フランスではプリペイドSIMカードの購入にユーザー登録が必要だ。しかし通信事業者の店舗はいつも大混雑しており、購入するのもひと苦労。そこで今回は、自分で登録できるMVNO事業者のSIMをシャルルドゴール空港で購入し使ってみた。
フランスのプリペイドSIMカードは、基本的には通信事業者の店舗で購入する必要がある。購入にはパスポートによる本人確認が必要で、宿泊するホテルの住所を提示するよう求められることも多い。
そして通信事業者の店舗は混雑していることが多く、時間によってはかなり待たされてしまう。店によっては「今日はシステムの調子が悪くて登録できない」などと手続きを断られることも。そしてなによりも、パリの空の玄関、シャルルドゴール空港には事業者の店舗がないため、プリペイドSIMカードそのものの入手が困難だ。
ただ、空港内にあるキオスク「Relay」では各通信事業者のプリペイドSIMを販売している。OrangeやSFRなど大手通信事業者(MNO)のSIMもあり、購入後に本人確認をすれば使うことが可能だ。だがRelayでは登録作業は行っていないため、自分で行う必要がある。
実は本人確認をしなくても、SIMをスマートフォンに入れ、(SIMによっては)指定番号に発信すると、すぐに使い始められる。しかし、しばらくするとSMSで「登録をするように」と通知が到着し、指定日数以内に登録を行わないと使えなくなってしまう。短期滞在の場合はこれを無視しても良いだろうが、今回訪れた2016年6月は先日のテロ事件の後であり、またサッカー「EURO 2016」の開催で多くの外国人がフランスを訪れており、SIMの本人確認は厳密になっている――との話も聞いた。
空港で買ったSIMで本人確認をするには、電話やFAX、あるいは事業者の店舗を訪れなくてはならないようで結構面倒だ。だが自分で登録できるプリペイドSIMも販売されている。
ヨーロッパ各地で事業展開しているMVNO大手のLycamobileとLebara Mobileは、低所得者や旅行者をターゲットにプリペイドSIMを販売しており、スマートフォンやPCからオンラインで本人確認が可能だ。
パリに到着してすぐにプリペイドSIMを使いたい場合や、昼間は仕事や観光で忙しく事業者の店舗へ行く時間がないなら、この2社のSIMを空港で買うのが便利だろう。今回はパッケージに「4G」の記載があり、LTE接続ができるLycamobileのプリペイドSIMを買って使ってみた。
なお販売価格は9.99ユーロ(約1120円)で、この中に7.75ユーロのクレジットが入っている。この7.75ユーロは通話やデータパッケージなどに充てられる。後述するが、利用するデータ量が少なければ追加チャージなしで済むだろう。またSIMカードは3サイズ共用なので、標準(ミニ)/Micro/NanoとどのサイズのSIMスロットを持つ端末でも利用できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.