　実はこれまで、組み立て作業は子どもが行い「親は手出し無用」というルールがあったが、2014年は親子での共同作業を推奨している。同教室の“校長先生”を担当した飯山工場の橋立氏は「“親子パソコン組み立て教室”ということで今回から親御さんの参加もOKにしました。コミュニケーションのきっかけになれば」と話す。PCは日常的に使っているが「中を見たのははじめて」という親子も多く、ノートPCの中を親子でのぞいて笑い合う姿がみられた。ま、まぶしい。

　ちなみに、マウスコンピューターの組み立て教室は、完成に必要なパーツがあらかじめ用意されているのではなく、事前に選択したスペックシートをもとに、工場内からパーツをピックアップするところも作業工程に含まれている。シートのバーコードを読み取って、該当するパーツをパレットに入れていく作業は実際に工場内で行われているのと同じもの。かなり本格的だ。

　マウスコンピューター代表取締役社長の小松永門氏は、「1人でも多く、子どもたちにパソコンを好きになってもらいたい。マウスコンピューターの製品は、いろいろなパーツを自分で選べるBTOが特徴。自分のためのパソコンを選ぶ楽しさを体験してほしい。また、写真や動画、ゲームなど、世の中にはいろいろなコンテンツがあるが、それを作る側にとってパソコンが重要だということも知ってほしい」と話し、組み立て教室に参加した子どもたちを眺めて目を細めた。

子どもの組み立て作業を優しい目で見守る小松社長（写真＝左）。校長先生は今年も飯山工場の橋立氏。CPUは頭、メモリは机の広さと、おなじみのパーツ講義（写真＝右）

まず最初はバーコードで管理された仕様表をもとに、マシンの組み立てに必要なパーツを集めるピッキング作業。実際の現場で行われているのと同じ工程で本格的だ

静電気防止用のリストバンドと軍手をはめて作業開始！

小学校でPCを使った授業は行われているものの、ドライバーをにぎるのは初めて、同然PCの中を見たことがないという児童も多い。真剣な子どもと心配そうに見守る保護者

気温のせいでグリスが柔らかくなっていたためか、“出し過ぎ”事故が多発していた。あるある

難易度の高いデスクトップPCの組み立てに挑戦する親子もいた。お父さんがPC自作の経験者で、今回組み立てるマシンもCore i7にSSD、外付けグラフィックスカードを搭載するかなりハイスペックな構成。用途を聞くと「ドラゴンクエストXをやりたい」と目を輝かせた。実はこの親子、ドラクエで一緒にパーティを組んで遊んでいるとのこと。なんという英才教育……

　4年目の取り組みとあって同社のパソコン教室はかなり広く認知されていると感じた。同時開催の「訳ありセール」に足を運んでパソコン教室の存在を知り、子どもが対象年齢になったので「満を持して応募した」と語る人や、2年目に取材したPC USERの記事を読んでイベントを知ったという人も。対象のお子さんがいる方は、来年の「親子パソコン組み立て教室」に参加してみてはいかがだろうか。

前日の昼から並ぶ人も――「訳ありセール」は大盛況!!

　親子パソコン組み立て教室と同時開催された「訳ありセール」も毎年恒例の目玉イベントだ。キャンセル品など、新品と同等の商品がモノによっては70％以上値引きされた特価で手に入るとあって、広い工場の駐車場を遠方からの車で埋め尽くすほどの大盛況。前日の昼ごろから並んだという人もおり、積み重ねられた“お宝”が瞬く間になくなっていった。