インテルの新型SSDと「ISRT」で快適動作――「MDV-ASG8260B」を試す大容量HDDにSSDの速さをミックス(1/2 ページ)

» 2012年03月14日 11時32分 公開
[小川夏樹(撮影:矢野渉),ITmedia]

テラ級SSDのRAID 0構成はまだ非現実的

MDV-ASG8260B

 OSを高速に起動し、動作時のレスポンスをできるだけ快適にするには、SSDのスパニング構成(RAID 0)を起動ドライブとして利用する方法が考えられる。ただし、高速なSSDはまだまだ高価だ。例えば、インテルの新世代SSDである「Intel 520 SSD」の480Gバイトモデルを2台でスパニングすると、およそ14万円ほどかかり、大げさではなくPC本体の価格を超えてしまう。

 コストの高い順にSSDと大容量HDDを利用する構成を考えてみると、SSD 2台でのスパニング構成を起動ドライブとして確保し、別途データ用に大容量HDDを追加で装着するという方法、起動ドライブを単体のSSDにして大容量HDDを装着する方法、そしていちばん安いのがSSDをあきらめて大容量HDDを使う方法である。

 ただ昨年、HDD関連の工場が集中しているタイで洪水災害が発生したため、HDDの供給が停滞し、国内に流通するHDDの在庫が一掃されてしまったうえ、工場の再稼働と生産量の回復が遅れたためにHDD相場が一気に上昇に転ずるという状況になってしまった。容量によっては3倍近くまで跳ね上がり、価格下落に転じてしばらくした現在でも、まだ洪水前ほどの水準には戻ってはいない。

 こうした状況も手伝って、インテルの新しいシステムキャッシュ技術「インテル・スマート・レスポンス・テクノロジー」がクローズアップされてきている。これはOSのインストールはHDD側に行い、別途搭載したSSDをシステムキャッシュとして利用するという技術だ。

 簡単にいうと、Windows VistaやWindows 7のReady Boostに似た機能をより高速なSSDでやってしまおうというもの。今回紹介するマウスコンピューターの「MDV-ASG8260B」(以下、ASG8260B)は、120GバイトのIntel 520 SSDを搭載し、このインテル・スマート・レスポンス・テクノロジーに対応したマシンだ。さっそくチェックしていこう。

基本システムはCore i-7 2700K+Intel Z68 ExpressのSandy Bridge仕様

 まずはASG8260Bのスペックから見ていこう。おなじみのミドルタワーケースにATX仕様でIntel Z68 Expressを搭載したMSIのマザーボード「Z68-SD60」を搭載している。CPU-Zで情報を見ると、例によってマウスコンピューター向けにカスタマイズされたものだ。

 搭載するCPUはSandy Bridge世代のCore i7-2700K(3.5GHz)、メインメモリは8Gバイト(4Gバイト×2、DDR3、PC3-10700)を積む。グラフィックス機能は、BTOで選択できるNVIDIAのGeForce GTX 580(グラフィックスメモリ1.5Gバイト)に強化し(+2万7300円)、これにあわせて電源容量も700ワットに変更した。ストレージ構成は、前述したSSDに加えて2TバイトHDD(+7350円)を搭載。光学ドライブもBlu-ray Discドライブ(+6300円)に変えている。スペック的には十分“ハイスペ”と呼べる構成だ。

CPU-Zの画面。Sandy BridgeコアのCore i7-2700K(3.5GHz)を採用する。製造プロセスは32ナノでコア数は4、Hyper-Threadingによって同時に実行可能なスレッドは8だ。Turbo Boost時は最大3.9GHzで動作する(画面=左)。チップセットはIntel Z68 Express。マザーボードは、MSI製「Z68A-SD60」(OEMと思われる)が採用されていた(画面=中央)。NVIDIAのハイエンドGPUであるGeForce GTX 580を搭載する。グラフィックスメモリは1.5Gバイトだ。ちなみに、このカードは拡張スロットを2スロット分専有するため、余っているPCI Express x1スロットが1基使えない(画面=右)

 搭載されているインタフェースは、背面のI/Oパネル部分にPS/2ポートが1つ、USB 2.0ポートが8つ、ギガビットLANとUSB 3.0ポートが2つに、サウンド関係のステレオミニジャックが6つという構成だ。eSATAや光デジタル音声出力はないものの、背面にUSB 2.0と3.0を合わせて10ポートもあれば不足することはないだろう。また、本体前面にも2基のUSB 2.0ポートと、マイク/ヘッドフォンを搭載する。USBポートが前後合わせて12ポートあるので拡張機器はUSB接続が手軽だろう。

 マザーボード上の拡張スロットは、PCI Express x16スロットが2基、x1スロットが3基、PCIスロットが2基という構成だ。このうちグラフィックスカードでPCI Express x16スロットが1つ埋まっている以外はすべて空いている(ただし、グラフィックスカードのサイズが2スロット分を専有しているため、x1スロットは1つ使用できない)。もう1つのx16スロットを使って2-way SLI構成といったマルチGPUにすることも可能だ。なお、光学ドライブはBD-RE書き込みに対応したBlu-ray Discドライブが搭載されている。

本体前面/背面/左側面

注目はやはりインテル・スマート・レスポンス・テクノロジー

ストレージ構成は、6Gbps対応SSDの「Intel 520」と2TバイトHDDを組み合わせている

 以上のように、今回試用した評価機はSandy Bridgeプラットフォームとしては高いスペックでまとまっている。この構成で14万5950円と15万円を切っており、インテル・スマート・レスポンス・テクノロジーの効果次第で、さらにコストパフォーマンスは高まるだろう。

 インテル・スマート・レスポンス・テクノロジーは、SSD側にはOSがインストールされず、2TバイトのHDD側にOSをインストールする。SSD側はパーティションで切り分けられ、データ記録用とキャッシュ用とに分かれる。ちなみにキャッシュ用ドライブはOSからは完全に見えなくなるが、残っているSSD側の空き領域はデータ領域として利用可能だ。ここをページファイル置き場に指定して別途2TバイトのHDDでデータを保存しておくほうがより好ましいかもしれない。なお、インテル・スマート・レスポンス・テクノロジー用の容量は指定可能だ。

インテル・スマート・レスポンス・テクノロジーは、RAID管理用のツール「インテル・ラピッド・ストレージ・テクノロジー」の一部機能として提供される。画面のようにシステム向けのHDD(2Tバイト)、キャッシュ用領域(19Gバイト)、データ領域(93Gバイト)と切り分けられる(画面=左)。キャッシュ領域は、搭載しているメモリの2倍程度がバランス的にもよさそうだ。評価機は8Gバイトを積んでいたので2倍の19Gバイトがキャッシュとして割り当てられていた。この設定はツール上から変更することが可能だ(画面=中央)。設定ツールで認識できるキャッシュ領域は、マイコンピューターから見ると完全に隠されている。OSからは見えない存在として扱われる(画面=右)

 この機能は、よく利用するシステム関連のデータをSSDにキャッシュしてしまい、次に読み出しが必要になった際にSSDから該当データを読み込むという仕組みになっている。当然、インテリジェンスに管理されており、頻繁に利用されるファイル類を学習して指定した容量ギリギリまでキャッシュする。8Gバイトメモリを搭載した評価機では約19Gバイトがキャッシュ容量に指定されていた。

 当然、キャッシュされていない最初の起動は、まったく高速性を感じることはない(使っていくうちに高速性が発揮されるという)。このため、再起動などを行わずにしばらく各ベンチマークソフトの起動・終了などを繰り返してみた。

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