「新しいMacBook」の12型RetinaディスプレイをPro/Airと徹底比較した測色器で表示品質をチェック(4/5 ページ)

» 2015年04月21日 10時30分 公開

画像サンプルで表示傾向の違いをチェック

 これまでの計測結果を踏まえ、実際に新しいMacBook、13インチMacBook Pro Retina、11インチMacBook Airの3台で同じ画像を表示し、発色の違いを確認した。以下の画像は、それをデジタルカメラで撮影したものだ。

 これらの画像は、sRGBを表示できる環境で実物に近い発色が得られるが、ディスプレイやソフトウェアによって見え方が大きく変わることもあり、色再現性が正確とはいい難い。表示傾向を把握しやすくするための参考画像で、評価は写真の解説文を確認していただきたい。

・OS X Yosemite標準の壁紙表示

 OS X Yosemite標準の壁紙を表示するだけでも発色の違いは明らかだ。11インチMacBook Airのみ全体に色があせて、黒の締まりも弱い。新しいMacBookと13インチMacBook Pro Retinaはほぼ同じような見た目で、きちんと夕焼けの赤色が出ており、岩盤のコントラストも高く立体感がある。

OS X Yosemite標準の壁紙表示。左が13インチMacBook Pro Retina、中央が新しいMacBook、右が11インチMacBook Air(以下、同様)

・カラーグラデーション表示

 リニアに変化するカラーグラデーションの表示は、やはり新しいMacBookと13インチMacBook Pro Retinaが似た傾向にあり、どちらも好印象だ。画面端のRGBCMY各色が鮮やかに再現されている。一方のMacBook Airは彩度が低く、黒も少し浮き気味だ。

カラーグラデーション表示

・モノクログラデーション表示

 白から黒までリニアに変化するモノクログラデーションの表示。新しいMacBookと13インチMacBook Pro Retinaは、黒にごく近い暗部がつぶれがちで、中間階調にかけてバンディングが少し見られるものの、凝視しなければさほど気にならず、まずまず自然にグラデーションが再現できた。11インチMacBook Airは暗部から中間階調にかけてバンディングが目立つほか、グレーに青緑が少しかぶって見える。

モノクログラデーション表示

・写真サンプル1(レッド系)

 画面のほとんどを高彩度の赤が占めるサンプル。新しいMacBookと13インチMacBook Pro Retinaはほぼ同じ見え方で、赤の発色が力強く、コントラストも高い。11インチMacBook Airは朱色に近い発色となり、全体的に色があせた印象だ。

写真サンプル1(レッド系)

・写真サンプル2(グリーン系)

 川辺で鮮やかな緑の葉を撮影したサンプル。グリーン系の色では、色域の違いがはっきり出やすい。新しいMacBookと13インチMacBook Pro Retinaは、高彩度の緑と高いコントラストによって、葉のみずみずしさがうまく表現できた。11インチMacBook Airは彩度が低く、全体的に落ち着いたトーンとなっている。

写真サンプル2(グリーン系)

・写真サンプル3(ブルー系)

 空と海に広がるブルーが目立つサンプル。新しいMacBookと13インチMacBook Pro Retinaは、微妙なトーンの青空と、エメラルドグリーンの海が鮮やかに再現できた。11インチMacBook Airは全体に白っぽく、少し緑が混じって見える。

写真サンプル3(ブルー系)

・白表示(輝度ムラ)

 3台のディスプレイ輝度を約120カンデラ/平方メートルに固定し、全画面に白を表示してムラを確認した。11インチMacBook Airは上部と右下に、13インチMacBook Retinaは左下に少し輝度落ちが見られる。これらと比べると、新しいMacBookは左右の端がわずかに暗くなる程度で、全体的に表示の均一性が保たれていた。

白表示(輝度を約120カンデラ/平方メートルに固定して、全画面に白を表示)でムラを確認

 このように、新しいMacBookと13インチMacBook Pro Retinaの2機種は、sRGBに近い色再現が可能であり、高彩度の発色が11インチMacBook Airとはまるで違っている。昨今はWindowsも含め、モバイルPC全体の画素密度や色域が向上しており、11インチMacBook Airは旧世代の表示品質といった感が否めない(Airを1台だけで見た場合は、すぐ目が順応して違和感なく使えるのだが)。

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