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» 2017年03月11日 00時00分 UPDATE

自作PC市場における期待の新星:反転攻勢へ!「Ryzen 7」の爆速性能を確かめる (1/5)

Intelに対し、Bulldozer以降劣勢だったAMDが反転攻勢をかけるこの瞬間を、ベンチマークとともに確かめてみたい。Core i7-7700Kとの対決では、Ryzen 7勢がCPU性能で圧倒した。

[石川ひさよし,ITmedia]

対Intel反転攻勢の狼煙「Ryzen」


 アーキテクチャの大幅な刷新というのはリスクが伴うものだ。過去を振り返ればIntelのNetBurst対AMD Athlon 64や、Intel Core対AMD Bulldozerのように、トレンドを捉えたほうがリードしてきた。そしておおよそ1回見誤っても、次には挽回するものである。そういう意味で、Ryzenに対する期待は高い

木箱入りのRyzen 7 1800X評価キットを入手

Ryzen 7 1800Xの表面、裏面

 今回投入されたRyzenは、「Ryzen 7 1800X」「同1700X」「同1700」の3モデル。Ryzenシリーズとしては、7/5/3が予定されている。某自動車メーカーのラインアップや、Intel Coreシリーズのラインアップとナンバーを合わせた格好で、Ryzen 7は“対Core i7”と考えると分かりやすい。つまり、Core i5に対抗するのはRyzen 5、Core i3に対抗するのはRyzen 3ということになる。

 ただし、Ryzen 7は、Intelで言うところのメインストリームプラットフォームのKaby Lakeと、エンスージアスト向けプラットフォームのBloadwell-Eをカバーする。GPUを統合していないので、グラフィックスカードが必要となる点でややターゲットは異なるが、おおよそこの範囲に位置付けられる。

Ryzen 7 1800X/1700X/1700の3製品がリリースされた

製品名 RYZEN 7 1800X RYZEN 7 1700X RYZEN 7 1700
コードネーム Summit Ridge Summit Ridge Summit Ridge
コア数 8 8 8
スレッド数 16 16 16
定格クロック(GHz) 3.6 3.4 3
ターボ時クロック(GHz) 4GHz+XFR* 3.8GHz+XFR* 3.7GHz+XFR
L2キャッシュ(KB) 8x512KB 8x512KB 8x512KB
L3キャッシュ(MB) 2x8MB 2x8MB 2x8MB
製造プロセス 14 14 14
TDP(W) 95 95 65
DDR4メモリ 2666 2666 2666
チャネル数 2 2 2
ソケット AM4 AM4 AM4
※XFRの範囲が「X」モデルは大きく、無印1700はそれよりも小さいとされる

 Ryzenの鍵は、シングルスレッド性能を改善しつつ、一気にコア数を増やし8コア/SMTによる16スレッド同時実行対応というマルチスレッド性能で優位に立とうしたところだ。

CPU-Zから見たRyzen 7。左から1800X、1700X、1700の順。クロック以外の部分は3製品共通でどれも「Unlock」。ただしOCブースト機能の「XFR」の最大値が1800Xと1700Xは大きく、1700は小さい

 また、興味深いのがプラットフォームだ。RyzenではSocket AM4が採用される。AM4は、すでにAPUのBristol Ridgeで用いられている。これまではFXシリーズのCPUがAMx系を、AシリーズのAPUがSocket FMx系を用いてきたが、これが1つのAM4にまとめられた。

Socket AM4が用いられる

 プラットフォームの核となるチップセットは、5つほど発表されている。最上位にX370、メインストリームにB350、エントリーにA320と続き、スモールフォームファクター(SFF)向けにX300とA300が用意されている。

 なお、OCに対応するのはXとB。その上でXはマルチGPU時におけるPCI Express x16スロットのレーン分割に対応する。ほか、Serial ATA 3.0やNVMe(PCI Express接続)対応スロットのサポート数、トータルのPCI Expressレーン数、USB 3.1 Gen2のチップセットネイティブサポートなどで差別化されている。USB 3.1 Gen2は外部チップでも追加できるものとはいえ、チップセット対応を望む場合はX370/B350/A320のみとなるので注意したい。

 メモリに関しては、現時点ではその動作条件がかなり複雑なのでまとめておきたい。まず最大ではDDR4-2666(PC4-21300)対応となるが、これが利用できるのはメモリが2枚までの状態でシングルランクのデュアルチャネル時とされている。かなり条件が厳しいと言える。メモリ2枚でデュアルランクの場合はDDR4-2400、4枚使いたい場合はシングルランクでDDR4-2133、デュアルランクでDDR4-1866。ただ、多くの場合はマザーボード設計に依存する。

メモリ枚数 チャネル動作モード ランク数 動作クロック
4枚 デュアルチャネル デュアルランク DDR4-1866(PC4-14900)
4枚 デュアルチャネル シングルランク DDR4-2133(PC4-17000)
2枚 デュアルチャネル デュアルランク DDR4-2400(PC4-19200)
2枚 デュアルチャネル シングルランク DDR4-2666(PC4-21300)

 AMDのCPU/APUではTDP値も気になるところだ。TDPの算出方法は各社異なるので単純に比較できないところだが、今回は1800Xと1700Xが95W、1700が65Wという値を提示している。これは、AMDが従来のメインストリーム向け製品で提示していたTDP帯と変わらない。アーキテクチャの刷新によって省電力機能も強化されているため、ここが効いてパフォーマンスを向上させつつ消費電力や発熱を抑えられている期待できるだろう。

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