2014年上半期PC USERアワードのゲーミングPC部門で「ゴールド」賞に輝いた「NEXTGEAR-NOTE i420」(以下、i420)のレビュー後編では、測色器や騒音計、温度計といった測定器、およびベンチマークプログラムを使ってさまざまな角度から評価していく。
前編で紹介したように、NEXTGEAR-NOTE i420シリーズは、1920×1080ピクセル表示に対応する13.3型ワイド液晶ディスプレイを搭載する。ここではIGZOパネル(2560×1440ピクセル)を採用した上位シリーズ「NEXTGEAR-NOTE i421」(以下、i421)シリーズと比較しながら、パネルの品質を見ていこう。ちなみに、i420とi421の価格差は、液晶ディスプレイ以外をほぼ同じシステム構成にした状態で1万円ほどだ。
エックスライトのカラーキャリブレーションセンサー「i1Pro」と、カラーマネジメントソフトウェア「i1Profiler」を使って、ディスプレイの表示を測定した。なお、パネルの個体差は考慮しておらず、あくまで評価機の傾向であることを付け加えておく。
測定結果を見ると、最大輝度はi420が312カンデラ/平方メートルであるのに対し、i421は285カンデラ/平方メートルと、前者に軍配が上がった。もっとも、i421の画面が暗いと感じることはなく、使用環境によっては両社とも画面輝度を下げて使うことになるだろう。
色温度は、i420が6540Kと「sRGB」で定められている色温度(6500K)に近い値となった。一方のi421は7523Kと色温度はかなり高く、上で触れた目視の印象と一致する(色温度が低いと、白色の表示が黄から赤みがかって見え、高くなるにつれて青く見える)。色温度が高いと白がすっきりと見えるため、こうした傾向を好む日本人は多いが、並べるとやや黄色く見えてしまうi420のほうが業界標準の色規格である「sRGB」に沿っている。
次にi1Proの計測結果からガンマ補正カーブを見ていこう。下のグラフは映像信号の入力と出力の関係を示しており、左下の0(白)から右上の255(黒)まで、R(赤)、G(緑)、B(青)の各線が重なってリニアな直線を描いていれば、グレーバランスが正確で階調の再現性が高いことが期待できる。
i420のガンマ補正カーブは、RGBの各線がほとんど重なり、高い階調再現性が期待できる優秀な結果だ。一方、i421は中間階調から暗部にかけて、Gの線が上方にずれており、初期状態ではGの入力に対して、出力が抑えられているのが分かる。あくまでも評価した個体での評価になるが、ディスプレイの品質という面では、色温度も含めてi420のほうが良好な結果となった。
色再現性を見るため、i1Proで作成したICCプロファイルをMac OS XのColorSyncユーティリティで開き、色域を確認した。下のグラフは、色のついた部分がそのディスプレイで表示できる色域を示し、薄いグレーで重なった部分がsRGBおよびAdobe RGBの色域だ。
結果を見ると、i421がsRGBの色域に近く、i420は緑から青にかけての領域が足りていない。両者ともAdobe RGBの色域にはほど遠いが、i421はsRGB相当の色域を持ち、高い色再現性を期待できる。
ゲーミングノートPCといっても、モバイル向けGPUでフルHDを超える解像度でのゲームプレイは想定しづらいが、オフィスワークやクリエイティブワークも兼ねたメインマシンとして検討する場合は、より広いデスクトップ領域を扱えるNEXTGEAR-NOTE i421シリーズも候補にあがりそうだ。価格差が1万円というのも手ごろだろう。
→PC USER特設ページ「mouse computer station」
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