先述の通り、LIFEBOOK UH Keyboardは現行のLIFEBOOK UHシリーズに搭載されているキーボードをベースに開発されている。日本語配列だがかなの印字は一切ない。
クラウドファンディング当初の製品イメージやモックアップ(模型)では、日本語入力に関連するキー(半角/全角キーなど)に日本語の刻印が残っていた。しかし製品版はそれらのキーからも日本語表記が排除されている。変換キーと無変換キーについては記号表記だ。
そのおかげか、製品版は当初のイメージよりもスッキリとしたイメージを受ける。
キーボードにはタッチパッドが付いており、マウス操作も行える。タッチパッドの横幅は現行のUHシリーズとほぼ同じだが、縦幅は縮小されており、クリックボタンも非常に小さくなっている。
LIFEBOOK UH Keyboardは“モバイル”キーボードという位置付けである。仕方ない面もあるが、個人的にはクリックボタンはもう少し大きくしてほしかった。
ちなみに、LIFEBOOK UH KeyboardにはLEDバックライトも搭載されている。Fnキーを押しながらスペースキーを押すと「オフ→弱→中→強→オフ……」というループで切り替えられる。暗所での作業をする際の快適さを増してくれるはずである。
LIFEBOOK UH Keyboardの裏面は、本体色に合わせたラバー素材で覆われている。これは滑り止めを兼ねており、机上に設置した際に強めに打ち込んでもキーボードがズレるといったことはない。
ただし、傾きを変えるリトラクタブルスタンドは省かれている。個人的にはクリックボタンの小ささ以上に残念だと感じたポイントである。後継モデルでは、ぜひ傾斜を調節するための「足」は付けてほしいと思う。
ここからは、LIFEBOOK UH Keyboardを実際に使っていく。
先ほども少し触れたが、内蔵バッテリーを充電したりUSBキーボードとして利用したりする場合は、キーボード本体にUSB Type-Cケーブルをつなげる必要がある。スイッチがオフの状態でPCとつなぐと、バッテリーの充電をしつつUSBキーボードとして利用可能だ。据え置いて使う分には、つなぐだけで特別なセットアップを行わずに済む。
バッテリーの充電インジケーターは、USB Type-C端子の右側にあるLEDライトで確認できる。このライトは“透過”してキーボードからも確認できる。後述するBluetoothの接続ランプも同様だが、わざわざ背面を見ることなくステータスを確認できるのはとても便利だ。
Bluetoothキーボードとして利用する場合は、電源スイッチをオンにする。USBケーブル経由でPCとつないでいる場合、この時点でUSBキーボード機能は無効化されるが充電は引き続き行える。
バッテリー内蔵型のワイヤレスキーボードの中には、電源を入れると充電がストップするものもある。利便性の面で、充電しながら使えるのは便利だ。
LIFEBOOK UH Keyboardは、最大で3台のデバイスとのペアリング(ひも付け)に対応している。ペアリング先の切り替えは、後面のボタンスイッチで行える。どのデバイスと接続しているかは、LEDライトで確認可能だ。
取扱説明書にはWindows 10/11 PCと接続した場合の操作方法が記載されており、キーの印字もWindows 10/11に最適化されている。両OSではクイックペアリング(Swift Pair)にも対応しており、キーボードをペアリング待機状態にしてからペアリングしたいPCに近づけると簡単な操作でペアリングできる。
なお、LIFEBOOK UH KeyboardはMac(macOS)やiPad(iPadOS)との接続もサポートしている。MacやiPadと接続する場合は、Fnキーを押しながらF1キーを押して「入力モード」を切り替えると一部のキーが各プラットフォームに最適化される。
入力モードに関する具体的な説明は、FCCLのサポートサイトに掲載されている補足説明書を参照してほしい。
ここで「AndroidスマホやAndroidタブレットでは動かないの?」と思う所だが、このキーボードは残念ながらAndroid端末では正常に動作しないようだ。以下のスマホで試してみたが、いずれもペアリング後にデバイスとしてうまく追加できなかった。
「どうしてもAndroid端末で使いたい!」という場合は、USBケーブルを用意してUSBキーボードとして使おう。ただし、接続する端末がUSBホストに対応していない場合は、この方法でも使えない。
LIFEBOOK UH Keyboardは、USBケーブルさえあればUSBキーボードとして使える上、最大3台のBluetoothデバイスと組み合わせて使える。利便性の面では、筆者が普段使っている「ThinkPad TrackPoint Keyboard II」に勝っているとも思う。
ただ、難点がないかといえばそうでもない。先に触れたことも一部あるが、筆者としては以下のポイントが難点と感じた。
まだ届いてから短時間しか使っていないものの、キーの打ち心地がとても良いだけに、これらがとても気になってしまうのだ。
恐らく、これからユーザーからのフィードバックがたくさん集まってくるだろう。それを踏まえて、より良いモバイルキーボードとして進化していくことを期待したい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.