CPUとGPUに触れたので、評価機の内部スペックにも言及しておこう。
評価機は2つあるZenBook Pro Duoの中で、上位にあたる型番「UX581GV-9980」だ。こちらは8コア16スレッドのCore i9-9980HKを採用している。ノートPC向けとしてはIntelの最上位CPUである。動作クロックもベース2.4GHz、ターボブースト時最大5GHzと、デスクトップ向けCPUに引けを取らない。TDPは45Wだ。
なお、下位モデルの「UX581GV-9750」は6コア12スレッドのCore i7-9750Hを採用しており、こちらは35Wなので高負荷時の動作音が多少落ちるかもしれないが、それでもノートPCとしては強力なスペックだ。
GPU側のNVIDIA GeForce RTX 2060は、トップグレードではないもののRTX 20シリーズのアッパーミドルGPUであり、ゲーミングノートPCでもよく採用されている。高解像度のデュアルディスプレイという本機の性質上、強力なGPUは必要不可欠だ。そしてクリエイティブ用途ではGPUを用いたアクセラレーションも利用することが多い。Adobe LightroomのようにRAW現像時のプレビューを高速化したり、Premiereでエンコード/デコードを高速化したりといった点でGPUが活用される。
メインメモリは標準で32GBを搭載済みだ。一般的にはまだ8GB、上位モデルが16GBという時代だから32GBは大容量だ。コストを気にする場合は16GBで価格を抑えてくれた方がよいとまで思うだろう。
とはいえ、本機はクリエイティブ用途向けで、デュアルディスプレイをフル活用してもらいたいという製品だ。そうした用途で不自由なく性能を出し切るという意味で32GBが標準になったのだろう。速度はCPU-Z上からは空欄だったが、GPU-Zの統合GPU時のデータからDDR4-2666であるようだ。
ストレージは容量1TBのNVMe対応M.2 SSDだ。内部接続はPCI Express 3.0 x4で、下位モデルでは容量512GBのPCI Express 3.0 x2になる。PCI Express 3.0 x4接続の評価機は、SAMSUNG MZVLB1T0HALR(PM981)が採用されていた。
インタフェースは、左側面にACアダプタ用ジャック、HDMI(2.0)、USB 3.1 Gen2(Type-A)、右側面にUSB 3.1 Gen2(Type-A)、オーディオ入出力、Thunderbolt 3(Type-C)×1が用意される。
USBも全体的に見て少なめでモバイルPCに準じたポート数に感じる。ただし、映像出力という点ではHDMIとThunderbolt 3が利用できるので、内蔵2画面に加えて外部2画面の計4画面出力に対応している。また、有線LANを持たない点が気になるかもしれないが、本製品はWi-Fi 6(IEEE 801.11ax)対応の無線LAN機能を備えているので、対応親機を用意すればギガビット級の接続が可能だ。
そしてACアダプターとバッテリーを見ていくと、パワフルな外部GPUを搭載していることからも想像できるが、本製品のACアダプタは大きめだ。もちろん弁当箱サイズのゲーミングPCよりはいくぶん小さいが、19.5V×11.8A対応で出力は230.1Wというモンスター級である。
バッテリー駆動時間に関しては、据え置き用途が中心となる本製品の場合あまり注意するところではないが、比較的大容量で公称値は約5.3時間駆動が可能となっている。ディスプレイ輝度最大、電源管理を製品標準とした状態でのPCMark 10、Batteryベンチマーク、Modern Officeシナリオでの結果も4時間4分あり、この性能であれば十分な駆動時間が確保されていると言えるだろう。
また、同社製ユーティリティー「MyASUS」のハードウェア設定から、充電モードを「バランス」や「マックスライフ」という設定に切り替えることで、駆動時間と引き換えにバッテリーライフを延ばすこともできる。
ベンチマークテストで本機の性能を見ていこう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.