2017年のPC・タブレット動向を冷静に振り返る本田雅一のクロスオーバーデジタル(3/3 ページ)

» 2017年12月28日 10時00分 公開
[本田雅一ITmedia]
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ARM版Windows 10は「パーソナルコンピュータの再定義」か

 2017年を振り替えるというテーマで書き始めてみたが、そもそも振り返るだけの大きな動きがなかった。1つ驚きがあったとしたら、それはMicrosoftがARMアーキテクチャ向けのWindowsプロジェクトをリブートしたことだ。

 MicrosoftがQualcommと共同で発表した「ARM版のWindows 10 S」と、かつての「Windows RT」との違いは、Intel向けに開発されたアプリケーションコードの自動翻訳機能を搭載していること、そしてそれらの機能をシステムLSIを提供するQualcommと共同で開発、調整していることだろう。

 その結果、Qualcommのプラットフォーム(Snapdragon)が得意とするワイヤレス通信や省電力を生かした製品開発ができる。「製品開発」と書いたが、それらによって生まれてくる製品が従来とは異なる体験をもたらすようになれば、当然ながら次の段階では商品企画そのものが変わり、最終的には新しい商品ジャンルを生み出すことになるだろう。

Windows on ARM Microsoftが掲げた新しいPCのコンセプト「Always Connected PC(常時接続PC)」。これを具現化するSnapdragon 835搭載Windows 10 Sデバイスは、LTEの内蔵による常時接続かつ20時間超ものロングバッテリーが特徴となる

 筆者の視点でこの動きを俯瞰すると、「パーソナルコンピュータの再定義」の動きに見える。スマートフォン・タブレットへとPC市場の一部がスライドする中で生まれてきた、ハイブリッド型の製品をいったん整理し、新たな道具として再構築するためのたたき台となれば、2018年から2019年にかけて「パーソナルコンピュータ」そのもののカタチ、使い方提案などに新たなアプローチが見られるようになるだろう。

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