CintiqシリーズやIntuosシリーズではディスプレイ脇にファンクションキーが配されるのが通例だったが、27QHDの本体表面はフラットなガラススクリーンで全面が覆われており、ファンクションキーは搭載されていない。そのかわりに「ExpressKey Remote」という着脱式のリモコンが同梱され、各種のキー操作が可能になっている。
ディスプレイの左右側面にはマグネットが内蔵されていて、ExpressKey Remoteを置くとピタッとくっつく。傾斜のついたポジションでも滑り落ちることがないので、従来の備え付けのファンクションキーと同じような感覚でキーが利用できる。
本体から取り外し、片手でExpressKey Remoteを持ちながら作業したり、机やサイドテーブルといった本体以外の場所にキーを置いて使うころも可能だ。画面の上に置いて、視線の範囲内でキーを使うといったスタイルも便利だろう。
ExpressKey Remoteには合計18個のファンクションキーに加え、3つの役割を切り替えられるタッチホイールが搭載されている。これだけのキーがあれば、作品製作中によく使うショートカットの多くを操作できる。さらに最大5つのExpressKey Remoteを同時接続できるので、1つでは物足りないという人は買い増しして使うことも可能だ。
従来の同社製品の使い勝手が染みついてしまった筆者は、もっぱら本体にExpressKey Remoteを吸着させて使っていたのだが、「片手で持ち、目線の近くで操作する」という使い方に一度慣れてしまうと、非常に快適だった。「サイズがもう少し小さいと手の収まりがいいな」と感じたが、これは個人差のある問題だろう。タッチホイール周囲のキーを操作する際に、ホイールに指が触れて誤作動してしまうケースがあるのは少々気になったが、それでも手のひらですぐに操作できるのは便利だ。
なお、ExpressKey Remoteと本体との通信は付属のRFドングルを介して行われる。本体裏の側面に専用のUSBポートがあり、そこにドングルを差して利用する。リモコンの充電はUSB経由で行い、2時間の充電で160時間もの連続駆動が可能だ。27QHDの側面にあるUSBポートにつなぎ、充電しながら使うこともできる。
このようにExpressKey Remoteは着脱機構と無線化によって使い方の自由度が大きく増しているので、いままでファンクションキーを使っていなかった人にも試してみてほしいところだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.