2013年3月15日、ついに日本でも「Surface RT」が発売された。PC USERでは、米国版のレビューなどを既に掲載しているが、日本版の本体と純正アクセサリをまとめて入手したので、今回から数回に分けてその魅力や気になるポイントを紹介する。
Surface RTのボディは「VaporMg」(ベイパーマグ)と呼ばれる特殊加工の軽量マグネシウム合金を使用しており、側面と背面はさらさらとした手触りだ。手にすると、質感の高さに意外と驚かされる。塗装は光沢を抑えたブラックで、指紋が目立ちにくい。VaporMgのほか、光沢仕上げのディスプレイ表面にはCorning製のGorilla Glass 2を採用して高い剛性を実現しており、画面を強く押したりボディを強く握っても、びくともしない。
側面はディスプレイ面に対して底面を絞った造形で、手にすると手のひらがうまくひっかかり、心地よいフィット感をもたらしてくれる。質感を含め、細かい部分にまで気を配ったボディの作り込みは、薄型軽量のWindows 8/RTタブレットとしてトップクラスの出来栄えだろう。
本体サイズは、約275(幅)×172(奥行き)×9(厚さ)ミリ。10.6型というディスプレイのサイズを考慮すれば標準的なサイズだ。ただ、剛性を優先した結果か重量は約675グラム、実測値では684グラムと、この画面サイズのタブレットデバイスとしては重く、電車内などで長時間持って利用するのはかなり厳しい。ひざに置いたり、後述のKickstandを使い、テーブルで作業するほうがSurfaceには合っている。
左右側面にはUSB 2.0、Micro HDMI出力、ヘッドフォン出力、ステレオスピーカー、SDXC対応microSDカードスロットを配置し、上面には電源ボタンとステレオマイク、下面はオプションのキーボードカバーを装着する端子を備えた。Micro USBではなく、フルサイズのUSBポートを搭載しているのは使い勝手がよい。
microSDカードスロットは、スタンドを開かないとスロットが出てこないところがやや不便だが、不足しがちなストレージ容量を補うために使うのであれば、ひんぱんにカードを着脱しないはずなので、まあよしとする。
Surface RTがほかのWindowsタブレットと異なる点としては、背面に開閉式のKickstand(キックスタンド)と呼ぶ可倒式のスタンドを設けており、フォトフレームのように自立可能なことが挙げられる。Kickstandは閉じた状態から背面カバーの半分が折れ曲がるように開く仕組みで、ある程度手で開くと、自動的に最後まで開く(閉じるときも同様)。開閉時に音は鳴るが、あまり気にならない程度の騒音だ。
スタンドの収納部分と本体の間に段差はなく、スタンドを開くときは底面の左右に1つずつある突起や、左側面(本体を横位置で持ったとき)下部にある切り込みに指をかけるか、スタンドと本体の間の継ぎ目に親指の爪を引っかける。軽い力で簡単に開けるところはよいが、切り込みが左側面にしかないところは惜しい。右側面の下部には充電ポートがあり、端子の配置による制約もあったと思うが、普段から左手で端末を持つ人のことを考慮すれば、右側にも切り込みがあるとなおよかった。
このKickstandもVaporMgでできており、厚さ1.5ミリと薄いが十分な強度を確保している。スタンドで本体を立て、タッチ操作を行っても端末がぐらつくことはまったくない。
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