「Raven Ridge」の実力は? Core i5と徹底比較(1/4 ページ)

» 2018年02月16日 17時56分 公開
[石川ひさよしITmedia]

Core i5およびCore i3に対抗する「Zen」+「VEGA」のAPU

 AMDのいうAPUは、CPUコアとGPUコアのパッケージである。この点で、CPU版Ryzenと異なり、グラフィックスカード不要のコストでPCを組める。これはLGA 115x系のIntel Coreと同様だ。

デスクトップ向けAPU「Ryzen 5 2400G」と「Ryzen 3 2200G」

 その上で、今回のAPUはCPUコアがZenコアへ、GPUコアがVEGAへと進化した。従来のAPUは、GPU性能こそ高かったものの、CPU性能については少々劣り、それを高クロックで駆動していたため消費電力も大きかった。今回のAPU版Ryzenでは、そうした部分も大幅に改善されることが見込まれる。それではスペックを見ていこう。

製品名 Ryzen 5 2400G Ryzen 3 2200G Ryzen 5 1400 Ryzen 3 1300X
CPUコア世代 Zen Zen Zen Zen
コア/スレッド数 4/8 4/4 4/8 4/4
コアベースクロック 3.6 3.5 3.2 3.5
コアブーストクロック 3.9 3.7 3.45 3.7
L3 4MB 4MB 8MB 8MB
TDP 65W 65W 65W 65W
対応メモリ(最大) DDR4-2933 DDR4-2933 DDR4-2666 DDR4-2666
メモリチャネル数 2ch 2ch 2ch 2ch
GPUコア世代 Radeon VEGA Radeon VEGA - -
GPUコア数 11 8 - -
GPUクロック(最大) 1.25GHz 1.25GHz - -
PCIeレーン数 8 8 16 16

 まず、Ryzen 5 2400GのCPUコア部分については、4コア8スレッドとなっており、CCX×1基を搭載しSMTを有効化した構成だ。1000番台のRyzenでいうところの下位モデルと同様の構成といえる。動作クロックは定格が3.6GHz、ブースト時が3.9GHzで、Ryzenとしてはほどほど、Intel Coreを比較に加えればそこまで高クロックというわけではない。

 GPUコア部分については、11CU構成となっている。ハイエンドグラフィックスカードのVEGAと比べればかなり少ないが、単純にCU数で比較をすれば、従来のAPUのA10-7870Kあたりが8CUだったのでそれよりも多い。アーキテクチャも違うため同列にはできないが、期待はできるだろう。

 また、メモリもDDR4-2933までサポートされている。AMDは以前からOCメモリをサポートの範囲に入れている。統合GPUの場合は、メインメモリをグラフィックスメモリとしても利用するため、高速であれば高速であるほど性能は高まる。

 OCメモリはJEDECメモリと比べて高価だが、グラフィックスカードを追加するほどの価格差ではないので、APU版Ryzenのパフォーマンスを引き出したいなら、積極的に狙っていきたい。もちろん、DDR4-2666などJEDECメモリでも問題なく動作する。

Ryzen 5 2400GのCPU-Zの画面

Ryzen 3 2200GのCPU-Zの画面

 Ryzen 3 2200Gは、4コア4スレッドなので、SMTが利用できない点でRyzen 5 2400Gと異なる。また、動作クロックも定格が3.5GHz、ブースト時が3.7GHzと若干抑えめだ。GPU部分では、8CUとなるのでここも削減されている。ただしメモリはDDR4-2933までサポートされていて、ここは同じである。

 Ryzen 5 2400GとRyzen 3 2200GのTDPはともに65W。TDPの意味がIntel CPUと異なるが、おおよそそのくらいの消費電力になることが期待される。また、従来のAPUの上位モデルでは、TDPが95Wであることも一般的だったため、ここが削減された。

 おそらく、CPUコア部分の電力効率がZenコアによって劇的に改善されたところが大きいのだろう。統合GPUのニーズでもっとも大きい「低消費電力」という点を強くアピールできる。

 ここで評価キットに含まれるマザーボードを見ておきたい。すでに市場にはRyzenを搭載できるSocket AM4のMini-ITXマザーボードがいくつかリリースされているが、今回はその新顔であるMSI「B350I PRO AC」が含まれていた。TDP65Wクラスの、Mini-ITXでも使いやすくグラフィックスカード不要のAPUが登場したことで、Socket AM4のMini-ITXマザーボードもこれまで以上に盛り上がっていくことだろう。

MSI B350I PRO AC。GAMINGシリーズとは違いシンプルな配色だが、ヒートシンクはやや大きめで、拡張スロットには金属カバーを付けている

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