「XPS 15 2-in-1」は絵師の夢をかなえるか 人気イラストレーターが徹底検証(2/6 ページ)

» 2018年09月22日 11時00分 公開
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ペン性能をチェック

 さて、それでは早速(やっと)ペン性能を見ていきましょう。今回のペンは4000段階の筆圧検知や低遅延、傾き検知などを搭載した新型で、描画性能の高さが訴求されています。

 プロトコルはSurfaceなどで使用されているMPPと、ワコムAES 1.0と2.0に対応していますが、以後、特に断りが無い場合はワコムAES2.0での結果として見てください。また、筆圧や遅延の測りかたに興味がある方は過去の記事(iPad Pro 10.5とSurface Proを比較 人気プロ絵師によるお絵描きレビュー)を参照してください。

筆圧

 まずは筆圧のデッドゾーン、オン荷重を調べます。

今回は左側のオン荷重計測器を少し改良したものを使いました。右側は使用していません

 14gです。ボールペンなどの感覚で書く「筆記寄り」だと思います。ペンの自重が20gと重いので、画面を寝かせて使用すれば多少のデッドゾーンは打ち消されます。ですが、お絵描きなどで画面を薄くなでるような筆圧で描こうとすると、出ないな? と思ったらぽろっと出るような唐突感があります。

 プロトコルをMPPに設定した場合も、筆圧の設定を硬く、または柔らかく設定した場合も、オン荷重がこれより小さくなることはありませんでした。

 最大検知筆圧は今回は測っていませんが、CintiqやIntuosシリーズより小さくて、筆圧を強くかけたときの頭打ち感があります。これはSurfaceのペンと似た感触で、ほとんどのシーンでこの領域の筆圧は使わないと思いますが、筆圧が強いタイプの人は気を付けたいポイントです。

オン荷重の比較表

遅延

 続いて遅延を調べました。

縦線を引いて、ペン先より線が遅れる様子を高速度撮影しています

 6/120秒ということで、2017年の速くなったSurface Proと同等です。十分に速いと思います。

 ここで不思議だったのが、Microsoftストア版のOneNoteだと3/120秒という超低遅延の結果が出たことです。Surface ProでもペイントよりOneNoteの方が速い結果になっていたのですが、これほどではありませんでした。1年で処理の仕方が更新されたのかもしれません。

遅延の比較表

ジッター

 次は個人的に重視している点、ジッターについて調べました。ジッターとは、斜め線が波状に曲がる現象のことで、平行線を何本か引くことによって、手ブレでなくてパターン状に発生しているのを観察しやすくなります。定規で直線を引く方法ではなくフリーハンドで描くのは、静電気センサーに影響を与えないためです。

ブレの実際のスケールはペンの大きさを参考にしてください

 意識してペンを立てて持った状態でもやや不安定で、普通に持ったり、平均より傾けて持った場合にはかなりグニャグニャと曲がります。ジッターについては、ワコムの技術が載っているからといって油断ならない、というのは昔からありましたが、プレミアムをうたった最新世代のペンでも相変わらず存在するのは残念です。

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