21.5型の大画面+Android。これは巨大なタブレットというべきか、液晶一体型デスクトップマシンというべきか、それとも……。
日本ヒューレット・パッカード(日本HP)から登場した「HP Slate21」は、21.5型ワイド液晶ディスプレイを備え、OSにAndroid 4.2を搭載したスレート型デバイスだ。スレート型といってもバッテリーは内蔵しておらず、背面に搭載したスタンドを使った据え置き利用が前提となる。
ということで、本機はタブレットというよりも液晶一体型の“デスクトップマシン”と表現するのがよさそうだ。Androidは10.1型以下のタブレット用OSとしてよく利用されているが、このような大画面を搭載するデバイスに使われるのは珍しい。スペックや機能はもちろん、有用な使い方はあるのか、などいろいろと気になるマシンだ。さっそく外観から見ていこう。
ボディカラーはホワイトとシルバーのツートーンを基調にしており、カジュアルな印象を受ける。背面に搭載しているスタンドは角度調整が可能で、画面の角度を水平に対して110度から165度まで変えられる。キーボードとマウスで操作するときは画面を立て、タッチ主体で使うときは画面を寝かせると使いやすい。電源は内蔵しておらず、ACアダプタで動作する。
ACアダプタの入力は背面のカバー内にあり、有線LANと2基のUSB 2.0ポートも備える。そのほかのインタフェースは、左側面にSDHC対応SDメモリーカードスロットとUSB 2.0ポート、ヘッドフォン/マイク兼用端子を装備している。電源ボタンは右側面下部にあり、その上部に輝度調整および音量調整のボタンがある。
光学ドライブは搭載せず、タブレットに内蔵されているようなセンサー類(GPS、加速度、照度センサーなど)もない。通信機能は100BASE-T対応有線LAN、IEEE802.11a/b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 3.0とデスクトップマシンとしては標準的だ。液晶ディスプレイ上部にはWebカメラも内蔵する。
※記事初出時、有線LANを1000BASE-T対応としていましたが、正しくは100BASE-T対応となります。お詫びして訂正いたします(9/19 18:30)
HP Slate21には入力デバイスとして、USBキーボードとホイール付きマウスが標準で付属する。キーボードにUSBハブ機能はなく、それぞれ本体に接続するため、これらをつなぐと自由に使えるUSBポートは1基のみになる。
キーボードは日本HPが「浮き石型」と呼ぶアイソレーションタイプのキーボードだ。キーは6段配列で、右側にテンキーを装備する。Windows用ではないため、最上段にファンクションキーはなくメディア操作や輝度調整、画面キャプチャ用キーなどを配置している。キーピッチは19ミリで、Enterキーも十分な大きさを確保するほか、カーソルキーの周囲を空けるなどゆとりのあるレイアウトで使いやすい。強めにタイプしてもたわむことはなかった。
タッチ操作が主体となるAndroid OSでは、マウスはあまりなじみがない入力機器だが、特に違和感なく操作できた。ただし、スクロールの方向はWindowsの標準動作とは反対で、画面を下にスクロールさせたい場合は上向きに転がす必要がある。向きを入れ替えるような設定項目は見当たらなかった。
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