携帯電話は安全か? 「初のiPhoneワーム」に学ぶ教訓(1/2 ページ)

» 2009年11月17日 11時48分 公開
[Don Reisinger,eWEEK]
eWEEK

 新たなワームがオーストラリアの一部のiPhoneに感染している。このワームはユーザーがJailbreak(ロック解除)したiPhoneのroot権限を取得して、リック・アストリー(リックローリングで知られる)の画像をデフォルトの壁紙としてインストールする。セキュリティ企業Sophosはこの「Ikee」ワームを駆除するのは非常に難しいが、感染したデバイスの持ち主をイライラさせる程度の害しかないようだとしている。今のところ、このワームはオーストラリアのユーザーにのみ影響していることも指摘しておくべきだろう。

 だがこのiPhoneワームは、モバイルセキュリティの本質について少なからぬことを教えてくれる。携帯電話は安全だと信じている人にとっては貴重な教訓にもなる。いつ何時でも完全に安全ということはない、というのが現実だ。Appleはユーザーのセキュリティ対策に最善を尽くしているが、Jailbreakしていようといまいと、iPhoneでさえ100%の安全を維持することはできない。

 だからこそ、今回の小さなセキュリティ事件から、あらゆる携帯ユーザーがモバイルセキュリティとそこに存在する危険を学ぶことができるのだ。

1. Jailbreakに反対する理由

 Appleはこのワームのニュースに対応する際に、きっと「iPhoneをJailbreakすると不要な危険にさらされる」と明言するだろう。これは一部真実だ。JailbreakされていないiPhoneにはすべてのセキュリティ機能が備わっているため、悪意あるハッカーに侵入される可能性は抑えられる可能性がある。Jailbreakは最善の行為ではないかもしれない。

2. 信頼しすぎが問題だ

 ユーザーが他人から受け取ったファイルを、どうなるか考えずに開いてしまうことはあまりにも多い。信頼できる相手から来たメールだろうと、知らない人から来たメールだろうと、添付ファイルを開くときには常に注意が必要だ。これまでやりとりした内容に関連する添付ファイルだろうか? 信頼できる相手から来たものだろうか? 添付ファイルを開く前に、このような質問を自分に問い掛けることが大事だ。

3. 間違った安心感

 残念なことに、「Windows PCではなくiPhoneを使っているから安全だろう」と信じている人はあまりにも多い。必ずしもそうとも言えない。AppleはiPhoneのセキュリティをきちんと固めており、これまで問題はほとんど起きていないが、完全に安全が保証されているとは到底言えない。何も心配せずに何でもできると思っていると、自身を危険にさらす恐れがある。

4. 携帯セキュリティ侵害の被害は大きい

 ユーザーの中には、携帯電話がマルウェアに感染しても大した被害はないと信じている人もいる。機密情報はすべてPCに入っていると思っているからだ。もう一度ちゃんと考えてほしい。iPhoneに仕事用のメールアカウントをひも付けている場合、iPhoneにすべてのメールが送られる。悪意あるハッカーがiPhoneに侵入したら、すぐにその機密データにアクセスする方法を見つけるだろう。

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