約957gで高性能! 8コアRyzen搭載モバイルPC「HP Pavilion Aero 13-be」の実力は?(3/3 ページ)

» 2021年09月09日 12時00分 公開
[マルオマサトITmedia]
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Ryzen 7 5800Uの搭載で1kgクラストップのマルチスレッド性能

 ベンチマークテストの結果を見ていこう。最新のZen 3アーキテクチャを採用したRyzen 7 5800U(8コア16スレッド、1.9GHz〜4.4GHz)のパフォーマンスに注目だ。参考として、2020年に発売されたZen 2アーキテクチャ採用のRyzen 5 4500U(6コア6スレッド、2.3GHz〜4.0GHz)搭載機である「HP ProBook X360 435 G7」のスコアも掲載した。

HP Pavilion Aero 13 評価機の主なスペック

 CINEBENCHは、比較対象に合わせて一世代前のR20も実行している。コア数が多いのでマルチスレッドのCPUスコアで良いのは当然だが、シングルスレッド性能が約17%向上している点に新世代の実力が伺える。

 そして、CINEBENCH R23のCPUスコアは7824ptsだった。このスコアは、8コアApple M1搭載のMacBook Proと互角かそれ以上のスコアであり、Core i7-1165G7を搭載したPC(5000pts前後)を大きく上回る、最新世代のRyzen 7 5800Uの優秀さが分かる結果で、本製品もそのパフォーマンスをきっちり発揮できている。

HP Pavilion Aero 13 CINEBENCH R20のスコア比較
HP Pavilion Aero 13 CINEBENCH R23の結果

 Zen 3の進化は、PCの総合性能をシミュレートするPCMark 10でも分かる。Ryzen 5 4500U搭載機から総合スコアで約24.5%と大きく向上しているが、特に日常操作(Essentials)やオフィス作業(Productivity)での上昇が大きい。このあたりには、Zen 3によるシングルスレッド性能改善の効果がてきめんに現れていると言える。

HP Pavilion Aero 13 PCMark 10のスコア比較

 Zen 3のアドバンテージは、PCMark 10/Modern Office Battery Lifeでも感じられる。バッテリー駆動時の性能を示す「Battery Life Performance」は、バッテリー駆動中にEssentialsやProductivityに含まれる比較的ライトなビジネス作業を行ってスコアを出すが、比較対象のRyzen 5 4500Uに対して30%以上のスコアアップだ。シングルスレッド性能とともに、Intelに指摘されてきたバッテリー駆動中のライトな処理におけるパフォーマンスも改善が見られる。

 なお、バッテリー駆動時間も実測で11時間42分と公称値(最大10時間30分)を上回る駆動時間だった。

HP Pavilion Aero 13 PCMark 10/Modern Office Battery Lifeのスコア
HP Pavilion Aero 13 PCMark 10/Modern Office Battery Lifeのスコア比較

 3D描画性能については、Ryzen 5 4500U搭載のHP ProBook X360 435 G7とほぼ同等だが、FINAL FANTASY XIV:漆黒のヴィランズベンチマークでは少し劣っている。HP ProBook X360 435 G7は当時のRyzen 5 4500U搭載機としてはかなり性能の良い方の製品であり、熱設計的に余裕があるのかもしれない。

 いずれにしても、同じCPU内蔵のIntel HD Graphicsよりはだいぶ良いが、Intel Iris Xe Graphicsには及ばないという、AMD Radeon Graphicsのポジションは、新世代となっても変わりはない。

HP Pavilion Aero 13 3DMark/Fire Strikeのスコア比較
HP Pavilion Aero 13 3DMark/Time Spyのスコア
HP Pavilion Aero 13 FINAL FANTASY XIV:漆黒のヴィランズベンチマークのスコア比較(標準品質)

 発熱面では、ボディー奥のヒンジ部が最も高く、キーボード左側にも少し熱い部分があるが、手がよく触れるパームレスト部は体温以下を保っている。

 動作音も静粛な部類だ。高負荷時は負荷開始から少しずつファンの音が大きくなっていくが、ピーク時でも抑えが効いたマイルドな音だった。

HP Pavilion Aero 13 FINAL FANTASY XIV:漆黒のヴィランズベンチマーク実行時の最終盤にFLIR ONEで撮影したサーモグラフィー(室温26度)。手が触れるパームレストは体温以下を保っていた

リモート学習やテレワーク含めて幅広く活用したい人にピッタリ

 洗練されたデザイン、鮮烈なカラーのインパクトが強い製品だが、1kgを切る軽さでクラス最上級のパフォーマンス、明るく色域も広い液晶ディスプレイ、実動約11時間のバッテリーなど、PCとしての実力も非常に高い。

 本製品は、10月5日にリリース予定のWindows 11への無料アップグレード対象モデルになっており、今購入しても安心して利用できる。

 日本HPの直販サイト「HP Directplus」での希望販売価格は16万3900円(税込み、以下同様)だが、原稿執筆時は12万3000円で販売されていた。さらにMicrosoft Office Home & Business 2019が40%オフで追加できるキャンペーンも実施されており、買い得感が高くなっている。

 リモート学習用、テレワーク用はもちろん、動画視聴、カジュアルな写真や動画の編集まで幅広い用途で活用できるモバイルノートPCを探している人にはピッタリの製品だ。あえて欠点を挙げるとすればキーボードの配列だが、そこが気にならない人には強くお勧めしたい1台と言えるだろう。

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