続いてSamsung ElectronicsのJinman Han氏が登壇し、SamsungのSSD技術や今後の取り組みについて語った。
技術については、業界に先駆けて3次元NAND技術を採用した「V-NAND」の技術革新を続けており、64層の「第4世代V-NAND」の量産を開始したことを紹介。TLCパッケージ1枚で1TBの容量を実現できるため、片面実装で4TBのM.2 SSD、1TBのワンパッケージBGA SSDなどを製造できる。
データセンター向けの技術では、データセンターのHDDをSSDで置き換えることにより省スペース、かつ高いQoS(Quality of Service)を実現できることを強調。Samsungが新たに提唱する「M.3」フォームファクターを採用した「PM983 M.3」や低レイテンシのZ-NANDを搭載する「Z-SSD(SZ985)」を紹介した。
M.3は、端子形状とカードの長さはM.2と共通化しつつ、幅30.5mmとM.2(標準22mm)よりも幅が広い形状を採用することで、M.2の2倍のNANDフラッシュメモリを搭載可能にし、ホットプラグにも対応する。フロントからM.3 SSDがホットスワップが可能な超大容量(最大1PB)の1Uラックマウントサーバーを構築できる。データセンターの省スペース化にきわめて有用といえるだろう。
また、クライアントSSDの新たな市場として自動運転用途を取り上げた。自動運転では1秒で1GBものデータがセンサーされ、1時間では3.6TBにも上るという。このために高速大容量かつ幅広い環境(AEC-Q100 Grade 2)に対応する車載用SSDの準備をしていることを明らかにした。コンシューマー用途では、PCI Express x4/NVMe対応の960 PROがハイエンドのゲーミングPCで多く採用されていることを述べるとともに、家庭用ゲーム機向けのSSD、ワンパッケージのBGA SSDなどを紹介した。
Jinman Han氏はSamsungのSSDマーケットシェアについても触れ、2002年以来、NANDフラッシュのマーケットシェアNo.1を継続しているほか、5年以上に渡ってクライアントSSDをリードしていることを紹介。競争の激しいエンタープライズ分野でもNo.1のシェアを獲得し、これからも各分野でリーダーシップを継続していく考えを示した。
最後にHan氏は、顧客にベストなSSDを安定して提供し続け、共にこれからの未来を作っていきたいという言葉で発表を締めくくった。
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