PC市場ではノートPCが主流になって久しいが、パフォーマンスを追求するならば、やはりデスクトップPCが優位に立つ。数あるデスクトップPCの中でも2015年にキラリと光る存在感を示したのが、マウスコンピューターのゲーミングブランド「G-Tune」から登場した「LITTLEGEAR i310」だ。
完全オリジナル設計のボディは、これまでのセオリーにとらわれないユニークな構造を採用し、コンパクトながらフラッグシップクラスの超高性能グラフィックスカードを搭載できるのがうれしい。おまけに頑丈で持ちやすいハンドルが付いていて、移動や設置も楽に行える。
大型のタワーケースを置くスペースはないが、これくらいコンパクトに設置できるなら……というユーザーも少なくないと思われる。今後のバリエーション展開、さらなるブラッシュアップに期待したい。
マウスコンピューターの「G-Tune」ブランドからは、ハイブリッドグラフィックスの問題を解消した15.6型ノートPC「NEXTGEAR-NOTE i5710」も取り上げておきたい。
NVIDIAのGPUを搭載するノートPCは、ほとんどが「Optimus Technology」によるハイブリッドグラフィックス構成を採用している。この方式は省電力なCPU内蔵GPUと高性能な外部GPUを使い分けられるメリットがある一方、パフォーマンスが多少ながら低下するほか、場合によってはアプリケーションとの互換性に問題が出るというデメリットがある。
バッテリー駆動を前提にしていない据え置き型ノートPCにとって多少の消費電力の違いはさほど重要ではなく、ハイブリッドグラフィックスである必要はない。にもかかわらず、ほとんどの製品は当たり前のようにハイブリッドグラフィックスを採用している。そんな中で「GPU Switch」という、ハイブリッドと外部GPU固定利用を簡単かつ明確に切り替えられる機能を導入しているこの製品は貴重な存在だ。
同社はVRヘッドマウントディスプレイ「Oculus Rift」の普及支援にも力を入れており、Oculus Riftの開発環境が適切に動作しないというフィードバックを受けてこれを導入したとのことだが、ゲームプレイヤーやクリエイターにもこうした問題に悩まされているユーザーは少なくないようだ。
こうした製品を歓迎するとともに、外部GPUをどのように実装するかは、高性能ノートPCにとっての大きな課題だろう。より安心して高性能GPUを搭載したノートPCが買えるようになってほしいと感じる。
BTO対応デスクトップPCでは、サイコムの「Premium-Line」シリーズも強く印象に残る。北欧のPCパーツメーカーであるFractal Designとのコラボレーションで実現した新ブランドPCで、洗練されたデザインと高品質で定評のあるFractal Designのパーツを用い、高性能かつ高機能なシステムに加えて、独自のプレミアムなサポートも付帯した製品だ。
サイコムのPCはDIY感覚でカスタマイズできる点が大きな特徴の1つだが、このPremium Lineは標準の2年間保証に加えて、センドバックによるオーバーホールやパーツアップグレードなど踏み込んだサービスを展開する。構成パーツ1つ1つをこだわって選べること、パーツ単位でのアップグレードができることなどはPC DIYの大きな魅力だが、このPremium Lineは完成品のPCでそのニーズを満たしてくれる点が画期的だ。
「PC DIYをしたいけれどできるかどうか不安」「パーツ1つ1つにこだわりはあるが、組み立てなどは面倒、時間もかけたくない」といったPC DIYの予備軍や卒業組はもちろん、シンプルに長く使える高品質なデスクトップPCが使いたいというユーザーも注目だ。
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