Google Wifi vs. deco M5 メッシュ対応Wi-Fiルーター徹底比較(3/6 ページ)

» 2018年06月28日 15時19分 公開
[瓜生聖ITmedia]

Google WifiとTP-Linkの比較――通信速度

 Wi-Fiメッシュ技術では信号強度、クライアント数、チャンネルの可用性などから通信パスを最適化する。その中には単に端末と直接接続するアクセスポイントの選択だけでなく、アクセスポイント同士の通信パスも含まれている。当然のことではあるが、無線で通信を行うのはアクセスポイント間も同様であり、そのバックホールの通信分、通信量は増加することになる。

 これは中継機にもあった問題で、単純に考えれば端末が2台目の(有線接続されていない)アクセスポイントに接続された場合、このアクセスポイントは端末・アクセスポイントの通信と同量の通信を1台目のアクセスポイントと行わなければならず、帯域の半減を招いてしまう。

 つまり、メッシュWi-Fi技術の実現には通信パスの最適化といったフロント側の問題解決だけでなく、アクセスポイント間のバックホール通信が端末との通信に与える影響を抑える必要もある。

 この問題に対するアプローチは両モデルとも同じで、端末とアクセスポイント間、アクセスポイント同士の両方でデュアルバンドを兼用し、必要に応じて最適な通信帯域・経路を選択するというものだ。高価なWi-Fiメッシュ対応ルーターにはバックホール通信専用あるいは兼用としてもう1バンド追加し、トライバンドに対応してパフォーマンスを向上させたものもあるが、これはコストパフォーマンスや本体の小型化とのトレードオフになるだろう。

 なお、Wi-Fiメッシュ技術にはIEEE 802.11sという標準規格があり、同規格を採用したアクセスポイントであればメーカーに関わらずWi-Fiメッシュネットワークを構築できる。しかし、両モデルともWi-Fiメッシュネットワークは同社製品に限定されている。TP-Link demo M5は独自のTP-Link ART(Adaptive Routing Technology)を採用しており、Google Wifiは現在ではIEEE 802.11sに対応しているとは言っていないようだ。

 また、Google WifiがAC1200クラスであるのに対し、TP-Link demo M5はAC1300クラス。両モデルとも2.4GHz・5GHzデュアルバンドであり、5GHz帯はIEEE 802.11ac 3×3 MIMO 866Mbpsで変わりはない。一方、2.4GHz帯はGoogle Wifiが300Mbpsに対し、TP-Link demo M5は400Mbpsと100Mbps上回っている。両モデルとも2.4GHz/5GHzで共通のSSIDを使用するため、一般にはアクセスポイントとの距離が近ければ5GHz帯、そうでなければ2.4GHz帯での接続になるはずだ。つまり、5GHz帯でつながれば両モデルとも違いはなし、2.4GHz帯でつながればdeco M5が有利、と考えられる。

 実際にGoogle Wifi、deco M5をそれぞれ2台設置して通信速度を測定した結果は次の通りだ。測定は、サーバ側にCore i7-7700と16GBメモリを搭載したWindows 10マシンのiperf 3.1.3、クライアント側はXperia XZ上で動作するMagic iPerfを使用した。現在は多くの無線通信規格があり、それによって通信速度上限も大きく異なる。端末の対応プロトコル、アンテナ数によって規格上の上限が異なること、電波状況などの外的要因によっても大きく変動があることを考慮し、参考程度に見てもらいたい。

 両モデルで大きな差が出たのは2台目のアクセスポイント近くでの速度だ。Google Wifiが最速ポイントから3分の1から4分の1くらいまで速度を落としてしまったのに対し、deco M5は8割弱を維持していた。これはアクセスポイント間の通信速度によって差が生じたものだと思われる。

Google Wifiの結果。メインWi-FiポイントとサブWi-Fiポイントの通信状態がよくないのか、サブWi-Fiポイント周辺の速度が大きく落ち込んでいる
deco M5の結果。メッシュテストの結果でもメインWi-FiポイントとサブWi-Fiポイントの通信状態が良好で、それが反映されたような結果となった

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月13日 更新
  1. きょう発売の「MacBook Neo」、もうAmazonで割安に (2026年03月11日)
  2. セールで買った日本HPの約990gノートPC「Pavilion Aero 13-bg」が想像以上に良かったので紹介したい (2026年03月11日)
  3. 10万円切りMacが17年ぶりに復活! 実機を試して分かったAppleが仕掛ける「MacBook Neo」の実力 (2026年03月10日)
  4. 12機能を凝縮したモニタースタンド型の「Anker 675 USB-C ドッキングステーション」が27%オフの2万3990円に (2026年03月11日)
  5. 3万円超でも納得の完成度 VIA対応の薄型メカニカルキーボード「AirOne Pro」を試す キータッチと携帯性を妥協したくない人向け (2026年03月12日)
  6. 「MacBook Neo」を試して分かった10万円切りの衝撃! ただの“安いMac”ではなく絶妙な引き算で生まれた1台 (2026年03月10日)
  7. エンスージアスト向けCPU「Core Ultra 200S Plus」登場 Eコア増量+メモリアクセス高速化+バイナリ最適化でパフォーマンス向上 (2026年03月11日)
  8. 新型「MacBook Air」はM5搭載で何が変わった? 同じM5の「14インチMacBook Pro」と比べて分かったこと (2026年03月10日)
  9. 高音質・良好な装着感・バッテリー交換式――JBLのフラッグシップ「Quantum 950 WIRELESS」は妥協なきヘッドセットか (2026年03月12日)
  10. M5 Max搭載「14インチMacBook Pro」がワークステーションを過去にする 80万円超の“最強”モバイル AI PCを試す (2026年03月13日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年