そのPC、Windows 8.1にアップデートすべきか?本田雅一のクロスオーバーデジタル(2/2 ページ)

» 2013年10月22日 11時00分 公開
[本田雅一,ITmedia]
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Windows 8.xは「新しいPCのため」にある

 おそらくマイクロソフト自身は否定するだろうが、Windows 8.1を使っていて感じるのは「Windows 8.xは“新しいPCのため”にある」ということだ。もちろん、前述したようにWindows 8.1はチューニングが進んで、Windows 7よりも応答性のよい軽快な動作を実現している。

 さらにはタッチパネルではない、従来のデスクトップ画面+マウス+キーボードによる操作に慣れたユーザーへの配慮が進んだ。Windows 7ユーザーも「Windows 8.1に上げる意味があるんじゃないか?」と思うかもしれない。しかし、筆者の結論はイエスでもあるが、ノーでもある。

 もし従来と同じ使い方をするのなら、何もまったく新しい操作環境へと身を投じる必要はない。もちろん、どうしても使いたいアプリケーションがWindows 8でしか動作しないというのなら話は別だが、Windows 7用PCはWindows 7のまま使うのがいい。

Windows 8.1では高解像度ディスプレイのサポートを強化。例えば、dpi設定は従来の200%(192dpi)に対して、500%(480dpi)まで選択可能になり、4Kディスプレイなどでも利用しやすくなっている。純正アプリの高解像度対応も進んだ

 しかし、新しいPCならば話は別だ。Windows 8以降のタッチパネル搭載PC、タブレットPCはもちろんだが、例えばWindows 8.1では高解像度液晶ディスプレイを搭載したPCの画面表示が、よりよくなっている。

 筆者が使っているdynabook KIRA V832は、720p(1280×720ドット)の4倍の画素を持つ液晶パネル(2560×1440ドット)を搭載しているが、以前は表示バランスが崩れる場面も少なくなかった。デスクトップのアプリケーションならまだしも、画面解像度に依存しないはずのWindows ストアアプリでも対応が徹底されておらず、そもそもマイクロソフト純正のメールアプリでさえ使いにくかったのだ。

 と、ここまで来るとややグチっぽくなってしまうが、Windows 8は新しいコンピューティング環境へと移行するために、かなり大きな、ドラスティックな変更をかけたがゆえに、そこで生まれたひずみを埋めきれず、作業リストの積み残しが発生していたということだろう。それら積み残しが解決されはじめたことで、またPCメーカーも「Windows 8.xの生かしかた」について検討・開発する時間が1年あったことで、やっと前へと踏み出せるという印象を持った。

 「Windows 8.1に移行する必要性なんて、本当にあるのか?」といった尋ねかたをされることがあるが、もしWindows 7ユーザーで今の機能や接続する周辺機器のサポートなどに不満を持っていないなら、アップデートの「必要性」はない。

 しかし、次に新しいPCを入手するとき、「今までとは違う魅力を持ったPCとなるために、Windows 8.1は必要なプラットフォームである」と言えるぐらいにはなった。今はピンと来なかったとしても、将来の新しいPCが生まれる基盤になると思う。

とはいえ……今も大切ではある

東芝の「デスクトップアプリメニュー」では、Windows 7以前のスタートメニューのようにデスクトップUIアプリを一覧表示して素早く起動できる。こうしたスタートメニュー代替ユーティリティを用意しているメーカーもある

 もっとも、そうは言っても新しいPCを買う際には、大半にWindows 8.1がプリインストールされている。これをバージョンダウンして……となると、ヤヤコシイ話になるのでおすすめしないが、Windows 8でPCメーカーも苦労したのだろう。一部のメーカーは、かつてのスタートメニューに似た機能を提供するユーティリティを組み込むなどの対策を行っている。

 例えば筆者が使っている製品の場合で言うと、東芝が対応している。これはこれでWindows 7以前に近い使い勝手が得られるが、Windows 8以降が意図する操作とは変わってしまう。そのため、むしろ混乱と破綻の原因になる可能性があるが、「現在」の利用者にWindows 8.1を使ってもらうための必要悪として、メーカーも入れざるを得ないのかもしれない。

 しかし、一方でOSが変わればハードウェアも変化する。Windows 8.1で最も大きく進化したのは「見えない」部分だ。5000を越えるAPIが、Windows ストアアプリ向けに追加され、全画面アプリを作りやすくするための機能が多数盛り込まれた。Windows 8.1へと切り替わることで1番期待したいのは遅れているWindows ストアアプリの「質向上(増加ではない)」である。

Facebookは、Windows 8.1向けのクライアントアプリを公開(UIはWebブラウザ版のFacebookに近い)。これまでWindows ストアアプリにFacebook公式クライアントアプリは提供されていなかった

 「これではパワフルかつ大画面のWindows PCで動かす必要はないのでは……」と思えるものが多かったWindows ストアアプリだが、Windows 8.1と同時公開されたFacebookアプリはどのOSのクライアントよりもよいデキだと思う。

 こうしたアプリが多数登場し、PCのパワーを生かせるようになれば、Windows 8.1への注目度も上がるはずだ。


 ところで、最後にWindows 8.1をインストールした方に。

 インストール後、古いWindows関連ファイルは「Windows.old」に移されるが、これを直接削除することはできない。削除する場合は、ディスクのプロパティ画面から「クリーンアップ」を選び、以前のWindowsバージョンを削除しよう。

 また、Mac OSとiOS、そしてAndroid用に「Remote Desktop」クライアントの提供が開始された。デスクトップPCやパワフルな大型ノートPCを使っている読者ならば、手持ちのタブレット端末からそのパワーを利用可能になる。是非、お試しを。

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