待ち時間ナシ 売店で買って自分で登録「パリのMVNO 2016年」編――海外プリペイドSIM導入マニュアル(1/3 ページ)

» 2016年06月29日 21時00分 公開
[山根康宏ITmedia]

 フランスではプリペイドSIMカードの購入にユーザー登録が必要だ。しかし通信事業者の店舗はいつも大混雑しており、購入するのもひと苦労。そこで今回は、自分で登録できるMVNO事業者のSIMをシャルルドゴール空港で購入し使ってみた。

空港の売店で購入できるLycamobileのプリペイドSIM

 フランスのプリペイドSIMカードは、基本的には通信事業者の店舗で購入する必要がある。購入にはパスポートによる本人確認が必要で、宿泊するホテルの住所を提示するよう求められることも多い。

海外プリペイドSIM導入マニュアル サッカーの「EURO 2016」開催に合わせ、エッフェル塔にもサッカーボールが。今でしか見られない光景だ
海外プリペイドSIM導入マニュアル パリ市内のOrange店舗。大手通信事業者の店舗は来客で混雑していることが多く、プリペイドSIMの購入も時間がかかる

 そして通信事業者の店舗は混雑していることが多く、時間によってはかなり待たされてしまう。店によっては「今日はシステムの調子が悪くて登録できない」などと手続きを断られることも。そしてなによりも、パリの空の玄関、シャルルドゴール空港には事業者の店舗がないため、プリペイドSIMカードそのものの入手が困難だ。

 ただ、空港内にあるキオスク「Relay」では各通信事業者のプリペイドSIMを販売している。OrangeやSFRなど大手通信事業者(MNO)のSIMもあり、購入後に本人確認をすれば使うことが可能だ。だがRelayでは登録作業は行っていないため、自分で行う必要がある。

 実は本人確認をしなくても、SIMをスマートフォンに入れ、(SIMによっては)指定番号に発信すると、すぐに使い始められる。しかし、しばらくするとSMSで「登録をするように」と通知が到着し、指定日数以内に登録を行わないと使えなくなってしまう。短期滞在の場合はこれを無視しても良いだろうが、今回訪れた2016年6月は先日のテロ事件の後であり、またサッカー「EURO 2016」の開催で多くの外国人がフランスを訪れており、SIMの本人確認は厳密になっている――との話も聞いた。

海外プリペイドSIM導入マニュアル シャルルドゴール空港にあるキオスクの「Relay」。各社のプリペイドSIMを販売している
海外プリペイドSIM導入マニュアル 空港には無料Wi-Fiもあり、マクドナルドも独自に無料Wi-Fiを提供中。後述するMVNOのSIM登録に利用できる

 空港で買ったSIMで本人確認をするには、電話やFAX、あるいは事業者の店舗を訪れなくてはならないようで結構面倒だ。だが自分で登録できるプリペイドSIMも販売されている。

 ヨーロッパ各地で事業展開しているMVNO大手のLycamobileとLebara Mobileは、低所得者や旅行者をターゲットにプリペイドSIMを販売しており、スマートフォンやPCからオンラインで本人確認が可能だ。

 パリに到着してすぐにプリペイドSIMを使いたい場合や、昼間は仕事や観光で忙しく事業者の店舗へ行く時間がないなら、この2社のSIMを空港で買うのが便利だろう。今回はパッケージに「4G」の記載があり、LTE接続ができるLycamobileのプリペイドSIMを買って使ってみた。

 なお販売価格は9.99ユーロ(約1120円)で、この中に7.75ユーロのクレジットが入っている。この7.75ユーロは通話やデータパッケージなどに充てられる。後述するが、利用するデータ量が少なければ追加チャージなしで済むだろう。またSIMカードは3サイズ共用なので、標準(ミニ)/Micro/NanoとどのサイズのSIMスロットを持つ端末でも利用できる。

海外プリペイドSIM導入マニュアル Relayの店内、レジの後ろに各社のプリペイドSIMが陳列されている
海外プリペイドSIM導入マニュアル 今回購入したLycamobileのプリペイドSIM
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