PC USER Pro

「Windows 10」は“非推奨”ながら手動アップグレードも可能へ鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/2 ページ)

» 2015年07月20日 08時00分 公開

 Microsoftの次期Windows OS「Windows 10」が2015年7月29日にいよいよリリースされる。ここで言うリリースとは、Windows 7(SP1)およびWindows 8.1 Update搭載PCのユーザーに対して、1年間無料でのアップグレード提供が始まるという意味だ。

 これまでのWindowsでは、OSのパッケージ版やDSP版(自作PC市場で流通)の販売開始、そしてプリインストールPCの発売も同日いっせいに行われていたが、Windows 10では最初に既存ユーザー向けの無料アップグレードが優先して実施される点が大きく異なる。

 このWindows 10のアップグレード提供について、日本マイクロソフトからの新情報も含め、状況を整理してお伝えしよう。

Windows 10 「Windows 10」はいよいよ7月29日に登場
Windows 10 日本マイクロソフトが公開しているWindows 10の仕様。Windows 7(SP1)/8.1 Updateの各エディションから、Windows 10 Home、Windows 10 Pro、Windows 10 Mobileへ無料でアップグレードが行える(Windows 10 Mobileは今秋提供とみられる)。Windows 7 Enterprise、Windows 8/8.1 Enterprise、Windows RT/RT 8.1は対象外だ。ただし、ボリュームライセンス契約でソフトウェアアシュアランス(SA)が有効な法人ユーザーは、特典としてWindows 10 Enterpriseにアップグレードできる

段階的に提供されるWindows 10の無料アップグレードだが……

 7月29日から1年間無料で開始されるWindows 10へのアップグレードだが、これはまず「Windows Insider Programの参加者」から行われる。同プログラムは、Windowsの最新プレビュー版を一般公開前に試用し、開発側へフィードバックすることで製品改善に役立てるというものだ。同プログラムに参加することで、Windows 10のプレビュー版「Windows 10 Insider Preview」(旧称:Technical Preview)を試用可能になる。

 Windows Insider Programは個人ユーザーでも登録できる(ただし、プレビュー版は動作不良が少なくないため、自己責任での利用となる)ため、現時点でその参加者は世界100カ国以上、合計で約500万人に達するという。これだけでも相当な数だ。

Windows 10 Windows Insider Programは、参加者が500万人、居住国が100カ国以上、そこから得られたフィードバック数が300万以上になる

 その後、ネットワークの混雑状況を見ながら、次に「無料アップグレード予約者」へと配信範囲が拡大される。ただし、このタイミングではアップグレード予約を行った全員が対象となるわけではない。Microsoftや各PCベンダーが互換性の検証を終えて、「アップグレードしても問題ない」と判断されたPC/タブレットへ順次配信が行われていく。互換性に問題がある場合、アップグレードプロセス中に詳細情報を提供するという。

 ちなみにWindows 7(SP1)/8.1 Update搭載PC/タブレットは6月1日に、Windows 10への無料アップグレード予約機能が追加されており、通知領域に現れるWindowsアイコンをクリックすると、無料アップグレードの予約が行える状況だ。

Windows 10 Windows 7(SP1)/8.1 Updateを搭載したPC/タブレットでは、タスクバーのWindowsアイコンからWindows 10の無料アップグレードを予約できる

 そして最後に、「アップグレード予約を行っていないユーザー」で、Windows 10無料アップグレード対象となっているWindows 7(SP1)/8.1 Update搭載PC/タブレットへと拡大される。アップグレード用ファイルのサイズは3Gバイト程度となっており、一度に多くのユーザーがアップグレードのためにアクセスすると、ネットワークやサーバがパンクしてしまうため、このような措置を取る必要があったというわけだ。

 この配信ラグは最低で数時間程度、最長で数日程度とみられ、7月29日にすべてのユーザーがWindows 10へとアップグレードできるわけではない。

Windows 10 7月29日からのWindows 10無料アップグレード提供ロードマップ。3段階に分けて無料アップグレードが行われる予定だ

 ちなみに「7月29日」という日付は指定されているものの、細かい時間やタイムゾーンは示されておらず、「待ち構えて一斉アップグレード」のようなことは難しくなっている。日本マイクロソフトは「各国の時間で7月29日に配信する」とコメントしており、時差の関係から、日本は米国より早いタイミングでアップデートが始まる可能性もある。

 というわけで、どうしても最速でWindows 10を導入したいと考えているのならば、Windows Insider Programへの参加が最も近道だ。しかし、同プログラム向けのISOファイル配信は停止されており、おそらく再開は7月29日前後のタイミングになるとみられる。

 ただし、ここへ来てWindows 10アップグレードの追加施策について、日本マイクロソフトから新情報が入ってきた。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月25日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  3. 「IBMはテクノロジーカンパニーだ」 日本IBMが5つの「価値共創領域」にこだわるワケ (2024年04月23日)
  4. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  5. Googleが「Google for Education GIGA スクールパッケージ」を発表 GIGAスクール用Chromebookの「新規採用」と「継続」を両にらみ (2024年04月23日)
  6. バッファロー開発陣に聞く「Wi-Fi 7」にいち早く対応したメリット 決め手は異なる周波数を束ねる「MLO」【前編】 (2024年04月22日)
  7. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
  8. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  9. アドバンテック、第14世代Coreプロセッサを採用した産業向けシングルボードPC (2024年04月24日)
  10. ゼロからの画像生成も可能に――アドビが生成AI機能を強化した「Photoshop」のβ版を公開 (2024年04月23日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー