Project Romeのベースとなるのは、2012年にMicrosoftが発表したデバイス連携技術「Xbox SmartGlass」だ。
Xbox SmartGlassは、Android、iOS、Windows OSを搭載したデバイスをXbox One/360のコンパニオンとし、例えばゲーム機やテレビのリモコン代わりに活用するなど、近距離通信によるデバイス連携の仕組みを提供する。2012年発表の技術のため、対応デバイス一覧が古いのはご愛嬌(あいきょう)だ。
デバイス同士の接続のみを考慮したXbox SmartGlassに対して、Project Romeではその上のUWP(Universal Windows Platform)アプリのレイヤーでの通信までをカバーし、基本的にアプリ同士またはサービスを介した連携をサポートする。
このProject Romeでサポートされる機能は、主に次の3つだ。
1つ目の「Handle web links」は、「AppUriHandler」を介してユーザーをアプリへと誘導する仕組みだ。
一般にWebのリンクをクリックすると、デフォルトの起動アプリとしてWebブラウザが選択され、そのURLのコンテンツをWebページとして表示する。ただし、ニュース記事ではニュースアプリ、フォトギャラリーは専用の画像ブラウザなど、コンテンツやサービスによってはアプリで見た方がUI(ユーザーインタフェース)の面で優れていることも多い。
そこでAppUriHandlerを使えば、コンテンツやサービスの提供者は(専用アプリを提供している場合など)狙ったアプリをユーザーがすぐに呼び出せるように、Webサイト側で明示することが可能となる。
「Device discovery」と「Cross-device communication」は、2つを組み合わせることで異なるデバイス上のアプリ間での移動が容易になるものだ。デバイス同士はローカルネットワーク(LANやWi-Fiなど)、Bluetooth、あるいはクラウド経由で相互接続と通信が行える。接続は近距離通信でデバイス同士を直接つなげられるほか、Microsoftアカウントでログオンし、クラウドを介しての接続も可能だ。
デバイス同士が接続されると、デバイス上のアプリは互いに通信が可能となる。App Serviceを通じてクラウド経由でUWPアプリが互いにメッセージを交換することもできる。
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