勢力図に異変は起こるか? 携帯3キャリア“冬の陣”の行方(1/2 ページ)

» 2009年09月04日 18時30分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]
SBMは「のりかえ割」を中心に据えてのりかえキャンペーンを訴求

 ソフトバンクモバイル(SBM)は9月1日、新規契約者向けの割引プラン「のりかえ割」を開始した(参照記事)。のりかえ割は、ホワイトプランとS!ベーシックパックへの加入を条件に、ホワイトプランの基本料金が5カ月無料になり、「しゃべるお父さんスリッパ」がもらえるというもの。(1)MNP(番号ポータビリティ)を利用してSBMに新規加入した人、(2)他キャリアの携帯電話を解約して新規に契約したユーザーの両方が対象になる。

 さらに、加入した翌々月から最初の3カ月間で請求額の平均が1万円以上の場合は、無料期間を5カ月間延長し、ホワイトプランの基本料金が10カ月間無料になる。また、「ただとも」プログラムと併用すれば、最大で15カ月間ホワイトプランの基本料金を無料で利用できるようになる。

 対象ユーザーの条件から分かるとおり、SBMが狙うのは、“他キャリアからの乗り換え”。中でも月々の使用料が高額の利用者を囲い込みたい考えだ。このタイミングで同社が乗り換えユーザー獲得に力を入れるのには、ある理由がある。

携帯電話が売れなくなった理由

 2007年10月、NTTドコモは新しい販売方法として「バリューコース」「ベーシックコース」を開始、バリューコースを主力の販売方法とした(参照記事)。それまでの「販売奨励金モデル」に代わり、携帯利用料と端末料金とを分け、端末料金を通話料とは別に支払う「分離プラン」に移行した。分離プランでは、端末代金を一括で払うと高額になることをかんがみ、12回や24回の分割払いで支払える「割賦制」が導入された。

 au(KDDI)も2007年11月から同様の販売方法である「au買い方セレクト」をスタート(参照記事)。SBMは「新スーパーボーナス」として、携帯3キャリアの中で最も早くから分離プランを導入している。

 ドコモを例に説明しよう。バリューコースを選択すると「バリュープラン」という料金プランが適用され、月額の基本使用料が1680円(タイプSSのみ1823円)割引になる。これに「ファミ割MAX50」「ひとりでも割50」を組み合わせると、月額の基本使用料がさらに半額になる(タイプSSバリューなら1957円が980円)。月々の利用料が安くなる半面、端末代金は別途支払う必要があるため、割賦で購入した人は代金を払い終えるまで機種変更がしづらくなる。ほとんどのユーザーは2年割賦で端末を購入するため、携帯の買い換えサイクルが2年以上と長くなる“2年縛り”が始まったのだ。

“2年縛り”が解けるタイミング

 ドコモがバリュープランを導入したのは、大ヒットした905iシリーズ以降の端末。2007年冬モデルの905iシリーズや、2008年春モデルの705iシリーズを購入したドコモユーザーの2年縛りが解けるのが、今年の秋から2010年春にかけてということになる。

 バリュープランの契約数は、サービス開始からわずか19週間、2008年3月で500万件を突破した。ドコモによれば同プラン契約者のほとんどは割賦販売を選んでいるということなので、SBMから見ればドコモだけでも500万人近くが“乗り換え”のターゲットということになる。

バリュープランの契約数は、2009年3月18日に2000万契約を越えた
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