デルの「XPS 12」でクラムシェルとタブレットを“くるり”と変えてみた意外と簡単で意外と丈夫(2/3 ページ)

» 2012年10月23日 11時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]

「スレートスタイルのときは置いて使ってください」

 XPS 12の本体サイズは、317.3(幅)×215.4(奥行き)×20.0(厚さ)ミリで、重さは最小構成で約1.52キロになる。12.5型ワイドとUltrabookでは例の少ない液晶ディスプレイを搭載するが、重さはHPの13.3型ワイド液晶ディスプレイ採用のUltrabook「Folio 13」にほぼ相当する一方で、同じデルのUltrabookで13.3型液晶ディスプレイを搭載する「XPS 13」の約1.36キロより重いことになる。

 約1.52キロという重さは、スレートタイプのタブレットPCとして、片手で本体を持って片手でタッチ操作をするにはつらい。デルもそのことは認めていて、立って使うのではなく、本体を机の上において“テーブルPC”のように利用してもらう訴求を考えているという。ただ、現時点では、“テーブルのようにPCを使う”利用方法やそのメリットをユーザーに理解してもらう必要がある。テーブルのようにディスプレイを倒して使えるPCとしてレノボ・ジャパンが訴求するIdeaCentre A720、そして、その小型版といえるIdeaCetre A520では、エアホッケーなどの対面プレイができるマルチタッチ対応ゲームを用意したものの、それ以外の具体的な利用シーンの提案は十分ではない。XPS 12では、そういった“テーブルゲーム”として楽しめるアプリケーションも用意していない。

 デルは、XPS 12の訴求ポイントとして堅牢性も挙げている。ほかの堅牢性を訴求するUltrabookやノートPCのように、工場出荷時における耐衝撃性テストや加圧振動試験、落下テストなどにおける具体的な数値(落下する高さや加える加圧など)は明らかにしていないが、デルは、本体を構成する部材で、その耐久性能を訴えている。XPS 12のボディパネルは天面、底面に炭素繊維強化プラスチップを採用し、液晶ディスプレイの前面をゴリラガラスで覆う。また、液晶ディスプレイを支える枠にはアルミニウムの削りだし部材を、パームレストにはマグネシウム合金をそれぞれ用いている。

天板や底面を構成するボディパネルには炭素繊維強化プラスチックを使っている。評価機に付属するACアダプタのサイズは90×47×21ミリで重さはコード込みで約265グラムになる(写真=左、中央)。なお、ディスプレイは水平までは開かない(写真=右)

Core i7に容量256GバイトのSSDを組み合わせるプラチナパッケージ

 XPS 12は、搭載するCPUやシステムメモリ、データストレージの容量が異なる「スタンダード」「プレミアム」「プラチナ」のパッケージを用意し、それぞれに、導入するOSをWindows 8 Pro、または、Windows 8から選べる。なお、実売予想価格は、スタンダードパッケージが9万9980円前後、プレミアムパッケージが11万9980円前後、プラチナパッケージが12万9980円前後となる見込みだ。

 CPUは、Core i5-3317U(1.7GHz、Turbo Boost Technology有効時で2.6GHz)、または、Core i7-3517U(1.9GHz、Turbo Boost Technology有効時で3.0GHz)から選択、システムメモリはDDR3Lを4Gバイト、または、8Gバイトの構成を用意する。また、データストレージはすべてのパッケージでSSDとなり、容量128Gバイト、または、256Gバイトから選ぶ。

 そのほかの構成はすべてのパッケージ、または、BTOで共通だ。液晶ディスプレイの解像度は1920×1080ドットで、タブレットスタイルで複数のユーザーが同時に使うことを想定して視野角を広くできるIPSパネルを採用した。視野角は上下方向左右方向とも170度を確保する。また、10ポイント同時タッチに対応するタッチパネルも内蔵した。グラフィックス機能は、CPUに統合するIntel HD Graphics 4000を利用する。

12.5型ワイド液晶ディスプレイの解像度は1920×1080ドット。IPS方式パネルを採用し、10点マルチ対応タッチパネルを内蔵。前面をゴリラガラスで覆い強度を確保する(写真=左)。キーボードはアイソレーションタイプを採用。評価機は英語キーボードだが、参考までにキーピッチは横縦ともに実測で約19ミリ、キートップサイズは約14.5ミリだ(写真=中央)。キーボードはバックライトを内蔵する(写真=右)

 ボディの厚さが20ミリの本体に搭載するインタフェースは、2基のUSB 3.0とMini DisplayPort、ヘッドセット端子を備えるほか、スレートスタイルでの利用を想定した音量コントロールボタンと画面回転ロックボタンも用意する。有線LANのインタフェースは本体に搭載しない。無線接続では、IEEE 802.11a/g/n準拠の無線LANとBluetooth v4.0が利用できる。

 2基のUSB 3.0とMini-DisplayPortは、すべて右側面に配置している。左側面には、ボリュームコントロールボタンと画面回転ロックスイッチと電源ボタンだけと、クラムシェルスタイルで使うことを考えると、レイアウトが偏っている。ただ、スレートスタイルの状態で手に持って使う場合、画面回転ロックと音量調整は片手で操作しやすいように同じ側面に配置するのが適している。

 そういう意味で、XPS 12の本体搭載インタフェースは、タブレットPCとして使うことを重視したレイアウトといえる。クラムシェルスタイルで使い、USB 3.0やMini Displayにケーブルを接続して使うユーザーは、本体右側にケーブルを取りまわせるスペースを確保する必要がある。

正面と背面にはインタフェースを設けていない

左側面には電源ボタンと画面回転ロックスイッチ、音量コントロールボタンを備え(写真=左)、右側面には2基のUSB 3.0とMini DisplayPortなどを搭載する(写真=右)

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