CPU性能が200%アップ!? 「AMD Ryzen Mobile」特徴まとめ(1/2 ページ)

» 2017年10月31日 11時11分 公開
[石川ひさよしITmedia]

ZENコアとVEGAコアを統合したモバイル向けAPU

 AMDが「AMD Ryzen Mobile Processors with Radeon Vega Graphics」(以下、Ryzen Mobile)を発表。「Ryzen 7 2700U」と「Ryzen 5 2500U」の2モデルが明らかにされた。先行して行われた記者向け説明会では、Comsumer Sales APJのDirectorであるPeter Chambers氏と、Client Product Management WWのDirectorであるDavid McAfee氏がその特徴を解説した。Ryzen Mobileのポイントを紹介していこう。

 Ryzen Mobileは、ZENコアがベースのCPUと、VEGAコアがベースのGPUを統合したAPUだ。Ryzen 7 2700U、Ryzen 5 2500UのCPU部分はともに4コア8スレッドで、動作クロックとGPUコアのCU数が異なる。

2つのRyzen Mobile

 動作クロックはRyzen 7 2700Uが定格2.2GHz、ブースト時3.8GHz、Ryzen 5 2500Uが定格2GHz、ブースト3.6GHz。L2/L3キャッシュはともに6MB。GPUはそれぞれ異なり、Ryzen 7 2700Uが10CU(最大1.3GHz)、Ryzen 5 2500Uが8CU(最大1.1GHz)のコアを搭載する。メモリはともにデュアルチャネルのDDR4メモリを採用。TDPは公称15Wとされている。

米AMDでComsumer Sales APJ Directorを務めるPeter Chambers氏(写真=左)と、同Client Product Management WWのDirectorであるDavid McAfee氏(写真=右)

 AMDでは、Ryzen Mobileの開発に際し、第7世代APUに対してCPU性能で50%アップ、GPU性能で40%アップ、消費電力で50%削減を目標に掲げていたとのことだが、実際にはCPU性能は200%アップ、GPU性能は128%アップ、消費電力は58%削減を実現できたという。

エンジニアの努力により目標を大きく上回るCPU・GPU性能の向上と消費電力の削減が実現できたという

 ベンチマークスコアもいくつか提示されているが、CINEBENCH R15を用いたものでは、1スレッド時でCore i7-7500Uに迫り、マルチスレッドでは2コア4スレッドのCore i7-7500Uはもちろん4コア8スレッドのCore i7-8550Uをも上回るとのこと。

公開された各種ベンチマーク。シングルスレッド性能ではライバルにやや劣るがマルチスレッド性能では大きくリードを広げる

AMD FX 9800Pに対してはアプリケーションの起動速度も高速化を果たす

 グラフィックス性能では、3DMarkのTime Spyのスコアが915とされ、Intelの統合GPUや従来のAPUを大幅に上回る。実際のゲーム性能では、ディスクリートGPUには敵わないものの、中〜低という画質設定、1280×720ピクセルや1920×1080ピクセルではLeague of LegendsやOverwatchといったタイトルが60fps前後でプレイ可能とされる。

3DMarkのTime Spyではライバルや旧APUに対して大幅にスコアを向上。スリムノートでゲームが楽しめるだけのパフォーマンスを示す

 バッテリー性能はAMD FX-9800Pとの比較だったが、VP9プレイバックでは4.5時間が9.2時間へ、1080p H.264プレイバックでは10.6時間が12.2時間へ、Mobile Mark 14では10.7時間が13.5時間へと、延長された。

バッテリーライフもFX-9800Pから向上

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