発表会では最後にWindows 8の概況について、同社 業務執行役員 Windows本部 本部長の藤本恭史氏が説明を行った。発売から約7カ月が経過したWindows 8だが、2013年5月上旬には累計出荷数が1億ライセンスを超えた。「過去のOSと比較して伸びが鈍いといった声もあるが、販売数というのはあくまでWindows 8が目指す取り組みの一部に過ぎない。私たちが目指しているのはデバイスやソフトウェア、そして開発者とのエコシステムを変化させることだ」という。
タブレット製品の販売数が大きく伸びる一方で、PCはほぼ横ばい――世界的に見て市場全体がモバイルコンピューティングにシフトしていく中で「Windows 8もモバイルするデバイスに向いたOSとして進化していく」と藤本氏は強調した。「PCの市場は縮小し、死んでしまうという人もいるが、私はそうは思わない。次世代のコンピューティング環境を見据え、これからPCの定義自体も変わっていくはずだ」(藤本氏)
次期OSとされる「Windows Blue(8.1)」の情報もあるなか、Windows 8の改善も続いている。藤本氏はWindows 8がすでに739回ものアップデートをしており、初期に比べてバッテリー動作時間やシステムの安全性が改善されたことを説明。Windowsストアの充実も進んでおり、ストアアプリのダウンロード数は2億5000万回を超え、アクセスも5億3700万回に達したという。「アプリストアという面では我々は後発なので、数が少ないことは承知している。Windows 8ならではの経験を提供できるよう、量より質という姿勢は変えない」(藤本氏)
とはいえ、日本国内においても多くのベンダーと協力してアプリの強化に努めている。「ストアアプリについては日本製ゲームのラインアップが不足しているという意見に応え」(藤本氏)、2013年7月から「グラディウス」や「ツインビー」といったコナミのゲームタイトルを順次提供すると発表した。
このほか発売を記念したキャンペーンも実施するという。Surface RTまたはSurface Proを購入したユーザーが対象で、BEAMS、BAROQUE JAPAN、攻殻機動隊ARISEとコラボレートしたキーボードカバーが抽選で100人に当たる。キャンペーン期間は2013月6月7日から2013年6月30日となる予定で、同社Webサイトから応募できる。
質疑応答ではSurface Proの価格設定に質問が集まった。というのも、米国ではOfficeを搭載しない128Gバイトモデルが999ドル(10万1118円、2013年5月29日現在)、日本向けモデルはOffice Home and Business 2013をプリインストールして9万9800円。最近の急激な円安傾向はともかくOfficeの価格だけを考えても、グローバルモデルよりも実質2割ほど安い計算になる。
これについて同社執行役の横井氏は、価格については「最大限努力させていただいたが、円高がプラスに働いた部分もある」と答えた。1ドル=80円台だったころに価格を設定した(1ドル80円台を想定していた)ことが一因なのだという。為替レートに合わせた値上げの予定も「今のところはない」(横井氏)としている。
円安の影響で価格を上げた夏モデルPCが少なくないなかで、「Surfaceが国内メーカー製PCの売り上げに与える影響が大きいのでは」といった質問もあったが、「キーボードカバーもセットで買う人が多いことを考慮すれば(実質11万〜13万程度になる)、飛び抜けてお得ではないと考えている」と横井氏は答えた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.