講習、トライアル、ペーパーテストを経て、一通りの知識と組み立てを体験した親子たち。ついに実際の組み立てる番だ。ここからは本当に各親子が別々のPCを組み立てるのでカンニングもできない。
しかし、マウスコンピューターの工場では、作業効率を上げるために、どんな構成のPCでも組み立て手順が作業机のディスプレイに表示されるため、基本的にその画面の指示に従って作業をしていけば問題ない。また、組み立てで難しいところは熟練スタッフが手取り足取りサポートしてくれる。あらかじめトライアル用のPCで組み立てのツボを心得た親子は、ゆっくりだが確実に組み立てていった。
組み立て作業をする親子を見ていくとなかなか面白い。とある母娘は、娘さんが熱心に組み立てる様子をお母さんが一工程ずつ写真でパシャリ。聞けば、今回のPCは自宅の動かなくなったPCの代わりで、工程を覚えておき自宅のPCのパーツ換装にもチャレンジしたいとのこと。それにしてもCore i7-8700にGeForce GTX 1070 Tiというパーツ構成はハイエンドのゲーミンググレードである。どうやらこの母娘は、お母さん側がゲーマーのようだ。
一方で、今回組み立てたPCが家族ではじめてのPCという親子もいた。組み立て教室では通常よりもお得にPCを購入できる。しかも組み立ても学べるから子どもの夏休みの課題にももってこいというわけだ。子どもは子どもで、組み立てたPCをどう使おうか夢を膨らませていた(用途に「マインクラフト」を挙げる子どもが多い)。
今回の組み立てワークショップで気が付いたことは、1つはノートPCの割合が多いこと。これは現在のPC全体のトレンド通りだろう。しかし、ノートPCの組み立てでは、メモリの装着でSO-DIMMをしっかり倒しこんでロックしたり、M.2 2230サイズの無線LANカードの装着や、その上の小さなアンテナ端子を接続するなどデスクトップPCとは異なるハードルの高さがある。
もちろん、デスクトップPCの方が簡単というものではない。デスクトップPCは本体のケースが大きいため、小学6年生には取り回しの面で苦労があり、パーツの数も多い。全体的にノートPCを選んだ親子の方が早く組み立てを終えていたようだ。
もう1つ気付いたのは女の子の参加者が多いことだ。お父さんがPC好きで……、といった理由は想像できるが、母娘の参加も割合としては差がない。前述の無線LANアンテナの接続などは女の子の方が短時間で完成させることが多いように感じた。
PCを組み立てて終わりではないのもユニークだ。同社の普段の出荷体制と同様、しっかりと動作確認をした後、梱包まで行って修了証書が授与される。
この体験で子どもたちがPCへの理解を深めてくれれば、同じ業界にいる身としてはうれしく感じる。2018年は第9回の開催ということで、初回に参加した子どもたちはいまや成人、そろそろ社会人になる方もいるだろう。できれば、こうしたPC組み立て教室を通じてPCに親しみ、後々PC業界で働きたい、エンジニアになりたい、といった子どもたちが育ってくれることを期待したい。
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