また、2014年内に投入を計画しているデスクトップCPUに関しては、Core i7 Extreme EditionにDDR4に対応した8コア製品を投入する計画であることや、LGAソケット版の“Broadwell”(ブロードウェル:開発コードネーム)では、Iris Proグラフィックスが採用されることなどが明らかにされた。
まず、同社の次期フラグシップCPUとなる8コア版のIntel Core i7 Extreme Editionは、2014年後半に市場投入を計画し、Intel初のDDR4対応製品となるとともに、新しいチップセットとしてIntel X99を投入することが公式に発表された。
Intel関係者は、同CPUの開発コードネームや、プラットフォームの詳細については明らかにしていないが、OEMベンダー関係者によれば、同CPUが“Haswell-E”として知られるもので、現行のLGA 2011とは互換性のない、LGA2011-3ソケットを採用する。また、DDR4メモリ対応にあたっては、4チャンネル対応とはなるが、1チャンネルあたりDIMM 1本のみのサポートとなるという。
同関係者はさらに、同CPUに組み合わされるIntel X99チップセット(Wellsburg)は、Intel Z87チップセットなどと同様、I/Oポートフレキシビリティによって、SATA 3.0(最大10)、USB 3.0(最大6)、PCI Express 2.0 x1(最大8)を組み合わせることができると説明する。
同社初の14ナノメートルプロセスを採用するデスクトップCPU“Broadwell”では、Intel Iris Proグラフィックスが搭載されるとともに、Intel 9シリーズチップセットが組み合わされることも公開された。ただし、その投入時期については明らかにされず、今年末か来年前半の市場投入が見込まれる。
さらに今年はPentiumブランドの20周年にあたることから、クロック倍率ロックを解除したアニバーサリーエディションを今年半ばに投入する。このPentium Anniversary Editionでは、CPUの動作倍率ロックが解除されるだけでなく、Intel Quick Sync Videoをサポートすることも特徴となる。
直近では、LGA 1150版CPUの上位モデルとして、“Devil's Canyon”(デヴィルズ・キャニオン)と呼ばれる製品を今年半ばに市場投入する。同CPUは、これまで“Haswell Refresh-K”(ハスウェル・リフレッシュ)と呼ばれてきたもので、CPUコアとヒートスプレッダ間の熱伝導を助けるTIM(Thermal Interface Material)を一新するとともに、パッケージングも変更し、より高クロックかつオーバークロック耐性の高いCPUに仕上げたもの。また、マザーボードベンダー関係者によれば、同CPUではCPUコアに内蔵された電源回路iFVR(integrated Fully Voltage Regulator)にも変更が加わっているという。同CPUの投入にあわせ、Intelは、チップセットをIntel 9シリーズに変更するが、マザーボードベンダー関係者によると、従来のIntel 8シリーズチップセット搭載マザーボードでもBIOS変更でサポートが可能になる見通しだ。
なお、マザーボード関係者によれば、Intel 9シリーズチップセットには、Intel Z97と、同H97が用意され、Rapid Storage Technologyのバージョンが上がり、マルウェアや未知のソフトウェアがOSのブートブロックを書き換えることをハードウェアレベルで防ぐBoot Guardなどの機能に対応するが、基本的な機能は現行のIntel 8シリーズチップセットと変わりないという。
チップセット | Intel Z97 | Intel H97 | Intel Z87 |
---|---|---|---|
プラットフォーム | LGA 1150 | LGA 1150 | LGA 1150 |
Haswell Refreshサポート | ○ | ○ | ○ |
Broadwellサポート | ○ | ○ | × |
PCI Express 3.0グラフィックス | x16 or x8×2 or x8+x4×2 | x16 | x16 or x8×2 or x8+x4×2 |
CPU内蔵グラフィックス出力 | 3 | 3 | 3 |
PCI Express 2.0 | 8 | 8 | 8 |
SATA3 | 6 | 6 | 6 |
SATA2 | − | − | − |
USB 3.0 | 6 | 6 | 6 |
USB 2.0 | 10 | 10 | 10 |
サポート可能な総USBポート数 | 14 | 14 | 14 |
Intel RST | 1.3 | 1.3 | 1.2 |
Boot Guard | ○ | ○ | × |
ここ数年、IntelはモバイルCPUを開発の主力としてきたため、デスクトップ向けCPUの進化は、あまりはかばかしいものではなかった。しかし、再びIntelがデスクトップPC市場へCPU開発のリソースを回すようになれば、自作PC市場にも新しい波がおとずれるかもしれない。今回発表された製品群の実際の市場投入までには、まだまだ時間があるが、同社の今後の製品ロードマップに要注目だ。
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