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神尾寿のMobile+Views:iPhone 3G Sが猛烈に欲しくなる――iPhone OS 3.0がもたらす新たな世界 (1/2)

6月18日、「iPhone 3G S」の発売にさきがけて、iPhone OS 3.0の配信が始まった。既存のiPhoneユーザーでも端末を買い替えることなく多くの新機能を利用できるが、新機能を使えば使うほど新モデルの3G Sが欲しくなってくるのだ。

 日本時間、6月18日未明。AppleからiPhone OSのメジャーバージョンアップ版となる「iPhone OS 3.0」がリリースされた。すでに入手して、インストールしたユーザーも多いことだろう。

 18日の午前4時。筆者も起床して、仕事を始めてすぐにiPhone OS 3.0をダウンロードした。まだ朝の早い時間帯だったこともあり、iTunes Storeが混雑することもなく、あっさりとインストールは終わった。ダウンロードから本体の自動バックアップ、バージョンアップという一連の作業にかかった時間は30分程度である。

 iPhoneの“メジャーバージョンアップ”は、アメリカなど初代iPhoneが発売された地域では「iPhone OS 1.0から2.0へ」で経験済みだ。一方で日本は、iPhone OS 2.0搭載のiPhone 3Gから発売された地域であるため、メジャーバージョンアップは初体験。多くのユーザーが“ソフトウェアで進化する”iPhoneの真価を、新鮮な驚きをもって感じているはずである。

 そこで今回のMobile+Viewsでは、インプレッションを交えながらiPhone OS 3.0の意義について考えてみたい。

230Mバイトで世界が変わった

Photo iPhone OS 3.0のホーム画面。アイコン一覧の下に、虫眼鏡マークの検索画面が追加されている

 たったの230Mバイトである。

 何が? iPhone OS 3.0のダウンロードサイズが、だ。

 iPhone OS 3.0へのバージョンアップを始めて筆者がもっとも驚いたのが、まさにそこだ。iTunesのダウンロードページを見たら、iPhone 3Gをバージョンアップするためのソフトウェアのサイズが「230Mバイト」となっていたのである。

 iPhone OS 3.0については、今年3月に概要が発表され、ちょうど10日前のWWDC(Worldwide Developers Conference 2009)で大々的に新機能が紹介された。筆者もサンフランシスコのその会場にいて、新機能の数々と、それによって実現する多様なアプリケーションソフトウェアやサービスの可能性を見てきた。その熱気と興奮の渦の中心にいたわけであるが、いざiPhone OS 3.0のふたを開けたら、たったの230Mバイトで、その未来が実現するというのだ。これはちょっとした驚きである。

 つつがなくインストールが終わり、iPhone 3Gが再起動すると、見慣れたホーム画面が現れた。しかし、よくよく見ると「SMS」だったアイコンが「SMS/MMS」と変わっているし、初見となる「ボイスレコーダー」のアプリが入っている(そのせいで自分が設定したアプリが第2画面に押し出されていた)。また、画面切り替えのインフォメーションには、現在表示中の第1画面の「左となり」に虫眼鏡アイコンが追加されていた。iPhone OS 3.0の新機能の1つである「Spotlight検索」画面の案内だ。

強力すぎるSpotlight検索の実装

Photo 電話帳での検索画面。インクリメンタルサーチが随所で利用できる

 今回のiPhone OS 3.0では、「コピー&ペースト」対応を筆頭に文字入力環境の拡充が注目されている。ここはこれまでiPhone 3Gが苦手としていた領域であり、一般的な携帯電話やスマートフォンに負けていた部分なので関心が集まるのは当然のことだろう。

 筆者も昨日、新しくなった日本語環境をずいぶんと使い込んだが、コピペをはじめとする新たな入力環境は、iPhone向けにずいぶんと考えぬかれたものであると感じた。

 しかし、その一方で、筆者が今回のバージョンアップで“大きな進化”だと感じたのは、検索機能のSpotlightの実装だ。

 既報のとおり、iPhoneのSpotlight検索は、アドレス帳やメール、スケジュール、メモ、各種アプリケーションなどを横断的に検索する機能である。基本的なコンセプトや機能はMac OS XのSpotlightと同じなので、Macユーザーであればイメージしやすいだろう。

 iPhoneのSpotlight検索では、アイコンがずらりと並ぶホーム画面の左に検索画面が用意されている。画面には検索キーワードを入力するボックスがあり、ここに検索したい言葉を入れれば、すぐに検索結果が表示される。ちなみにここでの検索は、日本語の文字でもインクリメンタルサーチが適用される。検索速度も速く、キーワードからアドレス帳やスケジュールを探したい時などはとても重宝する。

 そしてもう1つ、今回のSpotlight検索で目玉となるのが、「メール」における検索機能の実装だ。

 電子メールの検索機能は一部の携帯電話やスマートフォンにも実装されているが、今回、iPhone OS 3.0で実装されたSpotlight検索はIMAP4のメールサーバとシームレスに連携している。端末内のメールボックスに探しているメールがない場合は、そのまま「サーバで検索を続ける」ことができるのだ。

 過去にやりとりしたメールを簡単かつすばやく探せるため、外出先でアポイントメントのメールを確認したい時などに、すこぶる重宝する。メールにおける強力な検索機能の実装は、プライベートシーンもそうだが、それ以上にビジネスシーンで役立つ機能と言えそうだ。

 少し大げさにいえば、今回のSpotlight検索機能は、“ケータイの使い方”を変えてしまうくらいの可能性を秘めている。「やりたいこと」や「目的とする情報」をインデックスから探すのではなく、キーワードからダイレクトに検索・利用できるからだ。しかもSpotlightでは、検索対象が端末内のソフトウェアや各種データまで幅広く適用されているほか、サーバ上のメールサービスまで連携している。このような横断的にソフトウェアやサービスが連携する使いやすさは、今までの日本の携帯電話になかったものだ。

 iPhone OS 3.0のSpotlightを使ったときの感覚は、初めてGoogleが登場し、インターネットの使い方が変わっていった時に似ている。すでにかなり完成度は高いが、今後どこまでこの機能が成長・発展していくのか。とても楽しみである。

Photo Spotlight検索画面。iPhone内の主要機能やデータから検索ができる
Photo 「メール」のSpotlight検索では、端末内だけでなく、MobileMeのサーバ内検索もできる。
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