えば2番号で同時待受することも可能だ。日本では普段使っているSIMを利用し、海外に出たときはSIMを入れ替えることなくアプリ上からKnowRoaming SIMに切り替えてそちらを利用するという使い方になる。アプリはiOSとAndroidに対応する。

 ちなみにメインのSIMに極薄とはいえフィルム状のSIMを貼り合わせるため、SIMをスライドさせて挿入するスロット式式の端末ではSIMが若干入りにくくなる。長期テストした結果を記事の最後にまとめているが、スロット式のトレイに何十回もSIMを出し入れすると、フィルムSIMが認識しなくなってしまった。KnowRoamingのSIMを貼り合わせたSIMは、頻繁に抜き差しはしないほうがいいかもしれない。

 KnowRoamingで利用できるエリアは約200カ国。そのうちデータ通信を定額で利用できるのは56カ国だ。データ通信料金は現地時間で1日7.99ドル、約980円である(執筆時点)。国によっては現地のプリペイドSIMのほうが安価なケースもあるが、現地でプリペイドSIMを買う手間が不要な点は便利だ。また日本のSIMを海外で使うと最大約3000円/日かかるが、KnowRoamingなら3分の1の約1000円で済むメリットも大きい。なお接続速度は3Gまたは2Gで、現時点では高速なLTE回線は利用できない。

 KnowRoamingは現在同社のWebサイトでオンライン販売されている。価格は29.99ドル。日本への送料は5ドルだ。この金額はSIM代金そのものであり通信料は含まれていない。なお同社は頻繁にキャンペーンを行っており、10ドルや15ドルなどの無料利用分がもらえることもある。筆者は1月に入手したがその時は10ドルのクーポン付だった。

photo フィルム状のSIMをメインのSIMに貼り付けて利用する
photo 2015年7月現在、世界56カ国で7.99ドルのデータ定額が利用できる
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