プロセッサがCherry Trail世代に変わったことで、パフォーマンス面でどのような変化があるのかをベンチマークテストで検証してみたい。内容は以前レビューしている同社の「DG-STK2F」と時と同じものにしてある。システムはWindows Updateをかけて最新の状態にした。使用しているベンチマークのバージョンに差はあるが、可能な範囲で条件を揃えている。
最初に総合性能を見るPCMark 8の結果から見てみよう。家庭での一般的な利用状況を想定したHomeのスコアは前モデルが「986」であったのに対し、本製品では「1331」。事務系アプリなどの性能を計測するWorkのスコアでは前モデルが「955」に対して本製品では「1092」。フォトレタッチや動画作成と行ったクリエイティブ作業時の性能指標を示すCreativeのスコアは前モデルが「848」で本製品は「1452」と大きく改善した。プロセッサの世代交代による性能差がハッキリと出てている。
Cherry Trail世代のAtomではグラフィックス性能が改善されている点がウリとなっている。実際にはどのような変化があるかをグラフィックス・ベンチマークで確認してみた。
3DMarkのスコアは、FireStrikeが前モデルが計測不能なのに対して本製品は「121」。Ice Stormが前モデルでは「12976」であるのに対し本製品では「11453」。CloudGateでは前モデルは「1102」に対して本製品は「1111」。SkyDiverは前モデル「438」、本製品が「626」となった。意外なことにIce Stormの成績は前モデルより悪く、ほかの数値もntel Atom x5-Z8300の一般的な数値より低めだった。
3DMarkのDetailsから動作状況を確認してみたところ、ベンチマーク時にGPUクロックが低めに推移している。また、GPU温度が80℃弱と高めに推移していることから、ファンコントロールがうまくいっていないか、BIOSもしくは周辺ドライバに何かしらの相性が発生している可能性がある。なお、本製品では電源投入直後に「Delete」キーを押すことにより、BIOS設定に入ることができるが、試用機に使われていたBIOSでは、グラフィックスやプロセッサのクロック、ファン関連を設定する項目は用意されていなかった。
続いて、ゲームタイトルベンチマークとしてファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド・ベンチマークとドラゴンクエストXベンチマークソフトの2つを計測した。ファイナルファンタジーでは「標準品質(ノートPC)、解像度1280×720ピクセル)」という条件でスコアは「602」「動作困難」というレベル。ドラゴンクエストXベンチマークソフトでは「低品質、解像度1280×720ピクセル」時で「1200」で「重い」、解像度648×480ピクセルで「2008、やや重い」と、こちらも前モデルである「DG-STK2F」と同じレベルで、期待値には達していなかった。
最後にストレージの性能を計測した。使用したベンチマークソフトはCrystalDiskMarkで、数値についてはeMMC接続のストレージに準じた性能値となっており、前モデルや一般的なスティック型PCと同等の結果となっている。今回は参考用としてUSB 3.0にUSBメモリを装着した状態でベンチマークを計測してみた。接続したUSBメモリはSanDisk USB Flash Drive Extreme 64GB。普段使用しているデータが入ったまま計測したため、Flash Drive Extreme本来の性能が出ていないが、eMMC接続の内蔵ストレージよりもUSB 3.0接続のUSB機器の方が高速であることが確認できる。
またワイヤレスキーボードのみを接続したときの消費電力を計測してみた。使用したキーボードはロジクールのタッチパッド付きワイヤレスキーボード「K400」だ。無負荷時の消費電力は3.3ワット、3DMark計測時の高負荷時消費電力は11.1ワットという結果になった。
残念ながら3Dベンチマーク結果は期待値に達していないものの、電源ボタンやACアダプタ周りといった本体の使い勝手は、前モデルのDG-STK2Fより大幅に改善されている。
PCMarkの結果を見てもらうと分かるように、Webサイトの閲覧やYouTubeなどの動画を見るといった用途では、体感で分かるレベルでレスポンスなどは大きく改善している。USB 3.0が装備されたことにより、応用範囲も大きく広がった。3Dベンチマークに関しては、BIOS等のアップデートなどで対策が行われることを期待したい。
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