反転攻勢へ!「Ryzen 7」の爆速性能を確かめる自作PC市場における期待の新星(3/5 ページ)

» 2017年03月11日 00時00分 公開
[石川ひさよしITmedia]
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Ryzen 7&Socket AM4環境のクセをチェック

 ベンチマークの前に、まずメモリの動作を検証してみた。なお、検証キットに含まれるCorsairのVENGEANCE LPX CMK16GX4M2B3000C15は問題なくDDR4-2666のデュアルチャネルで動作している。これは筆者の手元にあるメモリで検証した内容だ。

型番 構成 DDR4-2666 DDR4-2400 DR4-2133
G.Skill DDR4-2666 2枚 OK - OK
(Ripjaws 4 F4-2666C16Q-16QRB) 4枚 OK - OK
Crucial DDR4-2400 2枚 - NG NG
(Ballistix BLS8G4D240FSA) 4枚 - NG NG
Panram DDR4-2400 2枚 - NG NG
(Ninja-V Q4U2400PSN-4G) 4枚 - NG NG
センチュリーマイクロ DDR4-2400 2枚 - OK -
(CK8GX2-D4U2400/MIC) - - - -
Crucial DDR4-2133 2枚 - - NG
(MTA16ATF1G64AZ-2G1A1) - - - -

 G.SkillのRipjaws 4 F4-2666C16Q-16QRBは比較的新しいOCメモリであり、Ryzen 7公式のメモリ動作を超え、4枚でのDDR4-2666動作が確認できた。一方、Skylake登場時(2015年8月)から入手できたCrucialのBallistix BLS8G4D240FSA、同MTA16ATF1G64AZ-2G1A1は、POSTが通らなかった。また、OCメモリではPanramのNinja-V Q4U2400PSN-4Gも同様だった。ただし、Skylake登場時に近いセンチュリーマイクロのCK8GX2-D4U2400/MICは問題なくDDR4-2400動作が可能だった。

 マザーボード自体がおそらく製品前サンプルとみられることから、製品版とは挙動が異なる可能性もあるが、今回の検証結果からは、Skylake発売当時のDDR4メモリの流用は要注意と言える。比較的新しいOCメモリや、センチュリーマイクロのように設計が確かな製品なら安心といったところだろう。ただ、多くの方は新規にメモリも購入するだろうし、今後マザーボードの最適化が進み、BIOSの更新でもう少し動作がラクになる可能性はある。今、組みたいという方の参考になれば幸いだ。

 次にRyzen 7のクロックの挙動(電源管理:バランス時)について見てみたい。CPU-Zの値を見ても明らかなように、倍率がRyzen 7 1800Xで37倍と、定格よりも100MHz高い。これは1700Xや1700も同様で、よく見ていると不意に倍率数値が36倍へと落ちることもあり、そもそも拾っている情報自体が随時書き換えられている印象だ。

 そこで3DMark時の動作クロックのログをとってみた。まず、Ryzen 7 1800Xおよび1700Xは、アイドル時で2.2GHz前後、負荷がかかると1800Xは3.7GHz、1700Xは3.5GHzまで上昇し、さらにそこから1800Xは4.1GHz、1700Xは3.7GHzまで上昇するのが確認できた。

 Ryzen 7 1800Xは、定格が3.6GHz、ブースト時が4GHzとされているので、まずここが異なる。Ryzen 7は上位2つのCPUとはまた異なり、アイドル時は1.6GHz程度で、負荷がかかって3.2GHz、そしてところどころ3.75GHzまで上昇することが確認できた。

3DMark実行時のクロックの推移

 おそらくこの難解なクロック変動は「XFR」が絡んでいるのだろう。XFRは温度のヘッドルームをセンサーから読み取りOCする機能とされる。ただ、これを見る限りIntelのTurbo Boostとはずいぶん異なる挙動になるようだ。

 最後にCPU温度の推移を3DMark時のデータで確認してみた。そもそも3DMarkにおけるCPU負荷はそれほど高いわけではないので、参考程度にしてほしい。ここで分かるのは、明らかにRyzen 7 1700のCPU温度が低い点だ。この点、Ryzen 7 1700はかなり扱いやすいCPUになるだろう。静音PCや小型PC狙いの方にもちょうどよい。

 また、Ryzen 7 1800Xや1700Xは60度を超えるシーンが見られるものの、そこまで爆熱CPUとも言えない。いちおうCINEBENCH R15時には80度を超えることもあった。なお、1700Xが1800Xよりも高い温度になる傾向があったので気になった。これは、後ほど紹介するベンチマークにおいて、1800Xのスコアが1700Xにしばしば逆転されていたこととも関係がありそうだ。

CPU温度の推移

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