「VAIO Fit 13A」――ソニーが新スタンダードを狙う“2 in 1”モバイルノートの実力最新PC速攻レビュー(3/4 ページ)

» 2013年10月29日 08時30分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

実力テスト:第4世代Core搭載モバイルPCとして標準的なパフォーマンス

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア

 ベンチマークテストのスコアを見てみよう。

 今回入手した店頭モデル(SVF13N19DJS)の基本仕様は、Core i5-4200U(1.6GHz/最大2.6GHz)、Intel HD Graphics 4400、メモリ4Gバイト(デュアルチャンネル)、128GバイトSSD、64ビット版のWindows 8(無料でWindows 8.1にアップデート可能)という内容だ。第4世代Coreを搭載したUltrabookとしてはごく標準的な構成といえる。

 よりハイスペックな構成を望むユーザーには、ソニーストア直販のVAIOオーナーメード(VOM)モデルがおすすめだ。

 評価機が内蔵する128GバイトSSDは東芝の「THNSNH128G8NT」だった。これは以前にレビューしたVAIO Pro 13の2013年夏・店頭モデル(SVP13219CJB)と同じで、M.2コネクタ(接続はSerial ATA 6Gbps)の新型SSDだと分かる。

 結果については、以前レビューしたVAIO Duo 13の2013年夏・店頭モデル(SVD13219CJW)とほとんど同じスペックなので、パフォーマンステストの各スコアもそれに準じており、Windows 8/8.1世代の2 in 1デバイスとして不満のない性能を有する。

 ただし、CINEBENCHのCPUやPCMark 7のComputation、3DMark Cloud GateのPhysicなど、少しスコアが劣る部分も見られた。CPUにマルチスレッドで大きな負荷がかかるような場面では、放熱面などから若干性能が伸びきれない部分があるのかもしれない。

 なお、3DMark IceStormは突出したスコアとなったが、第4世代Coreではつかみどころのない傾向を見せており、参考にならないことを付け加えておく。

左から、CINEBENCH R15、CINEBENCH R11.5、CrystalDiskMark 3.0.2のスコア
左から、PCMark 7 1.4.0、3DMark 1.1.0、FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編のスコア

 液晶ディスプレイの表示も計測したところ、IPSパネルとトリルミナスディスプレイ for mobileを採用したVAIO Duo 13と同じような傾向だった。階調再現性はなかなかのもので、色温度の実測値は6377K、色域はsRGBにかなり近い(VAIO Duo 13より緑系の領域が少し狭いが)。目視の印象も高輝度で色鮮やかだ。タッチパネルの指の滑り、感度、精度のいずれも問題ない。

液晶ディスプレイの計測結果。ガンマ補正カーブを見ると、黒にごく近い暗部が少し乱れているほかは、RGBの各線がだいたい重なって直線を描いており、階調再現性は良好といえる(画像=左)。色域の広さを見ると、「トリルミナスディスプレイ for mobile」の採用により、sRGB(下に敷いたグレーの領域)にかなり近い鮮やかな発色が行えることが分かる(画像=右)

 BBench 1.01で計測したWebブラウズでのバッテリー駆動時間は6時間58分だった。液晶ディスプレイの輝度を40%に固定したこともあり、公称値の約12時間には及ばないが、バッテリーでの“超”長時間駆動を求めないのであれば、十分に実用的なレベルだろう。

 動作音はやや負荷に敏感な印象を受けた。低負荷時でもファンの動作音がはっきり分かる程度の音がして、高負荷時にはファンが高速回転する。一方、ボディの発熱は底面の排気口付近を中心に少し熱を帯びるが、ユーザーが手に触れるパームレストやキーボードまではほとんど伝わってこない。

左から、動作音テスト、発熱テストの結果

ベンチマークテストの概要

  • パフォーマンステスト
    • Windowsエクスペリエンスインデックス(PC総合評価)
    • CINEBENCH R15(CPU性能評価)
    • CINEBENCH R11.5(CPU性能評価)
    • Crystal Disk Mark 3.0.2(ストレージ性能評価)
    • PCMark 7 1.4.0(PC総合評価)
    • 3DMark 1.1.0(3D性能評価)
    • FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編(3D性能評価)

※Windows 8の電源プランは「バランス」、「VAIOの設定」にあるCPUとファンの動作モードは「標準」に設定、すべてキーボードモードで測定

  • 液晶ディスプレイ表示品質テスト
    • i1Pro+i1Profilerでディスプレイの表示を実測し、ガンマ補正カーブを抜粋
    • i1Proが生成したICCプロファイルをMac OS XのColorSyncユーティリティで表示し、色域をsRGB(薄いグレーで重ねた領域)と比較

※液晶ディスプレイは1時間以上オンにし、表示を安定させた状態で中央付近を測定

  • バッテリー駆動時間テスト
    • BBench 1.01

※電源プラン「バランス」+輝度40%固定+無線LAN接続+Bluetoothオン。BBench 1.01(海人氏・作)にて「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 10を指定し、タブブラウズはオフ。満充電の状態からバッテリー残量が残量5%で自動的に休止状態へ移行するまでの時間を計測

  • 騒音テスト
    • 騒音計で実測(本体から手前5センチ、暗騒音32デシベル、室温28度)
  • 発熱テスト
    • 放射温度計でボディ表面温度を実測(室温28度)

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