Windows 10大型アップデート「Fall Creators Update(1709)」の配信開始に「Surface Book 2」の発表と、大きなトピックが続いたMicrosoft。一方、トレンドの移り変わりが早いIT業界では「来るものあれば去るものあり」ということで、秋は新旧交代のシーズンにもなっている。
まずは「来るもの」の話題から。
MicrosoftがWindows 10標準の音声対応アシスタント「Cortana」を搭載したIoTデバイス、特にスマートスピーカーの話題に初めて公式に言及したのは、2016年12月に開催したイベントのWinHEC Shenzhenだった。同月には、Harman Kardonと提携してCortana対応スマートスピーカーのティーザー広告を出し、これは後に「Invoke」という製品名であることが判明している。
翌2017年5月に開催したイベントのBuild 2017では、同プラットフォームにおけるCortanaの機能拡張である「Cortana Skill」の開発をデベロッパーらに呼び掛けたが、肝心のInvokeは音沙汰がない状態が続いていた。
そんなInvokeだが、米国でホリデーシーズン商戦を直前に控えた10月22日の日曜日、ついに販売が始まった。米Microsoft直営店のMicrosoftストアでも展示が始まっている。実際、筆者が米カリフォルニア州サンフランシスコ市内のWestfield San Francisco CentreにあるMicrosoftストアを訪れた際、展示を確認できた。
同店では入口付近に「Cortana intelligence. Harman Kardon sound.」と書かれた台が置かれ、HPによるWindows Mixed Reality(MR:複合現実)対応のVR(仮想現実) HMD(ヘッドマウントディスプレイ)とともに展示されていた。裏には「Experience the future today(未来を今日体験しよう)」のキャッチコピーが掲出されており、「PCやスマートフォンではない未来のデバイス」的な扱いだ。
筆者が来店したときは、他のPCやゲームの体験コーナーに比べると来店者の注目度はいまひとつという印象だったが、今後は新たな展開に注目したい。MicrosoftはAmazon.comとの提携でCortanaとAlexa(Amazonの音声対応アシスタント)の相互乗り入れを発表しており、2017年内にこれを実現する予定だ。
これにより、Invoke自体の販売数が伸びなかったとしても、スマートスピーカー市場で先行する「Amazon Echo」シリーズなどAlexa対応デバイスを通じてCortanaの活用も広がり、市場での認知拡大につながることが期待される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.