「なろう」作家を狙い撃ち!? 「一太郎2018」発売直前レビュー(3/4 ページ)

» 2018年02月08日 15時46分 公開
[瓜生聖ITmedia]

入力アシスト・文書校正機能

 小説投稿サイトに投稿する人だけではなく、全ての小説執筆者に役立つ機能が入力アシストだ。

 最近のかな漢字変換システムでは推測変換が搭載されており、実際に確定させる文字数よりもはるかに少ない打鍵数で入力ができるようになっている。同様に一太郎の入力アシストでは小説を書くときの作法に従って自動的に入力を補完してくれる。

 例えば、段落を始めるときには必ず1字下げるが、入力アシストの「行頭のスペースを挿入する」を有効にしておくと、改行した瞬間に1字下げのスペースが入る。

 だが、会話文など括弧で行が始まる場合、その前に字下げは不要だ。これは「行頭の開き括弧・改行の前の空白を削除する」で回避できる。さらに「行頭の開き括弧と対になる閉じ括弧で改行する」を有効にすれば、閉じ括弧を確定した瞬間に自動的に改行→字下げまで行われる。

 かのロマン派詩人コールリッジの作品「クーブラカーン」は、来客によって執筆を中断したために未完のままになってしまったという。その悲運を繰り返さないためにも、細かい作法は一太郎にまかせ、ユーザーはひたすら文字を打ち進めて湧き出でるインスピレーションを一刻も早く形にすることに専念してもらいたい。

 なお、一太郎2018の文章校正機能は小説向けにさらに強化されているので、入力アシストのミスなどもチェックできる。

入力アシストに「行頭の開き括弧・改行の前の空白を削除する」や「行頭の開き括弧と対になる閉じ括弧で改行する」など、小説の記述を意識した項目が4点追加された

「行頭のスペースを挿入する」を有効にした状態で、ここで改行を入力すると……

改行後、自動的に字下げされた状態になる

この後会話文の「」を入れたいが、括弧が行頭から始まる場合は字下げは不要。「行頭の開き括弧・改行の前の空白を削除する」を有効にしておくと……

かまわず括弧を入力して確定する

字下げのスペースが削除される。さらに「対になる引用符/括弧を補完する」を有効にしておくと、対応する閉じ括弧が入力された上でカーソルが括弧の中に移動する

小説用ファンクションキーセットには「F3:校正実行」「F11:コピー履歴」が追加された

ツール>文章校正>頻出語チェックで指定範囲内に頻出する語句を一覧表示できる

頻出語チェックでは対象範囲、表示対象の品詞を設定可能

 そのほか、「きまるスタイル」で新書サイズ、文庫サイズのスタイルが追加されたり、160種にも及ぶ目次デザインが収められた目次ギャラリー、塗り足しへの対応するなど、一太郎単体でできるデータ入稿の品質向上が図られている。

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