日本HPが元気だ。
2014年に分社化されたHPと日本HPだが、同社の2020年第2四半期(2020年3〜5月)はPC部門がプリンティング部門の利益を初めて上回っており、PCの好調ぶりがうかがえる。事実、米HPは、2020年4〜6月のPC出荷台数で世界シェアNo.1(IDC調査)を獲得、この日本でもブランド別シェアでトップを記録した。
新型コロナウイルスの影響で企業向けPCの需要が大きく落ち込む中で、日本HPは個人向けPC、特にノートPCの安定的供給などが功を奏して、同時期で日本国内の個人向けPC市場で初の2位を奪うなど、好調ぶりが顕著に表れている。
そのような背景の中で新たに投入されたのが、個人向けPCの「Spectra」と「Envy」シリーズだ。そのうち、物理シャッターを備えたWebカメラやマイクミュート機能、指紋認証センサーの搭載などシリーズ“初”となる要素を詰め込んだ「HP Spectre x360 14」の最上位モデル(モデル名:14-ea0048TU)をチェックした。
このSpectre x360 14シリーズの中で、評価機の最上位モデルならではの特徴が、画面解像度3000×2000ピクセル(267ppi)で、タッチ操作に対応した有機ELディスプレイを採用している点にある。シリーズ初となる縦横比3:2の13.5型ディスプレイは、画面を360度回せばタブレットモードとしての利用が可能だ。さらに本体には内蔵できないものの、アクティブペン(HP MPPアクティブペン)が標準で付属しており、手書き入力もスムーズにこなせる。
ワンタッチで画面の見える視野角を制限するプライバシーモード(HP Sure View Reflect Gen4)は下位モデルのみの採用となるが、本機は400ニトの明るさを確保するとともに、光沢タイプながら光の反射や画面への映り込みを抑えたアンチリフレクションコーティングの効果により、極端に明るい晴天下でなければそれほど気にならない程度に済んでいる(ただし、点光源に近い光は光の帯が6方向に出てしまい、黒っぽい画面では気になった)。
HUAWEIのノートPCや日本マイクロソフトのSurfaceシリーズと同じ3:2というアスペクト比は、表示領域が縦方向に長くてWeb画面の一覧性が高く、タブレット時の扱いやすさも向上する。DCI-P3で100%という広い色域(出荷時にカラーキャリブレーションを実施)やブルーライトカット機能などとあわせて、非常に使いがいのある部分といえるだろう。
次に、注目の日本専用キーボードを見ていく。
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