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» 2012年04月10日 11時00分 UPDATE

液晶、性能、騒音をチェック:“Z”の名を受け継ぐモンスターマシン「HP Z1 Workstation」の実力(後編) (1/2)

前編に続いて、Z1のシステムパフォーマンスをチェックしていく。液晶一体型ワークステーションという、これまでに類を見ない製品だが、実際の性能はどうなのか?

[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

IPSの高色域液晶ディスプレイを採用

og_z1_001.jpg 2560×1440ドット表示に対応する27型ワイド液晶ディスプレイを搭載

 HP Z1 Workstationに搭載される27型ワイドの大型液晶ディスプレイは、広視野角のIPSパネルを採用しており、2560×1440ドットの高解像度表示に対応する。白色LEDバックライトを搭載し、最大輝度は380カンデラ/平方メートルと非常に明るい。パネル表面は光沢仕上げだけに照明などの映り込みはあるものの、これだけ輝度が高いと少々映り込んでも視認性への影響は少ない。

 さらに、コントラスト比1000:1、応答速度12ms(中間調)、NTSC比96%(CIE1976、CIE1931は77%)、sRGBカバー率100%(CIE1931)など、コンテンツクリエイションでの利用にも耐えうる高いスペックを備えている。

 見た目の印象もとてもよい。IPSパネルならではの広視野角は確かに実感できるし、明るさも眩しいくらいである。ただ、最大輝度では環境や使用用途によっては眩しすぎるかもしれない。輝度調整を簡単にできるボタンなどが用意されていないのは少し不便に感じた。

og_z1_002.jpgog_z1_003.jpg フルHD解像度の約1.77倍もの広大な作業領域は、クリエイティブアプリケーションWebブラウザを2つ同時に並べて見比べるといったことも可能だ

 画面下部には、ダブルコーンのステレオスピーカを内蔵している。PCのスピーカーとしては、低音域もしっかりと厚みがあってかなりレベルが高い音質だ。SRS Premium Soundに対応しており、これを有効にするとコンテンツ内容に合わせた迫力のあるサウンドが楽しめる。

og_z1_004.jpgog_z1_005.jpg SRS Premium Soundに頼らずともスピーカの音質はかなりのものだが、SRS Premium Soundを有効にすると、さらに臨場感のあるサウンドでコンテンツを楽しめる

Sandy BridgeベースのXeonシステムを採用

og_z1_006.jpg 車のボンネットを開けるように内部へアクセスできるユニークな構造が特徴

 基本システムには、Intel Xeon E3とIntel C206 Expressチップセットを中心としたシングルソケットのエントリーワークステーション向けプラットフォームを採用している。Xeon E3の基本的な内部構造は、コンシューマ向けの第2世代Core i7と同じ(Sandy Bridgeアーキテクチャ)であり、高性能と低消費電力を両立している。

 日本展開モデルとしては、スタンダードモデルとハイエンドモデルの2種類のベースモデルが用意されており、メモリやストレージなどのカスタマイズに対応している。主な違いは表にまとめているが、今回の評価機は試作機ということで両方をミックスしたような構成となっているため、実機から分かる基本構造を中心に見ていこう。

ベースモデルの主な違い スタンダードモデル ハイエンドモデル 評価機
CPU Xeon E3-1245(3.3GHz) Xeon E3-1280(3.5GHz) Xeon E3-1245(3.3GHz)
メモリ 8GB(4GB×2) 16GB(8GB×2) 16GB(4GB×4)
データストレージ 3.5インチHDD 1TB(7200rpm) 2.5インチSSD×2(RAID 0/1可能) 3.5インチHDD 1TB(7200rpm)
グラフィックス機能 NVIDIA Quadro 1000M(2GB) NVIDIA Quadro 4000M(2GB) NVIDIA Quadro 4000M(2GB)
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ Blu-ray Discドライブ Blu-ray Discドライブ

 CPU(LGA 1155)とIntel C206 Expressチップセットを搭載したメインボードは、デュアルファン付きのダクトで覆われている。ハイエンドモデルが搭載するXeon E3-1280(3.5GHz)のCPUコア部分は、コンシューマ向けのCore i7-2700Kと同等だが、GPUコアは内蔵していない。

 メモリソケット(PC3-10600対応)は4本あり、最大で32Gバイトのメモリを搭載可能になっている。ドライブベイは、3.5インチが1基、2.5インチが2基あり、HDDとSSD、どちらの搭載にも対応している。細かいカスタマイズメニューはまだ不明だが、SSDを2基搭載したRAID構成も選択できるようだ。

 光学ドライブはノートPC向けのスリムドライブを搭載しており、Blu-ray DiscドライブとDVDスーパーマルチドライブが用意されている。Blu-ray Discドライブのスペックについては詳細が記載されていないが、評価機にはHPオリジナルのBD-REドライブ「BD-5841H5」が搭載されていた。

og_z1_007.jpgog_z1_008.jpg スタンダードモデルが搭載するXeon E3-1245(3.3GHz/3.7GHz)は、動作クロック3.3GHzのクアッドコアCPUで、Hyper-Threadingにより8スレッドの同時実行が可能。TDP95ワットというスペックだ。Turbo Boost 2.0により、高負荷時には最高3.7GHzで動作する。なお、Core i7-2600に比べて、定格/Turbo Boost上限クロックともに100MHz低い

 グラフィックスカードはダクトの形状などから一見すると通常のPCI Express x16カードのように見えるが、MXM(Mobile PCI-Express Module)と呼ばれるコンパクトなモジュールタイプになっている。評価機ではNVIDIA Quadro 4000M(2Gバイト)を搭載していた。Fermiアーキテクチャの高性能チップで、336のCUDAコアを内蔵し、メモリ帯域80Gバイト/秒、TDP100ワットといったスペックを持つ。なお、ボード上にはMXMスロットのほかに、Mini PCI Express 2.0スロットも3つ搭載している。

og_z1_009.jpgog_z1_010.jpg ハイエンドモデルが搭載するNVIDIA Quadro 4000M(グラフィックスメモリ2Gバイト)はOpenGL 4.1/DirectX 11に対応するモバイルワークステーション向けのGPUで、336基のCUDAコアを内蔵し、メモリ帯域80Gバイト/秒(バス幅256bit)、TDP100ワットというハイレベルのスペックをもつ。ちなみに、スタンダードモデルが搭載するQuadro 1000Mはミドルレンジモデルで、CUDAコア96基、メモリ帯域28.8Gバイト/秒(バス幅128bit)、TDP45ワットというスペックだ

 通信機能は両モデル共通で、1000BASE-T対応有線LAN(Intel 82579LM)のほか、無線通信機能として、IEEE802.11a/g/n準拠の無線LAN、Bluetoothも装備する。評価機のデバイスマネージャを見ると、無線機能はIntel製の無線LAN/Bluetooth 3.0+HSコンボカード「Centrino Advanced-N 6230」で提供されていることが分かる。

og_z1_011.jpg 液晶上部に200万画素Webカメラを内蔵する

 そのほか、本体装備の端子類を改めて紹介すると、2基のUSB 3.0、4基のUSB 2.0のほか、メモリーカードスロット(SD/MMC/MS/xD対応)、IEEE1394(6ピン)、有線LAN、DisplayPort出力、ヘッドフォン、マイク、光デジタル音声出力といった内容だ。USB 3.0やSDXCカード対応のメモリーカードスロットなど高速インタフェースを含めて、必要十分な内容を備える。液晶上部には、200万画素と高画質なWebカメラも装備している。

 また、高品質な電源ユニットを搭載している点も見逃せない。80PLUS GOLD認証を取得した400ワット電源ユニットを採用しており、変換効率90%をうたう。高変換効率の電源ユニットは自作市場でも好まれているが、変換効率が高いということは電源自体の発熱が低いということであり、省電力で静音性にもメリットがある。80PLUS GOLDクラスを実現するには回路も最新設計を採用する必要があり、そういう点でも心強い。400ワットという容量は少なく感じるかもしれないが、モバイル向けのGPUや光学ドライブを搭載しているし、ドライブベイも3基のうち2.5インチが2基と拡張性も限定されているため、仮に最大まで拡張しても心配はないだろう。

og_z1_013.jpgog_z1_014.jpgog_z1_015.jpg デバイスマネージャーの画面。なお、評価機の構成は、日本向けに販売されるモデルとは一部異なる

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