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» 2015年02月26日 09時30分 UPDATE

鈴木淳也の「Windowsフロントライン」:8型より小さい「Windows 10タブレット」で考えられる3つの問題 (1/3)

「Windows 10」とひとくちに言っても、PCや8型以上のタブレット、8型未満のタブレットやスマートフォン、IoTデバイスでは中身が異なる。特に小型タブレットでは注意が必要だ。

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

年始から目が離せないMicrosoftの動向

 2015年も年始からMicrosoftの動きが慌ただしい。米本社キャンパスで1月21日(現地時間)に開催した発表会以降、日本語対応となった「Windows 10 Technical Preview(TP)」の予定を繰り上げてのリリースに始まり、「Outlook for iOS/Android」「Universal Office apps for Windows 10」「Office 2016」のβ版と、どとうの勢いで製品やテスト版のリリースが続いている。

 これに加え、2月上旬には「Windows 10 for Raspberry Pi 2」無償提供の話があったり、1月の発表会でお披露目された「Windows 10 Technical Preview for Phones」の提供が始まったりと、この2カ月に生じたWindowsとOfficeのトピックだけでも盛りだくさんだ。

tm_1401win10J_5_27.jpg 1月23日(米国時間)に公開された日本語版の「Windows 10 Technical Preview」(Build 9926)

 これまでWindows 10について最新情報を紹介してきたが、ここで3月初旬よりスペインのバルセロナで開催される世界最大の携帯展示会「Mobile World Congress(MWC)」を前に、Windows 10をPC以外の視点から少し見ていこう。

Windows 10における“8型”の攻防

 以前のリポートにあるように、Microsoftは少なくともPCやスマートデバイス(スマートフォンやタブレットなど)向けのWindows 10として、「Windows 10(for PC)」と「Windows 10 for phones and tablets」の2種類を提供しようとしている。

 同社はもともとWindows 10において「3種類のWindows OSの統合」を目指しているという話があり、Windows 8.1の時代に中途半端に終わったこの試みを完遂しようとしている。

 一方ですべての情報が出ていないため、推測ではあるものの、Windows 10 for phones and tabletsはいわゆる従来の「デスクトップ画面」や「Windows 7以前のレガシーなWindowsアプリケーション」が動作する環境を持っておらず、Windows 8以降のModern UIアプリや各種UIの互換性をさらに高めたWindows Phone 8.1の後継と考えられる。

 Microsoftは先日の発表で、「8型未満のタッチ型デバイス」について、このWindows 10 for phones and tabletsが提供されると説明している。つまり、タブレットであれば8型以上はWindows 10 for PC、8型未満はWindows 10 for phones and tabletsを搭載するということだ。

tm_1401win10J_3_02.jpg 1月に開催された米本社での発表会にて、Windows 10 for phones and tabletsを導入した「Lumia 1520」でプレゼンテーションを行うジョー・ベルフィオーレ氏

 使い方を考えれば、小さい画面のデバイスでデスクトップアプリケーションが使いにくくなるというのは分かるのだが、HPの「Stream 7」や東芝の「Encore Mini」のように、7型のWindows 8.1タブレットは複数市場に存在する。また以前の記事でも紹介した「60ドルPC」こと、Micro Centerの「WinBook TW700」も、やはり7型のタブレットだ。

 このように、いわゆる「100ドルPC」と呼ばれるカテゴリの人気商品は7型台に集中しており、8型以上はもう1ランク上の150〜300ドルクラスに位置していることが多い。つまり「低価格な小型タブレットはWindows 10 for phones and tablets」ということを暗に示唆しているのではないかと思われるのだ。

 うがった見方で言えば、PCユーザー向けWindowsが過度の低価格競争に巻き込まれるのを避け、一定のプレミアム性を維持したいのではないかとも考えられる。

tm_1412win10_2_01.jpg 2014年末の米国では、家電販売店のMicro Centerが、自社ブランドの7型Windowsタブレット「WinBook TW700(TW70CA17)」をホリデーシーズン商戦向け特価の59.99ドルで販売し、話題となった
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