MSRAでは「Web & Search」「Networking & Systems」「ML & Intelligence」「Speech & Languge」「Vision & Graphics」の5つの重点テーマを持って活動しており、その成果の一端は以前にMSRAを訪問した際のレポートにもある通りだ。
MSRAというと「小冰(Xiaoice)」や、そのローカル版とも言える「りんな」のAIチャットBot開発のイメージがあるかもしれないが、実際にはLUIS(Language Understanding Intelligent Service)のような構文解析や音声認識、Azureデータセンターにおける各種技術やBingのWeb検索技術まで、Microsoftの基礎技術研究の根幹を担っている。
今、Microsoftを横断する形で独立した研究部門として存在するAI & Research部門のトップをMSRA出身のハリー・シャム氏が担当していることからも分かるように、MSRSは特に機械学習やAI活用における研究では秀でている。だが同社によれば、本社のあるレドモンドのMicrosoft Researchを含め世界中が連携して動いており、必ずしも北京のMSRAがリードしているわけではないようだ。
2018年9月には、上海に第2のMSRA拠点とも呼べる「Microsoft Research Asia-Shanghai」が設立され、上海市が運営するINESA(上海儀電)と共同で「Microsoft-INESA AI Innovation Center」が設立・運営されていくことが発表済みだ。
アジアにおけるMicrosoft Researchの拠点はインドのハイデラバードなどにも存在するが、MSRAの名称を冠する施設はこの上海と北京の2つだけとなっている。上海での活動内容については今回のイベントでは語られなかったが、今後ある程度成果が出た時点で改めて報告されることになるだろう。
MSRAでは本イベント開催にあたり、世界の報道関係者を集めた「Microsoft AI Immersion Tour」という最新成果を報告する紹介ツアーも開催しており、前回のツアーからのアップデートや最新事情を取材することができた。このあたりの事情は本連載で改めて紹介していく。
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