更新プログラムのインストールが無事に終わると、Kobo Touchの画面には変更点をまとめたリリースノートが表示される。画面下の矢印をタップすればリリースノートを読み進めることができ、右上の×をタップすることで閉じることができる(このときはホームボタンは効かない)。ここまで来るとセットアップはほぼ終了で、後はWi-Fiを適切に設定すれば端末だけで電子書籍の購入から閲覧まで行えるようになる。
ホーム画面では、画面中央に最近読んだ、あるいは購入(または端末に追加)した作品の書影が幾つか表示される。画面左上のアイコンからは各種設定と書籍の検索(端末内のコンテンツとストアでの検索と両方可能)にアクセスできる。また、画面下部には本棚に当たる「ライブラリ」、ストアで販売されているコンテンツを探す「本を探す」、そして気になった本をブックマークするようにチェックし後で確認できる「気になる本」にそれぞれアクセスできる。
Wi-Fiが適切に設定されていれば、Kobo Touchから直接Koboイーブックストアへ接続し、電子書籍を購入できるようになる。PCアプリのKobo Desktopからも購入できるのだが、ここではKobo Touchからの電子書籍購入を解説する。
端末から電子書籍を購入するパスは幾つかあり、ホーム画面下の「本を探す」や、左上の虫眼鏡アイコンを押して検索対象を「ストア」にすることなどで検索できる。書店に平積みされた本を探す感覚で新しい作品に出会いたいなら、オススメの作品などが並ぶ「ディスカバリー」をタップしてもよいだろう。
購入完了画面からホーム画面に戻ると、先ほど購入した電子書籍がホーム画面に表示される。端末に入っている電子書籍の一覧を見る場合は、左下の[ライブラリ]をタップする。
筆者は最初の認証や設定に苦労したが、そこさえ乗り越えてしまえば後は比較的快適だった。逆に言えば、最初のセットアップがやや面倒だったということでもある。ユーザーインタフェースは日本向けのローカライズに課題を残すが、これはファームウェアの更新などを待てば改善は期待できるだろう。
なお、Koboイーブックストアに登録されている日本語書籍は約1万9000冊(※7月20日時点)と、まだ他の電子書店に比べるとかなり少ないのが残念なところだ。グローバルで展開するKoboの強みを生かして、海外のコンテンツもここで簡単に購入できるのは特筆すべきだが、オープン時の日本語書籍のラインアップは3万点とされていたことを考えると、少々肩すかしを食らった感もある。ただ、これは別稿で取り上げたいが、ファイルフォーマットにEPUBを全面採用し、それを出版社と合意してコンテンツを調達している動きは高く評価できる。少し物足りないスタートではあるが、楽天の三木谷浩史社長いわく「Koboに楽天の社運をかけて取り組む」そうなので、ここは推移を見守りたい。
以上、本稿ではKobo Touchの開封から電子書籍を購入するまでの基本的な流れと操作方法について紹介した。ネット上では自炊ファイルを読む端末として捉える層も多いが、これを機に電子書籍を購入して読む層もKobo Touchは確実に生み出すだろう。そうしたユーザーが便利に使えるサービスになってほしいところだ。
実際に利用してみて感じた部分、“自炊”ファイルの扱い、海外モデルと比べて動作の遅さを感じる原因、さらに事業戦略の展望、課題などは別稿で紹介予定したい。
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