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「VAIO Z」クラムシェルモデル徹底検証――Surface Book/Pro 4と比べた性能は?最上位モバイルPC対決(3/8 ページ)

» 2016年02月26日 06時00分 公開
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PCIe 3.0 x4接続のSSDがNVMe対応でさらに高速化

 データストレージにNVMe(Non-Volatile Memory Express)対応のPCIe(PCI Express) 3.0 x4接続SSDを採用している点も注目だ。

 NVMeは従来のAHCI(Advanced Host Controller Interface)に代わる新しいインタフェースのコマンドプロトコルで、PCIe SSDに最適化され、より効率よいデータ転送が可能になっている。大きなメリットが得られるのは、データセンターなどマルチスレッドで高負荷がかかる場合だが、ランダムアクセスの効率化など一般的なPC用途でもアドバンテージはある。

 評価機のデバイスマネージャ画面で搭載しているSSDを確認すると、「NVMe SAMSUNG MZVPV512」と表示された。これはSamsungのM.2型PCIe SSD新モデル「SM951」のNVMe対応版だ。2015年秋冬にPC DIY市場でも流通し、ハイエンド志向のPCユーザーにはおなじみの製品だろう。ノートPC製品では、恐らくこの新型VAIO Zが初採用と思われる。

 ちなみに先代モデルのVAIO Z 2015も、(評価機を見る限り)SSD自体はPCIe 3.0 x4対応製品を利用していたが、CPU内蔵のチップセットがPCIe 2.0までの対応だったため、PCIe 2.0 x4接続だった。CPUが第6世代Coreに進化したことで、CPU内蔵チップセットがPCIe 3.0に対応し、PCIe 3.0 x4のフルパフォーマンスが生かせるようになった。

 PCIe SSDとして採用例の多いSamsung製SSDの比較を下表にまとめた。インタフェースはSSD自体の対応で、実際にはPCIe 3.0 x2やPCIe 2.0 x4などで接続される場合がある。システム情報ツールなどの表示から、Surface Pro 4や「XPS 13」などはPCIe 3.0 x2接続と思われる。

 また、先代モデルが採用していた「SM951」(AHCI)については、PCIe 2.0 x4接続時のスペックも公開されているので別途記載した。このスペックはあくまでも公称値だ。実測値は後ほどベンチマークテストの結果で確認したい。

VAIO Zなどの製品が採用するSamsung製SSD比較
SSD SM951(NVMe) SM951(AHCI) SM951(AHCI) PM951
インタフェース PCI Express 3.0 x4 PCI Express 3.0 x4 PCI Express 2.0 x4 PCI Express 3.0 x4
インタフェース帯域 32Gbps(4GB/秒) 32Gbps(4GB/秒) 20Gbps(2GB/秒) 32Gbps(4GB/秒)
プロトコル NVMe AHCI AHCI NVMe
NANDフラッシュメモリ MLC MLC MLC TLC
シーケンシャルリード 2150MB/秒 2150MB/秒 1600MB/秒 1050MB/秒
シーケンシャルライト 1550MB/秒 1500MB/秒 1350MB/秒 560MB/秒
4Kランダムリード 300000 IOPS 90000 IOPS 130000 IOPS 250000 IOPS
4Kランダムライト 100000 IOPS 70000 IOPS 85000 IOPS 144000 IOPS
採用例 VAIO Z(2016) VAIO S11など VAIO Z(2015)など Surface Book、Surface Pro 4、XPS 13など
※公称スペックは512GBモデルの数値
HWInfo64(SSD) HWInfo64の情報。SSDの型番は「NVMe SAMSUNG MZVPV512」と表示されている

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VAIO Zのハイスペック構成をSurface Pro 4/Bookと比較する

 今回テストするVAIO Zクラムシェルモデルの評価機は、Core i7-6567U、メモリ16GB、NVMe対応PCIe SSD(512GB)、64bit版Windows 10 Proという最高のハードウェア構成だ。比較対象として、VAIO S11のハイスペックモデル、Surface Pro 4のCore i7モデル、Surface BookのCore i7モデルのテスト結果も併記した。

 なお、VAIO ZとVAIO S11における「VAIOの設定」の「CPUとファン」動作モードはどちらもデフォルトの状態だ。VAIO Zには「標準」がなく、VAIO S11には「パフォーマンス優先」の選択肢がない。VAIO Zフリップモデルも同時に入手したのだが、基本スペックがクラムシェルモデルの評価機と全く同じなので、バッテリーテストのみ行って比較した。

今回テストするVAIO Zと、結果を比較する主なPC
モデル VAIO Zクラムシェルモデル VAIO S11(LTE) Surface Pro 4(Core i7) Surface Book(Core i7)
発売時期 2016年2月発売 2015年12月発売 2016年1月発売 2016年2月発売
CPU Core i7-6567U Core i7-6500U Core i7-6650U Core i7-6600U
CPUコア/同時処理スレッド 2コア/4スレッド 2コア/4スレッド 2コア/4スレッド 2コア/4スレッド
標準クロック 3.3GHz 2.5GHz 2.2GHz 2.6GHz
最大クロック 3.6GHz 3.1GHz 3.4GHz 3.4GHz
CPU内蔵GPU Intel Iris Graphics 550 Intel HD Graphics 520 Intel Iris Graphics 540 Intel HD Graphics 520
4次キャッシュ 4MB 4MB 4MB 4MB
CPU(SoC)のTDP 28ワット 15ワット 15ワット 15ワット
CPU内蔵GPUコア実行エンジン 48基 24基 48基 48基
CPU内蔵GPUクロック 300〜1100MHz 300〜1050MHz 300〜1050MHz 300〜1050MHz
CPU内蔵eDRAM 64MB 64MB
外部GPU NVIDIA GeForce GPU
GPU(CUDA)コア 384基
GPUクロック 954〜993MHz
グラフィックスメモリ GDDR5 1GB
メモリ容量 16GB(デュアルチャンネル) 8GB(デュアルチャンネル) 8GB(デュアルチャンネル) 16GB(デュアルチャンネル)
液晶ディスプレイ 13.3型IPS 11.6型IPS 12.3型IPS 13.5型IPS
解像度 2560×1440ピクセル 1920×1080ピクセル 2736×1824ピクセル 3000×2000ピクセル
データストレージ 512GB SSD 512GB SSD 256GB SSD 512GB SSD
データストレージ型番 NVMe SAMSUNG MZVPV512 SAMSUNG MZHPV512HDGL NVMe SAMSUNG MZFLV256 NVMe SAMSUNG MZFLV512
ストレージインタフェース PCI Express 3.0 x4(NVMe) PCI Express 3.0 x4 PCI Express 3.0 x2(NVMe) PCI Express 3.0 x2(NVMe)
OS Windows 10 Pro 64bit(1511) Windows 10 Pro 64bit(1511) Windows 10 Pro 64bit Windows 10 Pro 64bit(1511)
テスト時の電源プラン バランス バランス バランス バランス
テスト時のCPUとファンモード パフォーマンス優先 標準
直販価格(税込) 32万5404円 25万5744円 23万1984円 37万2384円

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